ペルービアン・ヘアレス・ドッグとは
- 犬種名:ペルービアン・ヘアレス・ドッグ(Peruvian Hairless Dog)
- 別名:ペルービアン・インカ・オーキッド
- 原産国:ペルー
- 大きさ:スモール・ミディアム・ラージの3サイズ
- 体高:スモール 25〜40cm、ミディアム 41〜50cm、ラージ 51〜65cm
- 体重:スモール 4〜8kg、ミディアム 8〜12kg、ラージ 12〜30kg
- 被毛:ヘアレス(無毛)、コーテッド(有毛)
- 毛色:ヘアレスはブラック、グレー、ブロンズ、コッパー、ブラウン、ブロンドなどの皮膚色/コーテッドはマールを除くさまざまな毛色・組み合わせ
- 性格:家族に愛情深い、賢い、活発、見知らぬ人には慎重で警戒心がある
- 寿命:12〜14年程度
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、南米のペルーを原産とする非常に古い歴史を持つ犬種です。なかでも、体の大部分に被毛がないヘアレス・バラエティーの独特な姿でよく知られています。
ペルーでは古くから人々の暮らしと深く関わってきた犬で、前インカ時代の陶器などにも、その姿と考えられる犬が描かれています。現代まで受け継がれてきた、ペルーを代表する土着犬のひとつです。
犬種名から無毛の犬だけを想像しやすいものの、現在は被毛のないヘアレス・バラエティーだけでなく、全身が被毛で覆われたコーテッド・バラエティーも存在します。
また、体格によって複数のサイズに分けられるなど、同じ犬種のなかでもさまざまな姿が見られます。
日本では飼育頭数が少なく、日常的に見かける機会はほとんどありません。
そのため、ペルービアン・ヘアレス・ドッグを迎えたい場合は、一般的な犬種以上に情報収集を行い、この犬種について十分に理解しておくことが大切です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの性格
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、家族に対して愛情深く、信頼した相手とは強い絆を築く犬種です。一方で、見知らぬ人には慎重で、やや警戒心を見せる傾向があります。
繊細な一面もあるため、騒がしい環境や強引な接し方は苦手です。子どもと暮らす場合は、犬への接し方を理解できる年齢であることが望ましく、小さな子どもとの触れ合いには大人の見守りが必要です。
また、周囲の状況をよく観察する賢さを持っているため、家庭では落ち着いて過ごせる環境を整え、無理に距離を縮めず信頼関係を築いていくことが大切です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの特徴
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、ほっそりとした優雅な体つきに、引き締まった筋肉を備えた犬種です。全体のバランスがよく、軽快さと力強さを感じさせる外見をしています。
頭部は先端に向かって細くなり、耳は中程度の長さで、注意しているときには立ち上がります。脚はすらりと長く、尾は付け根から先端に向かって細くなる形をしています。
大きさ(ラージ、ミディアム、スモール)
ペルービアン・ヘアレス・ドッグには、スモール、ミディアム、ラージの3つのサイズがあります。
- スモール:体高25〜40cm、体重4〜8kg
- ミディアム:体高41〜50cm、体重8〜12kg
- ラージ:体高51〜65cm、体重12〜30kg
最も小さいスモールと最も大きいラージでは体格に大きな差があり、同じ犬種でもサイズによって外見の印象が大きく変わります。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの被毛タイプ
ペルービアン・ヘアレス・ドッグには、体の大部分に被毛がない「ヘアレス」と、全身が被毛で覆われる「コーテッド」の2つのバラエティーがあります。
ヘアレスは完全に無毛とは限らず、頭部や足先、尾の先端などにわずかな毛が生えることがあります。背中に少量の毛が見られる場合もあります。
一方、コーテッドは全身が滑らかで短く、密度のある被毛に覆われています。同じ犬種でありながら、ヘアレスとコーテッドでは外見が大きく異なるのが特徴です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの毛色の種類
ヘアレスでは、被毛の色ではなく皮膚の色が外見を大きく左右します。ブラック系やグレー系をはじめ、ブロンズ、コッパー、ブラウン、明るいブロンドまで幅広い色調があります。
皮膚には色素の抜けた部分が見られることもありますが、その範囲は体全体の20%以下とされています。頭部や足先などに生えるわずかな毛には、さまざまな色や色の組み合わせが見られます。
コーテッドでは、マールを除いて幅広い毛色や色の組み合わせが認められています。そのため、被毛の有無だけでなく、皮膚や毛色にも個体ごとの違いが見られる犬種です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの価格相場
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは日本国内での流通数が非常に少なく、一般的な犬種のように国内の販売価格から明確な相場を出すことが難しい犬種です。
海外の子犬販売情報を参考にすると、子犬そのものの価格は日本円で30万〜50万円程度がひとつの目安になります。
ただし、これはあくまで海外で販売されている子犬本体の価格を日本円に換算した参考額であり、日本で迎えるための総額ではありません。
海外のブリーダーから迎える場合は、子犬の代金とは別に、日本までの輸送費や各種手続きにかかる費用などが加わります。そのため、実際に必要となる総額は子犬本体の目安を大きく上回る可能性があります。
また、価格は血統や月齢、サイズなどによっても異なります。国内で販売される機会があった場合も、海外相場をそのまま国内相場と考えず、個別の販売条件を確認することが大切です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグのブリーダーを探す方法
ペルービアン・ヘアレス・ドッグを迎えたい場合、まずは犬種名で国内のブリーダー情報や子犬販売サイトを検索してみましょう。
ただし、常に子犬が販売されている犬種ではないため、現在の募集だけでなく、過去に繁殖・販売実績があるブリーダーも確認すると探しやすくなります。
国内で見つからない場合は、海外のブリーダーを探す方法もあります。海外では「Peruvian Hairless Dog」のほか、「Peruvian Inca Orchid」の名称でも扱われているため、両方の犬種名で探すと候補を見つけやすくなります。
気になるブリーダーが見つかったら、すぐに購入を決めるのではなく、親犬や子犬の健康状態、血統、繁殖環境、これまでの繁殖実績などを確認しましょう。
子犬の写真や価格だけでなく、質問に対して詳しく説明してくれるか、迎えた後も相談できるかといった点も、信頼できるブリーダーを見極めるポイントです。
海外から迎える場合は、日本への輸入条件を満たすために長期間の準備が必要になることがあります。
購入を決める前に、ブリーダー側が日本への輸出に対応できるかを確認し、必要な手続きや費用まで含めて計画を立てておきましょう。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの飼い方
ペルービアン・ヘアレス・ドッグを飼う際は、毎日の運動に加えて、安心して過ごせる生活環境を整えることが大切です。
活動的な犬種ですが、屋外だけでなく室内での遊びやコミュニケーションも好むため、散歩と遊びをバランスよく取り入れましょう。
特にヘアレスは被毛による保護がほとんどないため、季節や天候に応じた配慮が必要です。夏の日差しや冬の寒さだけでなく、家具や地面との擦れなどにも注意し、皮膚を傷つけにくい環境を整えてあげてください。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの運動量
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは活発で運動能力が高いため、毎日の散歩を欠かさないようにしましょう。
散歩は1日2回を目安にし、スモールでは1回20〜30分程度、ミディアムやラージでは1回30〜60分程度から、年齢や体力に合わせて調整するとよいでしょう。
散歩だけでなく、ボール遊びや追いかけっこ、知育玩具、簡単なトリック練習などを取り入れると、体だけでなく頭も使わせることができます。
安全に走らせる場合は、脱走を防げるフェンスで囲まれた場所を利用してください。
夏は日差しが弱く路面温度の低い朝夕を選び、冬は必要に応じて犬用の服を着せるなど、ヘアレスでは外気温に合わせた対策も行いましょう。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグのしつけ方
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは賢く、周囲の状況にも敏感な犬種です。子犬の頃から人や犬、生活音、車、外出先などに少しずつ慣れさせ、さまざまな経験を積ませていきましょう。
しつけでは大声で叱ったり力で抑えたりするよりも、できた行動を褒めて覚えさせる方法が適しています。
おすわりや待て、呼び戻しなど日常生活に必要なルールから教え、家族全員で指示や対応を統一すると混乱を防ぎやすくなります。
見知らぬ人に警戒することがあるため、来客時にも無理に触れ合わせる必要はありません。犬が自分のペースで相手を確認できるようにし、落ち着いていられたときに褒めながら慣らしていきましょう。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグのケア方法
ヘアレスではブラッシングの手間はほとんどありませんが、皮膚が直接外部にさらされるため、被毛のある犬とは異なるお手入れが必要です。
汚れや皮脂の状態を確認しながら定期的に体を洗い、洗った後は皮膚の状態に合わせて犬用の保湿剤を使用します。
紫外線が強い時期には犬用の衣類などで肌を保護し、長時間直射日光に当てないようにしましょう。人間用の日焼け止めや化粧品には犬に適さない成分が含まれる場合があるため、自己判断で使用しないようにしてください。
コーテッドでは、定期的にブラッシングを行って抜け毛や汚れを取り除きます。被毛の有無にかかわらず、爪切りや耳の確認、歯磨きなどの基本的なお手入れも習慣にしておきましょう。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの寿命と病気
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの寿命は、12〜14年程度が目安とされています。ただし、実際の寿命には個体差があり、遺伝的な要素や生活環境、日頃の健康管理などによって変わります。
健康に長く暮らすためには、適切な食事や運動を続けるとともに、定期的に動物病院で健康診断を受けることが大切です。普段から体調や食欲、皮膚や口の中などを確認し、いつもと違う様子があれば早めに獣医師へ相談しましょう。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグのかかりやすい病気
ペルービアン・ヘアレス・ドッグでは、特にヘアレスで皮膚のトラブルや歯の欠損・歯列の異常に注意が必要です。
被毛による保護が少ないため、日焼けや乾燥、擦り傷などが起こりやすく、皮膚に赤みやかゆみなどが見られた場合は早めに受診しましょう。
また、ヘアレスでは無毛の形質と関連して歯が生えそろわない個体が多く見られます。歯の本数や生え方には個体差があるため、日頃から口の中を確認し、歯磨きと定期的な歯科チェックを続けることが大切です。
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの歴史
ペルービアン・ヘアレス・ドッグの歴史は非常に古く、ペルーでは「Viringo(ビリンゴ)」とも呼ばれてきました。その存在を伝える資料として知られているのが、古代ペルーで作られた陶器です。
ビクス、モチカ、チャンカイ、チムーなど複数の前インカ文明の陶器に、ヘアレス・ドッグと考えられる犬の姿が描かれています。
こうした考古学的資料から、少なくとも紀元前300年頃から紀元後1460年頃にかけて、現在のペルーにあたる地域で人々と関わっていたことがうかがえます。
その後もペルーで受け継がれ、2001年には法律によって「Perro sin Pelo del Perú(ペルーの無毛犬)」が国家遺産に指定され、ペルー原産の犬種として認められました。
現在では古代から続くペルー文化を象徴する犬のひとつとして、保護と保存の取り組みが続けられています。
まとめ
ペルービアン・ヘアレス・ドッグは、古代ペルーの時代から人々と関わってきた長い歴史を持ち、ヘアレスとコーテッドの2つのバラエティーが存在する希少な犬種です。
家族には愛情深く接する一方、見知らぬ人には慎重な傾向があるため、落ち着いた環境で信頼関係を築くことが大切です。
スモール、ミディアム、ラージの3サイズがあり、体格に合わせた運動も欠かせません。特にヘアレスでは、紫外線や寒さへの配慮、皮膚の状態に応じたケア、歯の欠損や歯列の異常への注意が必要です。
日本では流通数が少なく、迎えるまでに時間や費用がかかる可能性もあります。珍しい外見だけで判断せず、必要なお手入れや生活環境まで理解したうえで迎えることが、長く快適に暮らすための大切なポイントです。



