チワマルはどんな犬?
- 犬種名:チワマル(英語名:Malchi)
- 種類:チワワとマルチーズのミックス犬
- サイズ:小型犬(体重2〜4kg程度)
- 性格:明るく甘えん坊、警戒心が強く吠えやすい面もあり
- 被毛の特徴:抜け毛が少なめで、ホワイトやクリーム色が人気
- 原産国:正式な原産国はなく、アメリカ発祥のデザイナーズドッグ
- 人気度:日本ではミックス犬の中でトップクラスの人気
チワマルとは、純血種の「チワワ」と「マルチーズ」を交配して生まれたミックス犬の一種です。「Malchi(マルチ)」という英名でも知られており、アメリカを中心に「デザイナーズドッグ」として人気が高まり、その後日本でも広く知られるようになりました。小型で愛らしい外見や温厚で愛情深い性格を受け継ぎ、家庭犬として多くの人に親しまれています。
チワワとマルチーズの魅力を凝縮したミックス犬
チワマルは、小型犬の中でも特に人気のある「チワワ」と「マルチーズ」のそれぞれの長所を掛け合わせて誕生しました。チワワの持つ飼い主への深い愛情や忠実さ、そしてマルチーズの抜け毛の少なさや穏やかな気質を兼ね備えています。小型犬が好まれる日本の住宅環境にも適しており、飼育しやすい犬として初めて犬を飼う人にも注目されています。
原産国のない「デザイナーズドッグ」
チワマルは純血種の犬種登録がされていないため、正式な原産国は存在しません。もともとはアメリカで異なる犬種の長所を引き出すためにブリードされた「デザイナーズドッグ」の一つであり、日本でもここ十数年で認知度と人気が急激に高まっています。ペットショップやSNSでも頻繁に紹介されるなど、特に日本では馴染み深いミックス犬の一種です。
日本での人気はミックス犬の中でもトップクラス
チワマルは日本のペット市場で非常に高い人気を誇っています。特に都市部の集合住宅でも飼いやすい小型犬であること、そして両親が人気のチワワとマルチーズという安心感もあり、広く受け入れられています。
また、容姿の可愛らしさや性格の親しみやすさから、年齢やライフスタイルを問わず多くの家庭に迎え入れられています。
チワマルの特徴
チワマルは両親犬であるチワワとマルチーズの特徴を受け継ぐため、個体差が大きく、一匹一匹が異なる魅力を持っています。特に容姿については、両親どちらの影響を強く受けるかによってバラエティ豊かな姿を見せることが大きな魅力のひとつです。
コンパクトで飼いやすい小型犬
チワマルのサイズは、小型犬として非常にコンパクトです。一般的には体重が2 kg〜4 kg、体高は20 cm〜25 cm程度に収まります。ただし、両親犬のサイズによって個体差が生じ、予想より小さい個体や少し大きめに育つ個体もいます。
被毛は抜けにくく、人気色はホワイト系
被毛は主にマルチーズ譲りの細く柔らかな毛質が多く、シングルコートで抜け毛は少ない傾向です。ただし、チワワの影響を受けて抜け毛が多めの個体もいます。毛色はホワイトやクリーム系がもっとも人気ですが、ブラックやブラウンなど単色や、複数の色が混ざったパーティーカラーの子もいます。
耳は個体差があり、瞳は丸く愛らしい
チワマルの耳の形は、チワワ譲りの立ち耳、マルチーズ譲りの垂れ耳、あるいは中間の半立ち耳など個体によって異なります。共通する特徴として、瞳は両親犬の特徴を受け継ぎ、くりっとした丸く大きな目が多くの人を惹きつけています。
チワマルの性格
チワマルの性格は明るく愛情深い傾向があり、飼い主や家族との深い絆を築くことができます。その一方で、両親犬の持つ警戒心や繊細さも受け継いでいるため、注意が必要な面もあります。
明るく甘えん坊、初心者も飼いやすい
チワマルはチワワの忠実さとマルチーズの陽気で人懐っこい性格を併せ持ち、非常に愛情表現が豊かです。初心者でも扱いやすく、小型犬特有の甘えん坊な性質があるため、室内で飼いやすい犬とされています。
警戒心が強く吠えやすいので社会化が重要
チワマルは警戒心が強く、見知らぬ人や音に反応して吠えやすい傾向があります。幼犬期から多くの人や動物と触れ合わせ、さまざまな刺激に慣れさせることで、過度な警戒心や吠え癖を抑えることができます。
寂しがり屋のため長時間の留守番は注意
飼い主への依存心が強く、寂しがり屋な性格のため、長時間の留守番は苦手です。分離不安になる可能性もあるため、可能な限り一緒に過ごす時間を確保し、適切なコミュニケーションを取ることが重要です。
頑固な一面もあるので褒めて伸ばす
賢さと同時にチワワの頑固な面も受け継いでいるため、強引な叱り方は避け、良い行動を褒めて伸ばす「陽性強化」型のしつけを行うことが理想的です。根気よく接することで、望ましい行動を習得していきます。
チワマルの飼い方
チワマルは室内での飼育に適した小型犬ですが、毎日の散歩や適切な食事管理、丁寧なお手入れが欠かせません。小型で繊細な犬種のため、生活習慣や健康管理には特別な配慮が必要です。
散歩の目安は1回20〜30分を1日2回
チワマルは小型犬ながら活発で好奇心旺盛なため、1回20〜30分の散歩を1日2回行うのが理想的です。散歩は運動不足の解消だけでなく、外の刺激に触れることで精神的な満足感や社会性を養う効果があります。天候が悪い日は室内遊びで運動欲求を満たすようにしましょう。
肥満予防のため適量のフードを与える
チワマルは小型犬のため、適量を少し超えただけでも肥満になりやすく、健康に悪影響を及ぼします。栄養バランスの整った小型犬専用フードを規定量守って与え、おやつの量も制限しましょう。適正体重の維持は、関節や心臓の病気予防にも効果的です。
褒める「陽性強化法」でしつける
チワマルは賢いですが頑固な一面もあるため、叱りつける方法ではなく、褒めて伸ばす陽性強化法が適しています。子犬の頃から社会化トレーニングを徹底し、「おすわり」「待て」など基本的なコマンドを早期に教えることで、良好な関係を築くことができます。
毛玉や涙やけ対策として毎日ケアを行う
チワマルは被毛が細く絡まりやすいため、毎日のブラッシングが必要です。また、涙やけによる皮膚炎を防ぐため、目の周りを毎日優しく拭き取り、清潔に保つことも大切です。定期的なトリミング(1ヶ月に1回程度)を行い、衛生管理を徹底しましょう。
チワマルの価格相場
チワマルの購入価格は、一般的にペットショップやブリーダーによって差があります。また、外見の愛らしさやカラーなど、人気要素によっても価格は大きく変動します。
ペットショップでの価格相場
ペットショップにおけるチワマルの販売価格は、おおよそ20万〜40万円が平均的な相場です。特に人気のカラーや容姿が可愛い個体などは、50万円程度になる場合もあります。
ブリーダー直販の価格相場
ブリーダーから直接購入する場合の価格相場は、20万〜30万円程度が一般的です。ブリーダー直販では、親犬の健康状態や飼育環境を直接確認できるメリットがあり、安心して子犬を迎えることができます。
チワワ・マルチーズよりやや高めの価格帯
チワマルの価格帯は純血種であるチワワ(15万〜40万円)やマルチーズ(20万〜45万円)と同等か、それよりも高くなるケースが増えています。ミックス犬としての人気の高まりや希少性が価格に影響しているため、購入を検討する際は慎重に比較検討をすることが重要です。
チワマルの寿命
チワマルは小型犬に分類され、小型犬全般の傾向として長生きしやすいとされています。飼育環境やケア次第では、一般的な寿命を超えて長生きする個体も多くいます。
チワマルの平均寿命は12〜15歳
チワマルの平均的な寿命は12〜15歳ほどとされており、小型犬の平均寿命とほぼ同じです。ただし、両親犬であるチワワは12〜20歳、マルチーズは12〜15歳と幅があるため、個体差もあります。飼育環境や日常のケアが適切であれば15歳以上生きることも十分可能です。
長寿のための健康管理ポイント
チワマルが健康で長生きするためには、日常的な肥満防止が必須です。肥満は心臓病や関節疾患を引き起こす原因となるため、適正体重を維持することが重要です。また、小型犬は歯周病になりやすく、口内環境が悪化すると全身に悪影響を及ぼします。毎日の歯磨きを習慣化し、7歳を過ぎたら半年に一度の定期健診を受け、病気の早期発見・早期治療を心がけましょう。
チワマルがかかりやすい病気
チワマルはチワワとマルチーズの遺伝的な特徴を受け継いでいるため、両犬種が発症しやすい病気に注意が必要です。特に関節や心臓、目に関連する病気が多く見られます。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼(パテラ)は、膝の骨(膝蓋骨)が正常な位置からずれる病気で、小型犬に多く発症します。特徴的な症状としては、スキップのような歩行や足を引きずる動作があり、早期の治療と滑り止め床材や段差対策などの予防措置が重要です。
気管虚脱
気管虚脱は気管が潰れて呼吸が苦しくなる病気で、特にチワワに多くみられます。「ガーガー」というアヒルの鳴き声のような咳が特徴で、症状を悪化させないためには首輪ではなくハーネスの使用や、興奮を避ける環境作りが推奨されます。
流涙症(涙やけ)
流涙症(涙やけ)は涙が過剰にあふれ、目の周囲の被毛が赤茶色に変色する状態です。マルチーズに多く見られる症状であり、見た目だけでなく皮膚炎を起こすリスクもあります。日々目元を拭き取り清潔に保つことで予防が可能です。
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症は心臓の弁がうまく閉じなくなり、血液が逆流する病気です。症状が進行すると咳や運動を嫌がるようになるため、特に7歳以上のシニア犬では定期的な健康診断を行い、早期に治療を開始することが大切です。
まとめ
チワマルは、チワワとマルチーズの良さを兼ね備えた魅力的なミックス犬です。小型で飼いやすく、明るく甘えん坊な性格で初心者にも適しています。ただし、吠えやすさや寂しがり屋な面もあるため、日常的なコミュニケーションや社会化が非常に大切です。
また、肥満や関節疾患、心臓病などに注意して日々の健康管理を徹底することで、長く健康的に暮らせます。特徴や飼い方をよく理解したうえで、家族の一員として愛情を注いで育ててあげましょう。