ビーグルとは
- 犬種名:ビーグル(Beagle)
- 原産国:イギリス
- 大きさ:中型犬
- 体高:33~40cm
- 体重:9~14kg程度
- 被毛:短毛のダブルコート(スムースコート)
- 毛色:トライカラー、レモン&ホワイト、レッド&ホワイトなど
- 性格:明るい、好奇心旺盛、社交的、愛情深い
- 寿命:11~13歳前後
ビーグルは、イギリスを原産国とする嗅覚ハウンド(セントハウンド)の一種です。獲物が残したにおいをたどることを得意とする猟犬で、現在は世界各地で家庭犬としても親しまれています。
英語では「Beagle」と表記され、日本でも「ビーグル」の名称で広く知られています。世界的な人気キャラクター「スヌーピー」のモデルとなった犬種としても有名です。
ビーグルを探していると、「アメリカン・ビーグル」や「イングリッシュ・ビーグル」といった呼び方を目にすることがありますが、これらがそれぞれ独立した公認犬種として扱われているわけではありません。
一般的なビーグルと混同しやすいため、名称だけで別犬種と判断しないようにしましょう。
また、日本には「薩摩ビーグル」や「唐津ビーグル」と呼ばれる猟犬系統も知られています。これらは、日本で猟犬として受け継がれてきた系統であり、一般的に公認されているビーグルとは区別して考える必要があります。
「豆ビーグル」「極小ビーグル」「超小型ビーグル」といった名称も見かけることがありますが、いずれも正式な犬種名や公認されたサイズ区分ではありません。
平均より小柄な個体を表す販売上の呼称などとして使われることがあるため、別の犬種や正式な種類が存在するわけではないことを理解しておきましょう。
ビーグルの性格
ビーグルは、明るく好奇心旺盛で、人やほかの犬と関わることを好む傾向があります。家族に対しても愛情深く、親しみやすい性格の犬種です。
一方で、自分の興味を優先するマイペースな一面もあります。特に気になるにおいを見つけると夢中になりやすく、呼びかけへの反応が鈍くなることもあるため、「頑固」「言うことを聞かない」と感じられる場合があります。
また、ひとりで過ごす時間が長いと不安を感じ、吠えやいたずらなどの行動が見られる個体もいます。性格の現れ方には個体差があるため、オス・メスによる違いや、ほかの犬・猫、子どもとの相性も一概には決められません。
ビーグルの特徴
ビーグルは、引き締まった体つきと長く垂れた耳、表情豊かな顔立ちが印象的な犬種です。体はコンパクトながら骨格がしっかりしており、全体としてバランスの取れた頑丈な外見をしています。
地面のにおいを追いやすいように鼻先を下げて歩く姿もよく見られます。尾は比較的高い位置につき、活動しているときには上向きに掲げるのが特徴です。
ビーグルの大きさ
ビーグルの理想体高は33〜40cmです。体高とは、犬が四肢で立ったときの地面から肩甲骨の最も高い位置までの高さを指します。
体重には明確な基準が設けられていませんが、一般的には9〜14kg程度が目安とされています。個体差があり、性別や骨格によって体格にも違いが見られます。
小型犬として扱われることもあれば、中型犬として区分されることもあります。見た目はコンパクトですが、骨格がしっかりしているため、抱き上げると意外に重みを感じることがあります。
ビーグルの被毛タイプ
ビーグルの被毛は、短く密生したスムースコートです。体表を覆う上毛と、その内側に生える下毛からなるダブルコートを持っています。
短毛なので毛玉はできにくいものの、年間を通して抜け毛があり、特に春や秋の換毛期には抜け毛の量が増える傾向があります。
被毛は体に沿って生えており、雨や汚れから体を守りやすい実用的なつくりです。つやのある短い被毛と、すっきりした輪郭もビーグルらしい外見につながっています。
ビーグルの毛色の種類
ビーグルにはさまざまなハウンドカラーがあり、代表的なのはブラック、タン、ホワイトの3色が組み合わさったトライカラーです。
このほか、淡い黄褐色とホワイトの「レモン&ホワイト」や、赤みのある茶色とホワイトの「レッド&ホワイト」なども見られます。個体によって色の配置や濃淡が異なり、同じ毛色でも見た目の印象はさまざまです。
子犬から成犬へ成長する過程で、色合いや模様の見え方が変わる個体もいます。毛色だけで性格や健康状態を判断することはできないため、それぞれの個体が持つ外見上の個性として捉えるとよいでしょう。
ビーグルの歴史
ビーグルの祖先にあたる小型のハウンドは古くから存在し、紀元前のギリシャではウサギ狩りに用いられていたと考えられています。
その後、イギリスで野ウサギなどの小型獣を追う猟犬として発達しました。徒歩で狩りをする人にも扱いやすい大きさで、群れを作りながら地面に残ったにおいをたどって獲物を追跡する役割を担ってきました。
19世紀になると犬種としての姿が整えられ、現在につながるビーグルが確立されていきます。猟犬として培われた優れた嗅覚は、現代でもさまざまな場面で生かされています。
日本では、空港などで動植物検疫の対象となる肉製品や果物などを見つける「動植物検疫探知犬」としても活躍しています。
優れた嗅覚に加え、人に従順で、小柄なため旅行者に威圧感を与えにくいことや、人混みでも動きやすいことがビーグルの適性につながっています。
ビーグルの価格相場
ビーグルの子犬の価格は、20万円〜40万円前後がひとつの目安です。
実際の価格には幅があり、血統や月齢、性別、健康状態、販売時期などによって変わります。直近の成約データでも、平均価格は30万円前後となっています。
迎える際には子犬の代金だけでなく、ケージや食器などの飼育用品、ワクチン接種、狂犬病予防注射、マイクロチップの登録などにも費用がかかります。
その後もフード代や予防医療費、定期健診などが必要になるため、継続してかかる費用まで考えておきましょう。
ビーグルのブリーダーを探す方法
ビーグルのブリーダーを探す方法としては、ブリーダー情報を掲載している子犬紹介サイトを利用したり、「ビーグル ブリーダー+地域名」などで検索したりする方法があります。
犬種専門のブリーダーだけでなく複数犬種を扱うブリーダーもいるため、気になる犬舎をいくつか比較してみると探しやすくなります。
候補が見つかったら、子犬だけでなく親犬の健康状態や性格、飼育環境、ワクチン接種状況、これまでの病歴、遺伝性疾患への配慮などを確認しましょう。
実際に犬舎を訪れ、飼育スペースが清潔に保たれているか、犬たちがどのような環境で暮らしているかを見ることも大切です。
販売業者から犬を購入する際には、実際の犬を確認したうえで、飼い方や健康状態などについて対面で説明を受けることになっています。分からないことを質問したときに丁寧に説明してくれるかどうかも、ブリーダーを選ぶ際の判断材料になります。
また、子犬の生年月日も確認してください。販売業者は、原則として出生後56日を経過するまで子犬を販売のために引き渡したり、展示したりすることができません。
極端に早い時期での引き渡しを持ちかけられた場合は注意が必要です。
価格の安さや見た目だけで決めず、子犬の健康や飼育環境について十分な説明があり、迎えた後の相談にも対応してもらえるかを確認したうえで選びましょう。
ビーグルの飼い方
ビーグルと暮らすうえでは、十分に体を動かせる時間を確保し、においを嗅ぐ欲求を満たせる環境を整えることが大切です。
好奇心が強く食べ物にも関心を示しやすいため、誤食や拾い食いを防ぐための環境づくりも欠かせません。
室内では、食べ物や薬、ゴミ箱などを届かない場所に置き、玄関や窓からの飛び出しにも注意しましょう。滑りやすい床にはマットを敷くなど、日常生活を安全に過ごせる工夫も取り入れてください。
ビーグルの運動量
ビーグルは活動量の多い犬種です。成犬では、1日合計1時間程度の散歩をひとつの目安にしながら、年齢や体調、普段の活動量に合わせて調整しましょう。
散歩では歩くだけでなく、安全を確保したうえで地面のにおいをゆっくり嗅がせる時間を取り入れると、ビーグルらしい欲求を満たしやすくなります。
室内では、フードやおもちゃを探させるノーズワークや知育玩具を活用するのもよいでしょう。
子犬やシニア犬では、長時間の運動や激しい運動が負担になることがあります。暑い時期は早朝や日没後など涼しい時間帯を選び、その日の気温や体調を見ながら無理のない範囲で行ってください。
ビーグルのしつけ方
ビーグルのしつけでは、できたことを褒めて覚えさせる方法を基本にします。食べ物への関心が高い個体では、普段のドッグフードや少量のおやつをご褒美として活用すると、トレーニングを進めやすくなります。
特に身につけておきたいのが、「おいで」「待て」「離して」などの基本的な合図です。
気になるにおいを見つけると夢中になることがあるため、屋外では呼び戻しだけを頼りにせず、リードを使用して安全を確保しましょう。
しつけは一度に長時間行うよりも、短い時間で繰り返す方が集中しやすくなります。強く叱ったり体罰を用いたりする方法は、恐怖やストレスを与え、学習や信頼関係を損なう可能性があるため避けてください。
拾い食いやいたずらについては、行動が起きてから叱るだけでなく、食べ物や危険な物を届く場所に置かない、噛んでもよいおもちゃを用意するといった予防的な環境づくりも重要です。
ビーグルのケア方法
ビーグルは短毛のため定期的な全身カットは必要ありませんが、抜け毛を取り除くためにブラッシングを行います。
ラバーブラシやハウンドグローブなど、短毛犬に適した道具を使い、換毛期は抜け毛の量に合わせて回数を増やしましょう。
シャンプーは回数を固定する必要はなく、被毛の汚れや皮膚の状態に合わせて行います。洗った後は被毛だけでなく、垂れ耳の周辺にも水分が残らないように十分に乾かしてください。
耳は定期的に状態を確認し、赤みや強いにおい、耳垢の増加などがないかチェックします。
必要以上に耳の奥まで掃除するとかえって刺激になることがあるため、汚れが気になる場合や異常が見られる場合は動物病院で相談しましょう。
口腔ケアでは、歯垢の蓄積を抑えるため毎日の歯磨きを習慣にすることが理想です。爪も伸びすぎる前に切り、歩き方や肉球の状態などもあわせて確認しておくとよいでしょう。
ビーグルの寿命と病気
ビーグルの寿命は、11〜13歳前後がひとつの目安です。もちろん個体差があり、食事や運動、日頃の健康管理などによっても変わります。
年齢を重ねても元気に過ごすためには、適正体重を保つことに加え、口や耳、目、歩き方などの変化を日頃から確認することが大切です。
気になる症状がなくても定期的に健康診断を受け、異常の早期発見につなげましょう。
ビーグルのかかりやすい病気
ビーグルでは、肥満や歯周病、外耳炎などが比較的多くみられます。
また、体質や遺伝的な背景から椎間板ヘルニアや緑内障にも注意が必要です。普段と違う様子が見られた場合は、自己判断せず早めに動物病院を受診しましょう。
肥満症
ビーグルは食欲旺盛な個体が多く、肥満になりやすい傾向があります。
体重が増えすぎると関節などへの負担も大きくなるため、食事量を適切に管理し、定期的に体重や体型を確認することが大切です。
歯周病
歯周病は、歯垢や歯石に含まれる細菌によって歯肉や歯を支える組織に炎症が起こる病気です。
口臭や歯肉の赤み、出血などが見られることがあり、進行すると歯を失う原因にもなります。日頃から歯磨きを行い、口の中を清潔に保ちましょう。
外耳炎
外耳炎は、耳の入り口から鼓膜までの外耳道に炎症が起こる病気です。
耳をかく、頭を振る、耳が赤い、耳垢やにおいが増えるといった症状が見られます。ビーグルは垂れ耳のため耳の中が蒸れやすく、定期的な観察が大切です。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が変性して脊髄や神経を圧迫する病気です。
背中を痛がる、動きたがらない、足がふらつく、歩き方がおかしいなどの症状が現れることがあります。歩行に異常が見られた場合は早めに受診してください。
緑内障
緑内障は、眼圧の上昇などによって視神経や網膜が障害され、視力の低下につながる病気です。
ビーグルでは遺伝性の原発開放隅角緑内障も知られています。目の充血や濁り、見えにくそうな様子などに気づいたら、早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
ビーグルは、イギリスを原産とする嗅覚ハウンドで、優れた嗅覚と豊富なスタミナを備えた犬種です。
明るく人懐っこい一方、気になるにおいを見つけると夢中になりやすいため、日頃から呼び戻しなどのしつけを行い、散歩中の拾い食いや飛び出しにも注意する必要があります。
毎日の散歩に加えて、ノーズワークなどで嗅覚を使う機会をつくると、心身の満足につながります。また、短毛ながら抜け毛があるためブラッシングを行い、垂れ耳や歯の状態もこまめに確認しましょう。
肥満や歯周病、外耳炎、椎間板ヘルニア、緑内障などにも注意し、適正体重の維持と定期的な健康診断を心がけることが大切です。
ビーグルならではの性質を理解し、十分な運動と安全な生活環境を整えることで、家族のよきパートナーとして長く一緒に暮らせるでしょう。



