スパニッシュグレーハウンドの特徴
大きさ（体重・体高）
- 平均体高：オス 62～70cm、メス 60～68cm
- 平均体重：オス 25～30kg 、メス 20～25kg
- 分類：大型犬
大型犬に分類されるスパニッシュグレーハウンドですが、大型犬の中ではスマートな体つきで小柄です。
狩猟犬として現在も活躍しているほどで、機能性が追及され無駄の省かれた身体から繰り出されるトップスピードは時速48kmまで達すると言われています。
被毛（毛色・毛質）
- 毛質：スムースコートタイプ・ラフコートタイプ
- 毛色の種類：フォーン、ブリンドル、ブラック、レッド、シナモンなど
毛質は2種類に分けられます。スムースコートタイプは全体的に細い短毛で、ラフコートタイプは堅いセミロングでスムースよりも少し長く、顔周りがひげのようになるのが特徴。
毛色はとても多く、最も典型的な色はフォーンや様々な色調の暗色のブリンドルで色素が濃いもの、ブラック、ブラックの様々な色合いの斑のあるもの、チェスナットやシナモンなどですが、全ての毛色が許容されているのでそれぞれ違った美しさを魅せてくれるでしょう。
体の特徴
プロポーションは抜群で、マズルから頭部、胴体、脚、尾にかけて体全体がすらっと長く、筋肉質。ウエスト部分はキュっと締まりがあり腰が高く前傾姿勢なバランスのいい体型で典型的な猟犬と言えます。
スパニッシュグレーハウンドの性格
- 穏やかで人懐っこい
- とても頭がいい
- 冷静沈着で控えめ
- 狩猟の際は活発でエネルギッシュ
スパニッシュグレーハウンドは基本的に穏やかであり、人懐っこい優しい性格です。
頭が良く飼い主さんの言うことをきちんと聞くため、トレーニングも入りやすく従順です。家族愛を大切にする犬種なので、一緒に過ごす時間を多くとるといいでしょう。
ただし、頭が良いので何かを無理やり押し付けられたり、自分が従いたくない相手に対しては服従しませんので、愛情をもって正しいトレーニングを行うことで信頼関係を築きましょう。
理由もなく暴れまわるようなことはなく、常に冷静で控えめな性格ですが、猟犬としての本能から、獲物を狩る際はとても活発でエネルギッシュな姿を見せてくれます。
スパニッシュグレーハウンドの歴史
起源は定かではありませんが、紀元前600年～紀元1世紀頃からイベリア半島に存在している犬種と考えられています。猟犬として視覚を使い、スピードと疲れ知らずのスタミナでウサギやキツネ、イノシシなどを追いこみ狩猟していました。
16世紀頃からイギリスやアイルランドなどに渡ったとされ、イングリッシュ・グレイハウンドの祖先とも言われています。
現在は猟犬としてだけでなくペットとしても親しまれており、その凛々しい姿からショードックとしても活躍しています。ヨーロッパでは「Galgo Espanol（ガルゴ・エスパニョール）」とも呼ばれています。
スパニッシュグレーハウンドの値段相場
スペインでの価格相場について調査したところ、毛色によって価格の幅が広いようです。ブリーダーやショップによっても異なりますが、平均価格は500～1,000ユーロ（約7.5～15万円）程度でしょう。
アメリカでの価格は、600～1,100ドル（約8～15万円）が相場となっているようです。
その他の国では認定されたブリーダーやショップがほとんどありませんので、スペインやアメリカでの価格に、輸入料金（約20～30万円)などを足した金額で購入することが出来るでしょう。
スパニッシュグレーハウンドを迎え入れる方法
スペインでは人気のスパニッシュグレーハウンドですが、日本では希少なため、国内で購入することは困難だと考えられます。2022年現在、日本国内のペットショップはもちろん、ブリーダーもいないようです。
スパニッシュグレーハウンドの魅力に魅せられ、絶対に家族に迎えたい！という強い気持ちがある方は、「海外からの輸入」という方法を取ることになるでしょう。
一番確実な方法は、犬の輸入を手配してくれる代行業者に依頼することです。仲介手数料がかかってしまいますが、自ら海外のブリーダーを探して多くの書類の準備、作業などを全てサポート、代行してくれるため安全で確実な方法と考えられます。
スパニッシュグレーハウンドの飼い方
繊細なスパニッシュグレーハウンドを飼うためには基本的な日常のケア、食事、運動など育て方など生活の全てに気を使ってあげることが必要になります。
仲間意識が強く愛情深い犬種のため、外飼いは避け、家族の一員として一緒にリラックスした時間を多く過ごしましょう。
運動量
スパニッシュグレーハウンドが健康的に過ごすには運動が欠かせません。1日最低2回、1回1時間以上の散歩やジョギングが必要です。
運動不足は深刻なストレスになります。脱走の恐れがない広い庭や、ドッグランなどでリードをつけずに自由に走り周り、ボールやおもちゃで遊び、ドックスポーツなども出来る機会を作ることでストレスなく快適に過ごすことが出来ます。
お手入れ
特別なケアは必要なく、週1回ブラッシングする程度で問題ありません。短毛なので皮膚を傷つけないようにラバーブラシなどで毛並みを整えてあげるといいでしょう。
汚れから発生する犬特有の体臭を防ぎやすい性質の犬種ですので、普段のお手入れは濡れタオルで拭く程度にし、それでも落ちないような汚れがついてしまったという場合にだけお風呂で洗うようにしましょう。
しつけ
とても頭がいい犬種なので、飼い主のサインを理解する力が高くトレーニングが入りやすいですが、まずは飼い主との信頼関係を作ることが大切です。育て方のプランをしっかり立て、子犬を迎えたその日からしつけをスタートさせましょう。
普段は穏やかですが、好奇心旺盛なので動くものを見つけると突然走り出したり、噛みつくような一面もあります。そのような衝動的な動きをしつけでしっかり制御できるようになることが大切です。
食事
運動量に比例して多くのカロリーを消費します。そのため、常に新鮮な水を与え、栄養価が高くバランスの良い高品質な食事をしっかりと食べさせてあげましょう。
スパニッシュグレーハウンドは消化器官が短く、直径が短いという特徴がありますが、消化効率が非常に高いため食事量が多くとも問題ありません。
しかし、急いで食べると胃のねじりを起こしやすいため、早食い防止皿を使用したり少量の食事を頻繁に与えるなど工夫が必要です。
寒さと暑さ対策
見た目通りほぼ脂肪のない犬種のため、寒さと暑さには大変敏感です。普段過ごす空間はエアコンを使用するなどして常に適温にすることが大切です。
日本の夏はスペインとは違い湿度が高すぎるため、熱中症になりやすいです。散歩は早朝や夜など涼しい時間帯、水分補給をこまめに行うなど気をつけてあげましょう。
特に冬は、散歩へ出る際など寒さに耐えるためにセーターやダウンを着せる必要があります。また室内を適温に保っていたとしてもホットカーペットやブランケットなどを敷いてあげるなどして寒さ対策を怠らないようにしましょう。
室内で飼う
愛情を求める犬種なので室内で一緒に暮らしましょう。家族に対してとても愛情深く、一日のほとんどの時間を飼い主達とのんびり過ごすことで安心できるようです。大人しく優しい性格なので特に子供や他の動物と仲良くすることが出来ます。
神経質で寂しがりやですので、外で飼うことはおすすめできません。一人でいることが苦手なので、愛情不足を感じ寂しい思いをさせてしまいます。
また、人見知りで恥ずかしがりやなため、めったに吠えることもありません。番犬には不向きな犬種でしょう。
スパニッシュグレーハウンドの寿命
スパニッシュグレーハウンドの平均寿命は12～15歳です。
似たような体格をしている大型犬のイングリッシュ・グレイハウンドやサルーキも同じ程度の寿命ですが、ロットワイラーやグレートデンなどのがっしりとした大型犬の平均寿命が8～10歳程度なので、それらの犬種と比べれば大型犬の中でも比較的長生きな犬種と言えるでしょう。
スパニッシュグレーハウンドがかかりやすい病気
- 骨折
- 低体温症
- 骨肉腫
非常に病気に強い犬種ですが、ほぼ脂肪のないデリケートな体格をしているため骨折や低体温症には注意が必要です。
骨肉腫は骨格系に発生する悪性腫瘍で、四脚をはじめ全身に広がってしまいます。スパニッシュグレーハウンドは骨のがんにかかりやすく、発病すると激しい痛みを伴うため、早期発見、早期治療が求められます。
まとめ
スパニッシュグレーハウンドについて知っていただけたでしょうか？彼らのスタイリッシュな容姿、穏やかで優しい愛情深い性格、表情豊かな瞳に魅了される方はとても多いでしょう。
現在、日本で家族に迎え入れるには海外から輸入することになるため、どうしてもハードルが高くなってしまいますが、まずはスパニッシュグレーハウンドを知っていただけたらと思います。
スパニッシュグレーハウンドは、スペインだけでなく様々な国で愛される犬種であることは間違いないでしょう。
