ペキックス（ペキニーズ×ダックス）はどんなミックス犬？性格や特徴、子犬の価格相場まで解説

ペキックスってどんな犬？

ペキックスは、鼻ぺちゃで気品のある見た目が魅力の「ペキニーズ」と、胴が長く身軽な「ダックスフンド」を掛け合わせたミックス犬です。

両親ともに個性がはっきりした犬種のため、組み合わせならではのユニークさを感じやすいのが特徴といえます。

ミックス犬は、どちらの親の特徴をどの程度受け継ぐかが一頭ずつ異なります。ペキックスも例外ではなく、顔立ちや体つき、毛の雰囲気などに幅が出やすいタイプです。

「この犬種はこう」と決めつけず、その子自身の個性として受け止める姿勢が向いています。

また、国内では常に多くの個体が流通しているタイプではないため、タイミングによっては出会いにくいこともあります。迎える際は、親犬の情報や育った環境、健康管理の状況が分かる相手から、納得して迎えることが大切です。

ペキックスの特徴

ペキックスは、ペキニーズとダックスフンドという体型や外見に強い個性を持つ犬種同士を親に持つため、見た目のバリエーションが非常に豊富です。

全体としては小柄で親しみやすい印象を受けることが多いものの、体格や被毛、雰囲気には一頭ごとに違いが現れやすく、「同じペキックスでもかなり印象が違う」と感じることも少なくありません。

ここでは、サイズ感や被毛、毛色といった外見的な特徴を中心に、ペキックスの傾向を整理して紹介します。

ペキックスの大きさ

ペキックスの大きさは、小型犬の範囲に収まることが多いものの、親犬の体格によって幅が出やすいのが特徴です。成犬時の体重は4〜7kg前後が目安とされ、ややしっかりした体つきになる子もいます。

体高は低めで、胴が長く重心の低いシルエットになりやすい傾向があります。ただし、成長の仕方には個体差があり、生後8か月〜1歳頃までゆっくり体が出来上がっていくケースも珍しくありません。

見た目以上に体重を感じることもあるため、サイズだけでなく抱き心地や骨格のしっかり感にも注目すると、その子の特徴を把握しやすくなります。

ペキックスの被毛タイプ

被毛は、親犬それぞれの毛質の影響を受けやすく、ロングコート寄りになる子もいれば、やや短めで中間的な毛質になる子もいます。全体としては、柔らかくボリュームのある被毛になる傾向が見られます。

多くの場合、被毛は二重構造のダブルコートになりやすく、季節の変わり目には抜け毛が増えることがあります。ただし、毛量や密度には差があり、同じペキックスでも手触りや見た目に違いが出ます。

見た目の印象だけでなく、実際の毛質や量を確認しておくと、日常のお手入れのイメージがしやすくなります。

ペキックスの毛色の種類

ペキックスの毛色は非常にバリエーションが豊かです。ダックスフンドに多いレッドやブラック＆タン（黒地に黄褐色のマーキング）、ペキニーズに見られるホワイトやクリームなど、さまざまな色合いが見られます。

単色だけでなく、複数の色が混ざるパーティーカラーや、毛先が濃くなるシェーデッドといった配色が現れることもあります。また、顔の中心部が黒く見えるブラックマスクが出る子もおり、表情に個性が出やすいのも特徴です。

毛色は成長とともに変化する場合があり、子犬の頃と成犬時で印象が変わることもあります。こうした変化も、ミックス犬ならではの楽しみのひとつといえるでしょう。

ペキックスの性格

ペキックスの性格は、ペキニーズの落ち着きとマイペースさ、ダックスフンドの好奇心や活発さがほどよく混ざり合ったタイプになりやすいといわれています。

飼い主に対しては愛情深く、そばでくつろいだり、静かに甘えたりする姿を見せることも少なくありません。

一方で、自分の気持ちを大切にする傾向があり、常に構われることを好まない子もいます。気分が乗らないときは距離を取りたがるなど、やや頑固に感じられる場面が出ることもありますが、これは独立心の表れともいえます。

物音や見慣れない人に対して敏感に反応することがあり、警戒心がやや強く出るケースもあります。ただし、子犬の頃からさまざまな環境や人に慣れさせていくことで、落ち着いた振る舞いが身につきやすくなります。

遊びに関しては、激しく走り回るよりも、自分のペースで楽しめる遊びを好む傾向があります。飼い主との適度な距離感を保ちながら、穏やかな時間を共有したい家庭に向いている性格といえるでしょう。

ペキックスの価格相場

ペキックスの価格は、一定の基準があるわけではなく、個体ごとの条件によって幅があります。目安としては20万円〜50万円前後で紹介されることが多く、月齢や見た目のバランス、親犬の情報、健康管理の内容などによって上下します。

ミックス犬であるため「犬種価格」が固定されているわけではなく、流通数が少ない時期や人気が高まっているタイミングでは、相場より高めになることもあります。

一方、少し成長した子やタイミングによっては、比較的落ち着いた価格で迎えられる場合もあります。

価格を見る際は、生体価格だけで判断せず、ワクチン接種の有無や健康診断の内容、譲渡後のサポートなども含めて総合的に確認することが大切です。

ペキックスのブリーダーを探す方法

ペキックスを迎える場合、ブリーダーから直接譲り受けるケースが一般的です。流通数が多いミックス犬ではないため、ブリーダーと飼い主をつなぐ専門サイトや紹介ページを活用すると探しやすくなります。

信頼できるブリーダーを見極めるポイントとして、飼育環境が清潔に保たれているか、親犬の健康状態や性格について説明があるかは重要です。質問に対して丁寧に答えてくれるかどうかも、その姿勢を判断する材料になります。

可能であれば犬舎を見学し、子犬がどのような環境で育っているかを確認するのがおすすめです。親犬や兄弟犬と一緒に過ごしている様子を見られると、将来の性格や体格をイメージしやすくなります。

迎えた後も相談できる関係を築けるブリーダーであれば、初めて犬を飼う場合でも安心感を持ってスタートできるでしょう。

ペキックスの飼い方

ペキックスと快適に暮らすためには、体型や性質を踏まえた生活環境づくりが欠かせません。胴が長く足が短い傾向があるため、日常の動きの中で体に負担がかからないよう配慮することが大切です。

室内では、フローリングなど滑りやすい床にマットやカーペットを敷き、ソファやベッドなどの段差には無理に跳び上がらせない工夫が求められます。安心して動ける環境を整えることが、健康的な暮らしの土台になります。

ペキックスの運動量

運動量はそれほど多くを必要としないことが多く、毎日の散歩で十分に満足できる子がほとんどです。目安としては、1日2回、1回あたり15〜20分程度の散歩が一般的とされています。

ただし、活発な性質が強く出ている場合は、散歩時間を少し長めにしたり、においを嗅がせながら歩くなど、内容に変化を持たせるとよい刺激になります。

暑さや寒さの影響を受けやすい子もいるため、季節や体調に合わせて無理のない範囲で調整しましょう。

室内遊びでは、ボール遊びや知育玩具など、ジャンプを伴わない遊びがおすすめです。

ペキックスのしつけ方

ペキックスは理解力があり賢い一方で、自分の意思を大切にする傾向があります。そのため、しつけは叱るよりも、できた行動をしっかり褒めて伸ばす方法が向いています。

指示に従えたときには声をかけたりご褒美を与えたりして、ポジティブな経験として覚えさせていくことがポイントです。強く叱ったり無理に従わせようとすると、かえって頑なになることがあります。

また、警戒心が出やすい子もいるため、子犬の頃から人や音、生活環境に慣れさせておくことで、落ち着いた行動につながりやすくなります。

ペキックスのケア方法

日常のケアで欠かせないのが被毛のお手入れです。毛質や毛量には個体差がありますが、絡まりやすい被毛の子が多いため、定期的なブラッシングを習慣にすると清潔な状態を保ちやすくなります。

シャンプーは月に1回程度を目安にし、汚れ具合や皮膚の状態に応じて調整します。顔周りにシワができやすいタイプの子は、汚れが溜まりやすいため、やさしく拭き取るケアも大切です。

そのほか、耳の中のチェックや爪切り、歯磨きなども、子犬の頃から少しずつ慣らしておくと、成犬になってからの負担を減らすことができます。

ペキックスの寿命と病気

ペキックスの平均寿命は、12〜15歳前後とされており、小型犬としては一般的な範囲に入ります。

ただし、ミックス犬だから必ず丈夫というわけではなく、親犬種が持つ体の特徴や体質を受け継ぐことで、注意したい健康面のポイントもあります。

日々の生活環境や体重管理、定期的な健康チェックによって、シニア期の過ごしやすさは大きく変わります。普段から歩き方や呼吸、食欲などの小さな変化に目を向けることが、健康を守る第一歩になります。

ペキックスのかかりやすい病気

ペキックスが注意したい病気は、ダックスフンドとペキニーズ、それぞれの犬種に多く見られる傾向と関係しています。特に体型や顔立ちに由来するトラブルは、生涯を通して意識しておきたいポイントです。

以下は、ペキックスで比較的注意されることの多い代表的な病気です。

椎間板ヘルニア

胴が長く足が短い体型の影響で、背骨に負担がかかりやすく、椎間板ヘルニアを発症するリスクがあります。歩き方が不自然になる、段差を嫌がる、抱っこを嫌がるといった変化が見られる場合は注意が必要です。

日常生活では、段差を減らすことや体重を増やしすぎないことが、予防につながります。

短頭種気道症候群

ペキニーズ寄りの顔立ちを受け継いでいる場合、鼻や喉の構造によって呼吸がしづらくなることがあります。いびきが大きい、興奮時に呼吸音が荒くなるなどの様子が見られることがあります。

暑さや過度な興奮を避け、呼吸が苦しそうな様子が続く場合は早めの相談が安心です。

外耳炎

垂れ耳の形状により、耳の中が蒸れやすく、細菌や真菌が増えて外耳炎を起こしやすい傾向があります。耳を頻繁に掻く、頭を振る、耳からにおいがするなどのサインが見られることがあります。

定期的に耳の状態を確認し、異変に気づいたら早めに対応することが大切です。

眼疾患

目が大きく前に出ているタイプの子は、角膜を傷つけやすかったり、乾燥によるトラブルが起こりやすかったりします。充血や涙の量の変化、目をしょぼしょぼさせる様子が見られたら注意が必要です。

日頃から目の状態を観察し、異常を感じた場合は早めに専門家へ相談すると安心です。

まとめ

ペキックスは、ペキニーズとダックスフンドという個性の強い犬種同士を親に持つミックス犬で、見た目や体格、被毛の雰囲気に一頭ごとの違いが出やすいのが大きな魅力です。

穏やかさと好奇心をあわせ持ち、飼い主との適度な距離感を大切にする性格は、落ち着いた暮らしを求める家庭に向いています。

一方で、体型や顔立ちに由来する健康面の注意点があり、住環境の工夫や日々のケアが欠かせません。

迎える際は見た目だけで判断せず、その子の特性や将来を見据え、長く寄り添う覚悟を持つことが大切です。丁寧に向き合えば、日常に穏やかな癒やしをもたらしてくれる存在となるでしょう。