犬のしんどい時の寝方とは?
愛犬がぐっすり眠れているのを見ると安心しますよね。犬それぞれに眠りの深さや姿勢も違いますが、犬の習性から寝方で体調不良などが分かったりすることがあります。
また、寝る場所の環境を犬が快適と感じていない場合や、精神的なストレスがかかっているなど、様々な要因で犬の寝る姿勢が変わってきます。犬は体調が悪い時にどのような体勢で寝るのかを詳しく解説します。
体に力が入ったまま丸まって寝る
犬が丸くなって寝るのはごく普通です。お腹の部分から体温を逃がさないようにすること、内臓を外部の刺激から守ることなどの意味があります。ただし、丸くなって眠っているときに必要以上に力が入っている場合には、何らかの不調が考えられます。
特に、室温が寒すぎる場合にはかなりきつく丸まって眠ることがあります。また、どこか体に痛いところがある時も体に力が入ったまま丸くなっている場合もあります。
四肢を脱力させて首を伸ばしたまま横向きに寝る
犬は、横向きになっているときはリラックスしていることが多いといわれていますが、あまりにも脱力している場合や、呼吸が早すぎる場合には注意が必要です。
熱中症に陥っている、また室温が熱すぎてぐったりしている場合、横向きになり四肢を投げ出して眠ることがあります。
前足を伸ばしたまま腰を高くして寝ている
うつぶせ寝で前足を伸ばしたまま腰を高くしている場合は「祈りのポーズ」といって、犬の姿勢の中で注意が必要な姿勢です。
すい炎などが原因で腹痛を起こしている可能性があります。祈りのポーズがみられ、熟睡できずに体勢を何度も整えている様子があれば注意が必要です。
飼い主に極度にすり寄って寝ている
体調が悪い時には、精神的な不安から飼い主にくっついて離れないことがあります。必要以上に身体を押し付けて眠るような様子がある場合には、どこか痛かったり、不安になっていて熟睡出来ていない可能性があります。
犬がしんどい時の寝方をしている際に気をつけたい症状
犬がしんどい寝方をしている際に他に症状がある場合には、その様子によっては病気の可能性もあります。
実はぐったりと横になっていたのに静かに寝ているだけと思ってしまい、気が付くのが遅れたということがないように気をつけましょう。緊急性の高い状態であればすぐに動物病院に相談が必要です。
睡眠時間が極端に長い、または短い
犬は睡眠時間が長い動物です。成犬でも長い時には18時間も寝ていることがあるぐらいです。
人間と比べると犬の睡眠時間とても長いですが、実は浅い眠りが80%を締めているといわれています。これは犬の習性から危険を察知した場合に備えているためで、人間のように熟睡して疲れを取ることはできません。
ただし、個体によって睡眠時間は異なります。普段の睡眠時間に比べて極端に長かったり、逆に短くなっている場合には注意が必要です。日頃から愛犬を観察していつもと違う点などがないかを気を付けて見てあげてください。
呼吸の仕方・回数や舌の色が変化している
犬の安静時の呼吸数は1分間に小型犬で20回前後、大型犬は15回前後が平均といわれています。寝ているときに呼吸数が30回を超えている様であれば、何らかの体調不良が考えられます。
呼吸数の他にも
- 胸だけでなくお腹も過度に膨らんでいる
- 吸う時間が吐く時間よりも極端に長い
- 口があきっぱなしで呼吸している
このような状態の時には、呼吸が苦しくなっている可能性があります。
呼吸数が異常に多かったり、口が開きっぱなしで呼吸しているときは注意が必要。口の中が確認できるようであれば、舌の色もチェックしましょう。
- 青紫…酸素が全身にいきわたっておらずチアノーゼを起こしている
- 白…低血糖や貧血を起こしている
- 真っ赤…熱中症や高熱の状態
犬の舌の色は通常鮮やかなピンク色をしていますので、上記のような舌の色に変化がある場合は要注意です。
犬の体に触ると異常な熱さや冷たさを感じる
寝ているときに犬の身体に触ってみてください。お腹などを触って以上に熱かったり、冷たかったりすれば、何らかの理由で体調が悪くなっている可能性があります。
犬の睡眠時の仕草がいつもと違う
犬が寝ているときにいつもと様子がおかしいとき、経過観察をするか、すぐに病院に連絡をした方がいいか迷うことがあると思います。
以下の症状があるときには、病院に連絡をして指示に従いましょう。
- 手足をバタバタさせて痙攣を起こしている
- 声をかけても全く意識がない
- 激しいいびきをくりかえしている
- 何度もおきて体勢をかえて落ち着かない
痙攣の発作を起こして、声をかけても目が覚めないなどの場合は、眠っているというより意識を失って倒れている状態です。緊急性が高いので犬の様子をしっかり確認し、すぐに動物病院に診てもらいましょう。
何度も起き上がって寝ている体勢を整えているなどの行動がみられる場合は何らかの異常があり、眠れていない可能性があります。
犬がしんどい時の寝方をしている時の対処法
犬がしんどい時の寝方をしているときに、飼い主さんが簡単にできることをまとめました。くれぐれも危険な症状が出ている場合は、素人判断はせずに動物病院に連絡しましょう。
犬の寝姿を動画に撮って記録しておく
犬の睡眠時の姿勢や仕草などは、獣医さんが直接見ることはできません。口頭で説明するよりも、動画を撮影して様子が伝わるようにしておくと、診断などもスムーズに行うことができます。
また、眠っている時間が長くなったり短くなったりしている場合には、時間がどのくらいかを詳しく説明できると良いでしょう。
無理に犬の寝方を変えない
犬の寝方がおかしいな、苦しそうだな、と思っても無理に犬の寝ている姿勢を変えるのは控えましょう。どこか痛いところがある場合は症状をひどくしてしまうこともあります。
飼い主さんにとって違和感がある姿勢でも、犬の体調によってはその姿勢を楽に感じていることもあります。できるだけ犬の楽な姿勢を保ってあげられるように見守りましょう。
室温の調整を行う
犬は、室温が不快と感じているときにはきつく丸まって寝たり、足を投げ出してぐったりします。そんなときはすぐに室温調整をする必要があります。冷房時の室温は25℃前後、冬の室温は20℃前後になるようにしましょう。
寝るスペースはリラックスできるように整える
犬は、精神的な不安も影響して身体に力が入ったままになり、よく眠れないこともあります。身体を包みこむような柔らかいベッドや、身体が十分に伸ばせるスペースなど、犬がリラックスできる空間を作って整えてあげましょう。
音がうるさい場所や、飼い主さんが頻繁に通る場所に設置することで落ち着かず、リラックスした寝方ができない可能性も。静かでできるだけ犬が精神的に安心できる環境を作ることがポイントです。
まとめ
犬がしんどい時の寝方についていかがでしたか?愛犬が仰向けになってリラックスして寝ている様子をみるのはとても癒されますよね。人間と同様に、犬にとっても睡眠はとても大切です。長くだらんと伸びて寝ているときでも、他にいつもと違う状態などによっては危険な場合も。
犬はリラックスしているときに様々な体勢で寝ますが、一方で、警戒心の強い習性から何か違和感があれば緊張感が伝わる寝方になってしまいます。精神的にリラックスできるように、整えてあげることはとても大切です。
また、病気などが原因で寝方がいつもと違う場合があるので、寝相が気になった場合には素人判断せずに、獣医さんに相談しましょう。
眠っている様子は、犬の健康についてのとても大切な情報になりますので日頃からしっかり観察して、いつもと違うと感じたら寝ている姿を記録するなどして獣医さんに正しく伝えられるように心がけることが大切です。