【獣医師監修】ボーダーコリーの寿命は何年?長寿例・シニア期・健康に暮らすポイント

【獣医師監修】ボーダーコリーの寿命は何年?長寿例・シニア期・健康に暮らすポイント

ボーダーコリーの平均寿命は約13歳です。国内データをもとに犬全体との違いや25歳まで生きたとされる長寿例、シニア期の目安を紹介します。さらに、遺伝性疾患や毛色・性別と寿命の関係、年齢に合った食事や運動、健康診断など、健康に長く暮らすためのポイントをわかりやすく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ボーダーコリーの平均寿命は約13歳

隣同士で並んで立つ2匹のボーダーコリー

ボーダーコリーの平均寿命は、国内データでは13歳前後がひとつの目安です。

アニコム損害保険の「家庭どうぶつ白書2025」では、2023年度のボーダーコリーの平均寿命は13.0歳と報告されています。

この平均寿命は、アニコム損保のペット保険を契約した犬について、各年齢の契約頭数と死亡解約の届け出があった頭数から生命表を作成し、0歳時点の平均余命として算出されたものです。

生命表とは、年齢ごとの生存状況などをもとに、あと何年生きると見込まれるかを統計的に示す方法です。そのため、13.0歳は死亡した犬の年齢を単純に平均した「平均死亡年齢」とは異なります。

愛犬が何歳まで生きるかを個別に示す数字ではありませんが、ボーダーコリーの寿命を考えるうえで、国内の同じ条件で集計された客観的な目安として参考にできます。

犬全体の平均寿命と比較

同じ「家庭どうぶつ白書2025」の2023年度データでは、犬全体の平均寿命は14.1歳です。ボーダーコリーの13.0歳と比べると、同じ調査では1.1歳低い結果となっています。

同じ調査元・同じ年度のデータで比較できるため、ボーダーコリーの寿命の位置づけを知るうえで参考になる数字です。

ただし、犬全体の平均には小型犬から大型犬までさまざまな犬種が含まれています。犬は体格や犬種によって寿命の傾向が異なるため、14.1歳との差だけからボーダーコリーを「短命な犬種」と判断することはできません。

平均寿命はあくまで多くの犬をまとめた統計上の目安です。ボーダーコリーでは13歳前後をひとつの基準としながら、実際の寿命には一頭ごとの健康状態や生活環境などによる違いがあると考えておくとよいでしょう。

ボーダーコリーには25歳まで生きたとされる長寿例もある

芝生の上で伏せるシニア期のボーダーコリー

ボーダーコリーの長寿例として紹介されることがある犬に、「Bramble(ブランブル)」がいます。Brambleは25歳まで生きたとされており、非常に長生きした犬として知られています。

25歳という年齢は、ボーダーコリーが一般的な寿命の目安を大きく超えて暮らすこともあると知るうえで、興味深い長寿例です。

ただし、Brambleについては資料によって犬種の表記に違いがあるため、「ボーダーコリーの公式な最高齢記録」として扱うのではなく、長寿例のひとつとして捉えるのが適切です。

犬が何歳まで生きるかには個体差がありますが、こうした長寿例からは、平均的な寿命を超えて高齢まで暮らす犬もいることがわかります。

愛犬の年齢を考えるときは、平均寿命だけでなく、一頭ごとの健康状態や変化にも目を向けていくことが大切です。

ボーダーコリーのシニア期は10歳前後が目安

草陰から顔を出すボーダーコリーのシニア犬

ボーダーコリーは、10歳前後からシニア期を意識し始めるのがひとつの目安です。

犬が何歳からシニアになるかについて、すべての犬種に共通する明確な年齢が決められているわけではありません。犬種や体格によって寿命や老化の進み方が異なるためです。

犬のライフステージでは、推定される寿命の最後の約25%をシニア期とする考え方があります。ボーダーコリーの平均寿命が国内データで13歳前後であることを踏まえると、10歳前後はシニア期を意識する目安として参考になります。

ただし、10歳になった途端に急に老化が進むわけではありません。年齢を重ねても活発に過ごす犬もいるため、年齢とともに日々の体力や行動の変化にも目を向けていくことが大切です。

シニア期に見られる体力や行動の変化

シニア期になると、若い頃と比べて活動量や体の動かし方に変化が見られることがあります。以前より歩く速度がゆっくりになる、長時間の運動で疲れやすくなる、寝ている時間が増えるといった変化が一例です。

立ち上がるまでに時間がかかる、段差をためらう、遊ぶ時間が短くなるなど、日常のちょっとした行動から変化に気づくこともあります。

こうした変化は年齢を重ねた犬で見られることがありますが、痛みや病気などが関係している場合もあります。急に元気がなくなった、歩き方が変わった、食欲が落ちたなど、これまでと異なる状態が続くときは、単なる加齢と考えず動物病院へ相談しましょう。

ボーダーコリーの寿命と遺伝・毛色・性別の関係

原っぱに立って遠くを見つめるボーダーコリー

ボーダーコリーには、犬種に関連して知られている遺伝性疾患があり、繁殖や健康管理に役立てるための遺伝子検査や健康検査も利用されています。

一方で、遺伝子検査の結果や毛色、性別だけから、その犬が何歳まで生きるかを予測することはできません。寿命にはさまざまな要因が関係するため、それぞれの情報が何を示しているのかを分けて考えることが大切です。

遺伝性疾患と健康検査

ボーダーコリーでは、いくつかの遺伝性疾患についてDNA検査が利用されています。DNA検査とは、特定の病気に関連する遺伝子の変化を持っているかどうかを調べる検査です。

代表的なものには、目の発達に関係するコリー眼異常(CEA)、神経系に影響を及ぼすセロイドリポフスチン症(CL)、免疫に関わる捕捉好中球症候群(TNS)などがあります。

ただし、DNA検査の結果が何を意味するかは、病気の遺伝形式や検査の種類によって異なります。遺伝子の変化を持っていても発症しない場合がある一方、特定の組み合わせでは発症リスクが高くなる病気もあります。

そのため、DNA検査は「何歳まで生きられるか」を調べるものではなく、遺伝性疾患のリスクを把握したり、繁殖時の組み合わせを検討したりするための情報として役立ちます。

このほか、ボーダーコリーでは眼科検査や股関節・肘関節の評価、聴覚を調べるBAER検査などが行われることもあります。BAER検査は、音に対する脳幹の反応を測定して聴覚を評価する検査です。

こうした検査によって確認できるのは、それぞれの病気や体の状態に関する情報です。特定の病気のリスクと、ボーダーコリーという犬種全体の寿命は分けて考える必要があります。

毛色・性別と寿命の関係

ボーダーコリーだけを対象に、毛色や性別による寿命差を明確に示した十分なデータは確認されていません。そのため、「ブルーマールは短命」「メスのほうが長生き」などと、毛色や性別だけで寿命を判断することはできません。

ブルーマールは、毛に濃淡のある模様が現れるタイプのひとつです。寿命との関係を考える際には、ブルーマールという見た目そのものと、マール同士の交配に伴う遺伝的なリスクを分けて考える必要があります。

マールに関係する遺伝子の変化を両親から受け継ぐ「ダブルマール」では、視覚や聴覚に関する異常のリスクが高まることが知られています。

ただし、これは「ブルーマールのボーダーコリーは寿命が短い」という意味ではありません。毛色そのものではなく、どのような遺伝子の組み合わせを受け継いでいるかが重要なポイントです。

性別についても、犬全体を対象とした研究で寿命との関連が調べられることはありますが、その傾向をそのままボーダーコリーに当てはめることはできません。

オス・メスという違いだけでなく、一頭ごとの健康状態を見ていくことが大切です。

ボーダーコリーが健康に長く暮らすためのポイント

食器を手に持つ人の方をじっと見つめるボーダーコリー

ボーダーコリーが何歳まで生きるかは一頭ごとに異なりますが、年齢や体力、健康状態に合わせた生活管理を続けることは、健やかに暮らすうえで大切です。

食事や運動を適切に調整し、定期的な健康診断と日々の観察を続けながら、年齢による変化に早めに気づける環境を整えていきましょう。

適正体重を保ち、年齢に合った食事を続ける

毎日の食事では、体重だけでなく体格や活動量、年齢、健康状態などを見ながら、食事量や内容を調整することが大切です。

食べる量が多すぎると体重増加につながる一方、年齢を重ねると食欲や筋肉量が低下し、必要な栄養を十分に取れなくなることもあります。

そのため、太らせないことだけを意識するのではなく、痩せすぎにも注意しながら、その犬に合った体重と体型を維持することが重要です。

また、シニア期に入ったからといって、すべての犬がすぐにシニア用フードへ切り替える必要があるわけではありません。

年齢だけで判断せず、現在の体重や活動量、食欲、持病などに合わせて選び、大きく食事内容を変える場合は必要に応じて獣医師へ相談するとよいでしょう。

年齢と体力に合わせて運動を続ける

ボーダーコリーは活動的な犬種ですが、年齢を重ねても若い頃と同じ運動量や強度を続ける必要はありません。

散歩や遊びは、その日の体調や体力を見ながら無理のない範囲で続けていきましょう。適度に体を動かすことは、筋力や生活のリズムを保つうえでも役立ちます。

以前より歩く速度が遅くなった、途中で立ち止まることが増えた、運動後の疲れが長く残るといった変化が見られたら、運動量を見直すサインのひとつです。

反対に、急に散歩を嫌がるようになったり、歩き方が明らかに変わったりした場合は、年齢による変化だけでなく痛みや体調不良が関係していることもあります。気になる状態が続くときは、動物病院へ相談しましょう。

定期的な健康診断と日々の観察を続ける

健康診断は、普段の生活だけでは気づきにくい体の変化を確認する機会になります。必要な検査内容や受診頻度は、年齢やこれまでの病歴、健康状態などによって異なります。

あわせて、普段から愛犬の体重、食欲、飲水量、排泄、歩き方、活動量などを見ておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。

特に年齢を重ねると、体力や行動の変化を「年のせい」と考えてしまうことがあります。しかし、急に現れた変化や徐々に悪化する変化、何度も繰り返す症状には、病気や痛みなどが関係している場合もあります。

普段と違う状態が続くときは、症状だけから病名を判断せず、動物病院で相談することが大切です。

まとめ

どこかを見つめるボーダーコリーの顔のアップ

ボーダーコリーの寿命を考えるときは、平均寿命の数字だけでなく、年齢による変化や一頭ごとの健康状態にも目を向けることが大切です。

国内データでは平均寿命は13歳前後がひとつの目安ですが、実際に何歳まで生きるかには個体差があります。

毛色や性別だけで寿命を判断するのではなく、遺伝性疾患に関する情報や健康検査も、その犬の健康状態を把握するための材料として役立てましょう。

年齢を重ねたら、若い頃と同じ生活を続けることにこだわらず、体力や食欲、体型などの変化に合わせて食事や運動を調整していくことが重要です。

定期的な健康診断に加え、食欲や排泄、歩き方、活動量などを日頃から観察しておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。

平均寿命は将来を決める数字ではなく、健康管理を考えるための目安のひとつです。愛犬の年齢や体調に合わせた生活を続けながら、健やかに過ごせる時間を支えていきましょう。

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