日本テリア|犬種の特徴と性格、飼い方や価格相場まで解説

日本テリア|犬種の特徴と性格、飼い方や価格相場まで解説

日本テリアは、日本で育まれてきた希少な小型犬です。特徴的な毛色や短い被毛、明るく繊細な性格、飼い方の注意点、価格相場、寿命やかかりやすい病気まで、迎える前に知っておきたい情報を分かりやすく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

日本テリアの特徴

日本テリア

  • 正式名称:日本テリア(Japanese Terrier)
  • 原産国:日本
  • サイズ:小型犬
  • 体高:30〜33cm
  • 体重:4〜5kg前後
  • 被毛:非常に短くなめらかなスムースコート
  • 毛色:頭部はブラック・タン・ホワイトの3色、体は白地にブラックまたはタンのマーキング
  • 性格:明るく機敏で、家族との関わりを好む。やや繊細で慎重な面もある
  • 寿命:おおよそ12〜15歳

日本テリアは、日本を原産とする希少な小型のテリア犬種です。すっきりと引き締まった体型、非常に短くなめらかな被毛、白い体と色の入った頭部のコントラストが特徴で、軽快で洗練された印象を与えます。

体はコンパクトながらも細すぎず、無駄の少ないスマートなシルエットをしています。短毛のため体のラインが分かりやすく、立ち姿や歩く姿にも日本テリアらしい端正さが表れます。

日本テリアの大きさ

日本テリアの体高は、オス・メスともにおおよそ30〜33cmが目安です。体重は個体差がありますが、4〜5kg前後の小型犬として扱われることが多く、抱き上げやすいサイズ感です。

骨格は華奢すぎず、全体的に引き締まった体つきをしています。四肢はすらりとしており、短毛で体の輪郭が見えやすいため、実際の体重よりも軽やかな印象を受けることがあります。

小型犬の中でも比較的すっきりした体型で、室内でも圧迫感が少ない犬種です。ただし、体が小さいからといって極端に細い体型が理想というわけではなく、適度な筋肉と安定した体つきが大切です。

日本テリアの被毛タイプ

日本テリアの被毛は、2mm内外とされる非常に短いスムースコートです。毛質はなめらかで光沢があり、体に沿って密に生えているため、全体としてつややかで清潔感のある印象を与えます。

短毛のため、長毛犬のように毛が絡まったり、毛玉ができたりすることはほとんどありません。体のラインがはっきり見えることも、日本テリアらしいスマートな外見につながっています。

一方で、被毛が短いぶん皮膚の状態が外から見えやすく、赤みや乾燥などの変化に気づきやすい面もあります。短い被毛は日本テリアの大きな魅力ですが、皮膚を覆う毛量は多くないため、外見上も繊細な印象を持つ犬種です。

日本テリアの毛色の種類

日本テリアの毛色は、頭部がブラック・タン・ホワイトの3色で、体は白を基調にブラックまたはタンのマーキングが入るのが標準的です。白い体に対して頭部に色がまとまって入るため、ひと目で印象に残りやすい独特の配色をしています。

顔周りの黒やタンの入り方には個体差があり、目の上や頬に入るタンの色味によって表情の見え方も変わります。左右の模様の出方や色の濃淡によって、同じ日本テリアでも雰囲気が少しずつ異なります。

体の白さと頭部の色のコントラストがはっきりしているほど、すっきりとした印象が際立ちます。短く光沢のある被毛と相まって、日本テリアならではの端正で個性的な見た目をつくっています。

日本テリアの性格

日本テリアの顔のアップ

日本テリアは、明るく機敏で、家族との関わりを好む犬種です。飼い主の様子をよく見て行動する賢さがあり、室内でも人のそばで落ち着いて過ごすことを好む傾向があります。

一方で、やや繊細な面もあり、急な物音や慣れない環境に敏感に反応することがあります。知らない人や犬に対してはすぐに距離を詰めるよりも、様子を見ながら慎重に接する個体もいます。

テリアらしい活発さはありますが、過度に強気で扱いにくい犬種というより、飼い主との信頼関係を大切にするタイプです。穏やかに接しながら良い経験を積ませることで、持ち前の明るさや人懐っこさが引き出されやすくなります。

家族に対して愛情深く、そばにいる時間を大切にするため、犬としっかり向き合いたい家庭に向いています。ただし、性格には個体差があるため、迎える前には親犬や子犬の様子を確認しておくと安心です。

日本テリアの歴史

原っぱを活発に走る日本テリア

日本テリアは、1700年代にオランダから長崎へ渡来したスムース・フォックス・テリア系の犬を祖先に持つとされる、日本原産の犬種です。その後、日本国内で小型の犬と交配され、愛玩犬として親しまれるようになりました。

かつては「神戸テリア」や「お雪テリア」などの名で呼ばれ、港町を中心に人気を集めた時期もあります。現在の日本テリアらしい姿は、昭和初期にかけて整えられていったとされています。

第二次世界大戦の影響などにより頭数は大きく減少し、現在では国内でも見かける機会の少ない希少な犬種となっています。知名度は高くありませんが、日本で育まれてきた犬種として、今も大切に受け継がれています。

日本テリアの魅力は、単に珍しいことだけではありません。日本の暮らしの中で愛玩犬として発展してきた背景があり、家庭犬として人と近い距離で過ごしてきた歴史を持つ犬種です。

日本テリアの価格相場

ペット用キャリーのアップ

日本テリアの子犬の価格は、30万円前後で見られることが多いものの、頭数が少ない犬種のため、時期や地域、血統、月齢、毛色の入り方などによって変動します。

一般的なペットショップで常に出会える犬種ではないため、価格だけでなく、どのような環境で育てられているかを確認することが大切です。

希少犬種の場合、希望してすぐに子犬を迎えられるとは限りません。予約待ちになることもあるため、購入費用だけでなく、見学にかかる交通費や、迎えるまでの準備費用も含めて余裕を持って考えておきましょう。

安さだけを理由に選ぶと、飼育環境や健康管理に不安が残る場合があります。価格の内訳や生体保証、ワクチン接種、健康診断の有無などを確認し、納得できる相手から迎えることが重要です。

日本テリアのブリーダーを探す方法

日本テリアのブリーダーを探す場合は、まず犬種名で検索できるブリーダー紹介サイトや、犬種団体、ドッグショー関係の情報などを確認すると探しやすくなります。

日本テリアは数が少ないため、近隣だけで探すのではなく、少し範囲を広げて情報を集めるのがおすすめです。

気になるブリーダーが見つかったら、子犬の写真や価格だけで判断せず、親犬の健康状態、飼育環境、これまでの繁殖実績、引き渡し後の相談対応などを確認しましょう。

日本テリアに詳しいブリーダーであれば、犬種ならではの特徴や家庭での暮らし方についても具体的に説明してくれます。

問い合わせる際は、「現在子犬がいるか」だけでなく、「次回の出産予定」「見学の可否」「親犬を見られるか」「健康診断やワクチンの内容」「契約時に必要なもの」などを聞いておくと安心です。

初めて犬を迎える場合は、そのことを正直に伝えると、必要な準備についても相談しやすくなります。

インターネットは情報収集に便利ですが、犬を迎える前には実際に見学し、子犬や親犬の様子、飼育場所の清潔さ、ブリーダーの説明内容を確認することが大切です。

契約前には対面で説明を受け、疑問点を解消したうえで迎えるようにしましょう。

日本テリアの飼い方

日本テリアの飼育に必要なグッズが並んでいる光景

日本テリアと暮らすうえでは、室内で安心して過ごせる環境づくりが大切です。体が小さく動きも軽やかなため、滑りやすい床や高い段差には注意し、必要に応じてマットやステップを取り入れるとよいでしょう。

また、短い被毛の犬種なので、暑さや寒さなど外気の影響を受けやすい面があります。季節に合わせて室温を調整し、冷え込む時期は犬服や寝床の工夫で体を冷やしすぎないようにします。

食事は、年齢や体格、活動量に合った総合栄養食を適量与えることが基本です。細身の体型に見えても、体重が増えすぎると足腰への負担につながるため、日頃から体型を確認しながら管理しましょう。

日本テリアの運動量

日本テリアは小型犬ですが、活発で身軽に動く犬種です。散歩は1日2回、1回20〜30分程度を目安にし、体調や年齢、季節に合わせて距離や時間を調整しましょう。

歩くだけでなく、においを嗅ぐ時間や軽い遊びを取り入れると、気分転換にもつながります。無理に長距離を歩かせるよりも、毎日安定して外の刺激に触れさせることが大切です。

雨の日や外出が難しい日は、室内でおもちゃ遊びやノーズワークを取り入れるとよいでしょう。短時間でも頭を使う遊びを組み合わせることで、退屈によるストレスを減らしやすくなります。

日本テリアのしつけ方

日本テリアのしつけでは、怖がらせずに良い経験を積ませることが大切です。繊細な面があるため、大きな声で叱ったり無理に慣れさせたりするよりも、褒める・おやつを使う・短時間で終えるといった方法が向いています。

子犬の頃から、家族以外の人、生活音、外の景色、他の犬の存在などに少しずつ慣れさせておくと、成犬になってからの警戒心を和らげやすくなります。最初は距離をとり、落ち着いていられたら褒めるようにしましょう。

「おすわり」「まて」「おいで」などの基本的な合図は、日常生活の中で繰り返し教えると覚えやすくなります。できなかったことを叱るより、できた瞬間を見逃さずに褒めることで、飼い主への信頼感も育ちます。

吠えや飛びつきなどが気になる場合も、理由を見極めて対応することが大切です。来客時に興奮する場合は、落ち着ける場所に誘導したり、別の行動に意識を向けたりして、少しずつ望ましい行動を覚えさせましょう。

日本テリアのケア方法

日本テリアの被毛は非常に短いため、日常の手入れは比較的シンプルです。週に数回、湿らせたタオルで体を拭いたり、やわらかいラバーブラシで軽く整えたりすると、汚れや抜け毛を取り除きやすくなります。

シャンプーは月1回程度を目安にし、汚れ具合や皮膚の状態に合わせて調整します。洗いすぎると乾燥につながることもあるため、かゆみや赤みがある場合は自己判断で回数を増やさず、獣医師に相談しましょう。

爪切り、耳掃除、歯磨きなどの基本的なケアも、子犬の頃から少しずつ慣らしておくと続けやすくなります。体を触られることに慣れていると、日々の手入れだけでなく、体調の変化にも気づきやすくなります。

短毛で皮膚の様子が見えやすい犬種なので、拭き取りやブラッシングの際には、赤み、乾燥、傷、かゆがる様子がないかも確認しましょう。日常のケアを通じて小さな変化に気づくことが、健康管理にもつながります。

日本テリアの寿命と病気

獣医師が着るスクラブと聴診器とカルテ

日本テリアの平均寿命は、12〜15歳前後が目安とされています。小型犬としては一般的な寿命の範囲に入りますが、日々の体調管理や生活環境によって健康状態には差が出ます。

長く健やかに過ごすためには、適切な体重を保ち、食事・運動・休息のバランスを整えることが大切です。体が小さい犬種のため、体重の増減や歩き方の変化など、日常の小さな違和感にも気づけるようにしておきましょう。

また、若いうちから定期的に健康診断を受けることで、病気の早期発見につながります。

元気に見えていても、年齢を重ねるにつれて関節、皮膚、口腔内などのトラブルが出やすくなるため、家庭での観察と獣医師による確認を組み合わせることが大切です。

日本テリアのかかりやすい病気

日本テリアは比較的丈夫な犬種といわれますが、小型犬に多い関節のトラブルや、短毛ゆえに気づきやすい皮膚の異常、口の小ささに関係する歯の病気には注意が必要です。

ここでは、日常生活の中で特に意識しておきたい病気を紹介します。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨脱臼は、膝の皿にあたる膝蓋骨が正常な位置から外れてしまう病気です。小型犬に比較的多く見られ、歩いている途中で片足を上げる、スキップのような歩き方をする、急に足を気にするなどの様子が見られることがあります。

症状が軽い場合でも、放置すると関節への負担が続くことがあります。滑りやすい床を避ける、段差や高い場所からの飛び降りを減らす、適正体重を保つなど、日常生活で足腰への負担を抑える工夫が大切です。

皮膚炎

日本テリアは被毛が非常に短いため、皮膚の赤み、乾燥、フケ、かゆみなどの変化に気づきやすい犬種です。外気の刺激、乾燥、アレルギー、寄生虫、細菌や真菌など、皮膚炎の原因はさまざまです。

体を頻繁にかく、同じ場所をなめ続ける、皮膚が赤い、湿疹があるといった場合は、自己判断でシャンプーや食事を変える前に、獣医師に相談しましょう。原因に合わせた治療やケアを行うことで、悪化を防ぎやすくなります。

歯周病

歯周病は、歯垢や歯石がたまることで歯ぐきに炎症が起こる病気です。小型犬は口が小さく歯が密集しやすいため、歯垢が残りやすく、口臭や歯ぐきの赤み、出血などにつながることがあります。

進行すると歯がぐらついたり、食べづらそうにしたりすることもあります。子犬の頃から歯磨きに慣らし、難しい場合はデンタルジェルや歯磨きシートなどを取り入れながら、定期的に口の中を確認しましょう。

気管虚脱

気管虚脱は、空気の通り道である気管がつぶれやすくなり、咳や呼吸のしづらさが出る病気です。小型犬で見られることがあり、「ガーガー」というアヒルの鳴き声のような咳や、興奮時・運動後の咳がサインになることがあります。

首への負担を減らすため、散歩時は首輪よりもハーネスを使うと安心です。咳が続く、呼吸が苦しそう、舌の色が悪いなどの異変がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

日本テリアに似た犬種

日本テリアに似ている3頭のスムース・フォックス・テリア

日本テリアを検討している場合、見た目の雰囲気が近い短毛のテリア犬種と比較されることがあります。特に、すっきりした体つきや短い被毛、引き締まった印象を持つ犬種は、写真だけでは似て見えることもあります。

ただし、似ている部分があっても、ルーツや体格、気質、必要な運動量には違いがあります。迎える前には、外見だけでなく、家庭での過ごし方や飼い主との相性まで含めて比較すると選びやすくなります。

スムース・フォックス・テリアとの違い

スムース・フォックス・テリアは、白を基調とした短毛の外見から、日本テリアと似た印象を持たれることがあります。どちらもすっきりとした体つきですが、スムース・フォックス・テリアの方が体格に厚みがあり、より力強い印象です。

また、スムース・フォックス・テリアは狩猟犬としての気質が強く、活発で自立心のある性格が出やすい犬種です。日本テリアよりも運動欲求や刺激への反応が強い場合があるため、活動的な犬としっかり向き合いたい家庭に向いています。

日本テリアは、家庭犬として人との距離が近い暮らしに適応してきた犬種です。似た外見でも、日常の接し方や必要な運動量には差があるため、見た目だけで判断しないようにしましょう。

トイ・マンチェスター・テリアとの違い

トイ・マンチェスター・テリアは、短毛で引き締まった体つきを持つ小型犬です。日本テリアと同じくスマートな印象がありますが、毛色はブラック&タンが基本で、白を基調とする日本テリアとは見た目の印象が大きく異なります。

体つきも、日本テリアが白いボディに色の入った頭部を持つ個性的な外見であるのに対し、トイ・マンチェスター・テリアは全体に黒を基調としたシャープな雰囲気があります。

性格面では、トイ・マンチェスター・テリアは機敏で警戒心が出やすい傾向があります。日本テリアも繊細な面はありますが、家庭内で人と近い距離で過ごすことを好むため、暮らし方のイメージには違いがあります。

ラット・テリアとの違い

ラット・テリアは、アメリカで発展したテリア犬種で、短毛で活動的な雰囲気を持つ犬です。

配色や体つきの印象から日本テリアと比較されることがありますが、ラット・テリアの方が骨格や筋肉がしっかりして見える個体が多い傾向があります。

作業犬としての背景を持つラット・テリアは、活発で運動量も多く、遊びやトレーニングに意欲的なタイプです。十分な運動や刺激が不足すると、退屈しやすい場合があるため、毎日しっかり体を動かす時間を確保できる家庭に向いています。

日本国内では見かける機会が多い犬種ではないため、迎えたい場合は入手性や飼育情報を事前に確認しておくと安心です。日本テリアと迷う場合は、外見の近さだけでなく、必要な活動量や暮らし方の違いを比べて検討しましょう。

まとめ

手をつないでいる人と犬のアップ

日本テリアは、日本で育まれてきた希少な小型のテリア犬種です。すっきりとした体型、短くなめらかな被毛、白い体と色の入った頭部のコントラストが特徴で、室内でも清潔感のある印象を与えます。

家族との関わりを好む一方、繊細な面もあるため、穏やかに接しながら安心できる環境を整えることが大切です。日々の散歩や室内遊びで適度に体を動かし、短毛ならではの皮膚の変化や歯の状態にも気を配りましょう。

迎える際は価格だけで判断せず、信頼できるブリーダーから飼育環境や健康状態を確認したうえで検討すると安心です。

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