【獣医師監修】ペマルチーズの平均寿命は何歳?最高齢・人間年齢や長生きのポイントまで解説

【獣医師監修】ペマルチーズの平均寿命は何歳?最高齢・人間年齢や長生きのポイントまで解説

マルチーズの平均寿命は13〜14歳前後が目安です。国内データをもとに、ほかの小型犬との寿命比較や研究で報告された最高齢、人間年齢への換算、シニア期の目安を紹介。長生きのために意識したい食事・運動・健康管理、注意したい心疾患や高齢期の体調変化についてもわかりやすく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

マルチーズの平均寿命は13〜14歳前後が目安

ベンチに並んで座る3匹のマルチーズ

マルチーズの平均寿命は、13〜14歳前後をひとつの目安にするとよいでしょう。

アニコム損害保険の「家庭どうぶつ白書2025」では、2023年度のマルチーズの平均寿命は13.5歳でした。

この平均寿命は、アニコム損保の保険契約犬について、各年齢の契約頭数と死亡解約の届け出があった頭数から生命表を作成し、0歳時点の平均余命として算出されたものです。

平均余命とは、その年齢から平均してあと何年生きるかを統計的に示した値をいいます。

また、東京の8か所の動物霊園で収集されたデータを分析した国内研究では、マルチーズ437頭の0歳時平均余命は14.3歳、死亡年齢中央値は14.5歳でした。

死亡年齢中央値とは、対象を死亡年齢の順に並べたときに中央に位置する値です。平均余命とは算出方法が異なるため単純には比較できませんが、国内で暮らすマルチーズの寿命を考えるうえで参考になるデータです。

なお、平均寿命は「その年齢までしか生きられない」という上限ではありません。実際の寿命は、健康状態や病気の有無、生活環境などによって一頭ずつ異なります。

「ティーカップ」「極小」などの呼称についても、通常のマルチーズとは別の平均寿命が定められているわけではありません。

こうした呼称はJKC(ジャパンケネルクラブ)の犬種標準に設けられた正式なサイズ区分ではなく、呼称ごとに分けた公的・大規模な寿命統計も確認されていません。

ほかの小型犬と比べたマルチーズの寿命

マルチーズの平均寿命は、ほかの小型犬と比べても大きく離れた数字ではありません。

「家庭どうぶつ白書2025」の2023年度データでは、トイ・プードルが15.3歳、パピヨンが14.6歳、シー・ズーが14.0歳、チワワが13.7歳、マルチーズが13.5歳でした。

一方、マルチーズより平均寿命が短い犬種としては、ペキニーズが13.2歳、パグが12.6歳、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルが12.4歳と報告されています。

いずれも同じ資料・同じ年度のデータであるため、犬種ごとの寿命を比較する際の目安として利用できます。

ただし、犬種ごとの平均寿命には差がみられるものの、実際に何歳まで生きるかは個体によって異なります。平均寿命だけで愛犬の寿命を予測するのではなく、日頃の健康状態を確認しながら年齢に合ったケアを続けることが大切です。

国内研究で報告されたマルチーズの最高齢

ソファに伏せて遠くを見つめるマルチーズ

国内の査読研究では、研究対象となったマルチーズ437頭の死亡年齢の最大値が22.8歳と報告されています。

この研究では、東京の8か所の動物霊園で2012年1月〜2015年3月に収集された犬のデータが分析されました。マルチーズでは、死亡年齢中央値が14.5歳、最大死亡年齢が22.8歳でした。

死亡年齢中央値とは、対象となった犬を死亡年齢の順に並べたとき、中央に位置する年齢を指します。22.8歳という数字は、この研究で調査されたマルチーズのなかで最も高かった死亡年齢です。

そのため、22.8歳を日本におけるマルチーズの歴代最高齢や、世界最高齢を示す公式記録として扱うことはできません。

一方で、国内の研究データに20歳を超えて長生きしたマルチーズが含まれていることは、平均寿命を超えて長寿となる個体もいることを示すひとつの事例といえるでしょう。

マルチーズの年齢とシニア期の目安

正面を見つめるマルチーズの親子

マルチーズが何歳くらいにあたるのかを考えるときは、人間年齢への換算やシニア期に入る時期がひとつの目安になります。

ただし、犬の老化の進み方には個体差があります。年齢だけで一律に判断するのではなく、愛犬のライフステージを考えるための目安として捉えましょう。

マルチーズの年齢を人間に換算すると?

マルチーズの年齢を人間に置き換える場合は、小型犬向けの年齢換算が参考になります。

AAHA(米国動物病院協会)のサイトで公開されている体重約9kg以下の犬の換算表では、1歳で人間の約15歳、2歳で約24歳が目安です。その後は、犬の1年につき人間の約4歳分を加える考え方になっています。

マルチーズの年齢 人間年齢の目安
1歳 約15歳
2歳 約24歳
4歳 約32歳
6歳 約40歳
8歳 約48歳
10歳 約56歳
12歳 約64歳
14歳 約72歳
16歳 約80歳

犬は若い時期に急速に成長するため、「犬の1歳=人間の7歳」と単純に掛け算する方法では、実際の成長や加齢の進み方を十分に表せません。

また、人間年齢への換算は、犬の身体年齢を正確に決めるものではありません。同じ年齢のマルチーズでも、体質や健康状態などによって加齢の進み方には違いがあります。

マルチーズは10歳前後からシニア期を意識

マルチーズでは、10歳前後からシニア期を意識し始めることがひとつの目安です。

AAHAでは、犬のシニア期を、犬種や体格などから予想される寿命の最後の25%に入った時期と捉えています。すべての犬を「○歳からシニア」と一律に区切る考え方ではありません。

マルチーズの平均寿命が13〜14歳前後であることを踏まえると、10歳前後からシニア期に入ると考えるとわかりやすいでしょう。

ただし、10歳になった途端に急激に老化するわけではありません。シニア期に入る時期はあくまで目安として、年齢に応じた暮らし方を考え始めるきっかけにするとよいでしょう。

マルチーズを長生きさせるために意識したいこと

飼い主の手から食べ物をもらっているマルチーズ

マルチーズの寿命を確実に延ばせる方法はありませんが、年齢や健康状態に合った生活を続けることは、健やかに暮らすための大切な土台になります。

食事や運動、健康チェック、生活環境などを日頃から整え、愛犬の状態に合わせて無理なく見直していきましょう。

年齢と体格に合った食事・体重管理

食事は年齢だけで決めるのではなく、体格や活動量、体重、筋肉量、健康状態などを確認しながら調整することが大切です。

必要なエネルギー量には個体差があるため、シニア期に入ったことだけを理由に一律に食事量を減らす必要はありません。

太りすぎは身体への負担につながる一方、高齢になると体重や筋肉量が減少する犬もいます。定期的に体重を測り、見た目や身体の触れ方もあわせて確認しましょう。

食事量やフードの種類を大きく変更するときや、体重の増減が続く場合は、獣医師に相談しながら調整すると安心です。

年齢や体力に合った運動を続ける

小型犬のマルチーズでも、年齢や体力に合った範囲で身体を動かす機会をつくることが大切です。

散歩は運動になるだけでなく、外のにおいや景色に触れる機会にもなります。若い頃は元気に歩けていても、年齢を重ねるにつれて適した運動量は変わっていきます。

シニア期には、以前と同じ距離や時間を維持することにこだわらず、その日の体調や歩く速度、疲れ方を見ながら調整しましょう。

散歩だけでなく、室内で無理なく歩いたり遊んだりする時間を設けるなど、愛犬が続けやすい方法で身体を動かすこともできます。

定期的な健康チェックと口腔ケア

見た目には元気でも、定期的に健康状態を確認しておくと、以前との小さな違いに気づきやすくなります。

動物病院での診察や健康診断の頻度、必要な検査項目は、年齢や持病、これまでの検査結果などによって異なります。愛犬に合った内容を獣医師と相談しましょう。

また、歯や歯肉の状態を日常的に確認し、可能な範囲で歯みがきなどの口腔ケアを続けることも大切です。

歯みがきが難しい場合は、無理に一度で行おうとせず、口元に触れることから少しずつ慣らしていくとよいでしょう。

安全に暮らせる生活環境を整える

家庭内での転倒や転落など、避けられる事故を減らすために生活環境を見直すことも大切です。

滑りやすい床にはマットを敷く、高い場所から頻繁に飛び降りないようにするなど、身体への負担を減らせる環境を整えましょう。

ベッドや食器、水飲み場なども、愛犬が無理なく利用できる位置に置くと過ごしやすくなります。

誤飲や誤食につながる物を犬の届く場所に置かないことも、年齢を問わず意識しておきたい基本的な安全対策です。

マルチーズで注意したい心疾患

獣医師に聴診されているマルチーズ

マルチーズでは、健康管理を考えるうえで心疾患にも注意が必要です。

アニコム損害保険の「家庭どうぶつ白書2025」では、0〜12歳のマルチーズ14,041頭を対象とした集計で、弁膜症の請求割合は5.2%でした。犬全体では2.5%となっています。

ここでいう請求割合とは、ペット保険で弁膜症に関する診療費の請求があった犬の割合です。マルチーズにおける弁膜症の発症率を示した数字ではありませんが、犬種ごとの疾患傾向を知るうえで参考になるデータです。

また、国内の犬の死亡原因を調べた研究でも、マルチーズでは循環器疾患による死亡との関連が報告されています。

犬でよくみられる心疾患のひとつが、粘液腫様僧帽弁疾患(MMVD)です。心臓の左側にある僧帽弁が変性し、血液が逆流するようになる病気で、以前から「僧帽弁閉鎖不全症」と呼ばれることもあります。

初期には目立った症状がないこともあり、動物病院で胸の音を聴いたときに「心雑音」が見つかり、詳しい検査につながる場合があります。心雑音とは、心臓内の血流の乱れなどによって聴診時に聞こえる音のことです。

病気が進行して心不全を起こすと、呼吸が速くなる、呼吸が苦しそうになる、疲れやすくなるといった変化がみられることがあります。

咳を伴う場合もありますが、咳は気管や気管支などの病気でもみられるため、咳だけで心臓病と判断することはできません。

こうした変化が続く場合は、獣医師に相談しましょう。呼吸が明らかに苦しそうな場合や、失神・虚脱などがみられる場合は、速やかな受診が必要です。

なお、心疾患が見つかった場合の経過は、病気の種類や進行段階、心不全の有無、治療への反応などによって異なります。

「心臓病になったら余命は○年」と一律に考えず、検査結果や状態をもとに獣医師と今後の管理について確認していきましょう。

シニア期のマルチーズで気をつけたい体調の変化

クッションの上で眠っているマルチーズ

シニア期に入ったマルチーズでは、「以前と比べてどう変わったか」を日頃から見ておくことが大切です。

年齢を重ねると身体や行動に変化がみられることがありますが、なかには病気が関係している場合もあります。「高齢だから」と決めつけず、いつもとの違いに目を向けましょう。

特に確認しておきたいのは、次のような変化です。

  • 食欲が落ちた、食べ方が変わった
  • 体重が増えた、または減ってきた
  • 水を飲む量や尿の回数が変わった
  • 歩く速度が遅くなった、立ち上がりにくそうにする
  • 散歩や遊びへの反応が以前と変わった
  • 寝ている時間や生活リズムが変わった
  • 呼びかけへの反応や周囲への関心が変わった

こうした変化がみられたからといって、必ず病気があるとは限りません。ただし、変化が続いている場合や、複数の変化が重なっている場合は、獣医師へ相談するとよいでしょう。

また、短期間で大きく体重が減る、急に立てなくなる、意識の様子がおかしいなど、急激で明らかな変化がみられた場合は、様子を見続けず早めに動物病院へ相談することが大切です。

普段から体重や食欲、散歩の様子、排尿・排便などを把握しておくと、変化が起きた時期や程度を獣医師へ具体的に伝えやすくなります。

まとめ

原っぱを楽しそうに歩くマルチーズ

マルチーズの寿命を考えるときは、平均寿命の数字だけを見るのではなく、一頭ごとの健康状態や年齢に応じた変化にも目を向けることが大切です。

年齢を重ねても元気に過ごすためには、食事や体重、運動、口腔ケア、生活環境など、日々の基本的な健康管理を無理なく続けていきましょう。

また、シニア期には以前との小さな違いが体調変化のサインになることがあります。食欲や体重、歩き方、活動量など普段の様子を把握しておくと、変化にも気づきやすくなります。

気になる変化が続く場合は年齢のせいと決めつけず、必要に応じて獣医師へ相談しながら、その時々の状態に合った健康管理を続けていきましょう。

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