注意!犬の暑さ対策の「保冷剤」
暑さでハァハァ苦しそうにしている愛犬に、保冷剤を使用して冷やしてあげようと考える飼い主さんもいると思います。しかし、よかれと思って使用した保冷剤が、思わぬ事故を招くこともあるのです。
そこで今回は、犬の暑さ対策で保冷剤を使う際の注意点をご紹介します。わんちゃんの安全を確保してあげましょう!
保冷剤に含まれる「エチレングリコール」が中毒を引き起こす⁉
保冷剤の中でも"アイスノン"など、凍らせても固まらないタイプのものは、プニプニした触感を持っていますよね。そのプニプニする正体こそ「エチレングリコール」です。
エチレングリコールは、人間にとっても中毒性が高く、危険な物質です。ましてや体の小さな犬が誤飲してしまうと、最悪の場合、死に至ることもあります。
エチレングリコールの特徴は、甘味があることです。嗅覚の鋭い犬なら、パックの中のエチレングリコールの甘い匂いを嗅ぎ分けることなど容易でしょう。もし、パックを破いて誤飲してしまったらと考えると、ゾッとします…。
もし、保冷剤の中身を誤飲してしまったら…
それでは、万が一保冷剤の中身を誤飲してしまったらどうすべきなのでしょうか?
まず第一にすべきことは、エチレングリコールを体内に吸収させないために吐かせる必要があります。吐かせるときは、消毒用のオキシドールや塩水を使うとよいとされていますが、うまく吐いてくれなかった場合は帰って吸収を速めてしまうこともありますし、オキシドールは消化管に潰瘍を起こすこともあります。
やむを得ない場合もありますが、リスクがあることも知ったうえで行うことになります。
エチレングリコールは、誤飲後30分程度でステージ1の症状が現れるので、何としてでもその前に対処しなければなりません。あくまでも、飼い主の手で吐かせることは応急処置です。速やかに動物病院に連れて行き、保冷剤の誤飲を伝えてください。
保冷剤の種類を知っておくべき
ここまでは凍らせても固まらないタイプの保冷剤について説明しましたが、保冷剤の種類や成分について、もう少し詳しくみていきましょう。
凍らせても固まらないタイプの保冷剤
凍らせても固まらないタイプの保冷剤に含まれるエチレングリコールは、車の不凍液にも用いられています。
説明した通り、劇薬ともいえるエチレングリコール。法医学がテーマの大人気ドラマでは、犯人の命を奪う目的で使用されていました。
特徴は、
- 凍らせても硬くならない
- 甘い匂いがする
- 人体用
食品に添えられる保冷剤
生活の中で広く使用されているのが、食品に添えられる保冷剤。こちらは、凍らせるとカチカチに固まります。
固まるタイプの保冷剤の中身は、"ポリアクリル酸ナトリウム"という成分です。万が一口にしても体内に吸収されることはないため、下痢や嘔吐など一時的な症状で終わることがほとんどです。
特徴は、
- 凍らせると固まる
- 無臭
除菌に使える保冷剤
最近増えてきているのが、中身を手やまな板の除菌に使えるタイプの保冷剤です。
除菌に使える保冷剤の中身は、"弱酸性消毒液"です。口にしても無害ですが、できることなら食べたくはないですよね…。
特徴は、
- 凍らせると固まる
- 無臭
- 「除菌」など説明書きがある
まとめ
犬の暑さ対策で保冷剤を使う際の注意点をご紹介しました。
暑さに弱いわんちゃんのために、便利な人体用の保冷剤を使いたくなる気持ちは分かりますが、絶対にやめましょう。もしものことを考えると、わんちゃんのいる家庭では人体用保冷剤の使用は控えた方がよさそうです。
最近は、犬用のひんやりマットや、クール素材のTシャツなどが販売されているため、愛犬にとって安全なものを活用して暑さを乗り切りましょう!
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30代 女性 ゆか