タイワンドッグの特徴
大きさ(体重・体高)
- 体高:オス48~53cm、メス43~48cm
- 体重:オス14~18kg、メス12~16kg
- 分類:中型犬
台湾原産のタイワンドッグは、「パリア犬」と呼ばれる南アジアの狩猟犬の子孫です。体型はパリア犬の特徴が現れており、長い足を持ち先細りしたマズルでキツネのような顔つきをしています。
猟犬として飼われていたこともあり、体は筋肉質でバランスが取れています。
被毛(毛色・毛質)
- 毛質:スムースコート
- 毛色の種類:ブラック、ブリンドル、フォーン、ホワイト、ホワイト&ブラック、ホワイト&フォーン、ホワイト&ブリンドル
被毛は1.5~3cmと毛の短いスムースコートで、最も一般的な毛色はブリンドルです。舌に黒のコーティングカラーがあるのもタイワンドッグの特徴です。
体の特徴
タイワンドッグは中型犬です。頭部は三角形に近い形で、額は広くて丸みを帯びており、シワはありません。首は筋肉質で強く、わずかにアーチを描いて程よい長さでデューラップ(首元の皮膚のたるみ)はありません。
目はアーモンド形で濃い茶色をしています。耳は長くて薄い立ち耳、マズルは付け根から鼻にかけて少し細くなっています。尻尾は鎌状で高い位置にあり、直立して先端はくるっと巻き上がっています。
タイワンドッグの性格
- 飼い主への忠誠心が強い
- 大胆で恐れ知らず
- 頭が良く学習能力が高い
- 警戒心が強い
タイワンドッグは非常に頭が良く、学習能力が高い犬種です。しかし、警戒心が強いため、知らない人や物音に敏感に反応する傾向があります。恐怖心を抱いてしまうと落ち着くまで数日かかることもあります。
飼い主に対しては強い忠誠心を持ち、絆が深くなればなるほど他の人や犬には興味を示さないことも。
警戒心が強いことから番犬としても役立ちますが、しつけをしっかり行わないと、知らない人に対して過度に攻撃的な態度を取ることもあります。
タイワンドッグの歴史
台湾原産のタイワンドッグは、台湾中部の山岳地帯で暮らしていた古代の地元住民と共に生活していた「パリア犬」と呼ばれる南アジアの狩猟犬の子孫といわれています。
1980年に台湾土着犬の調査のため、台湾国立大学と岐阜大学、名古屋大学の学生たちが共同で研究を行いました。台湾原住民の29部族を訪ねて調査した結果、現在のタイワンドッグは南アジアの狩猟犬の子孫だと判明しました。
2004年、タイワンドッグは世界畜犬連盟(FCI)により暫定公認を受け、2015年にタイワンドッグとして正式な公認犬になりました。現在、台湾全土で番犬や家庭犬として人気があります。
タイワンドッグの価格相場
タイワンドッグの子犬の価格は希少性が高いことから大きな差があり、300~2,000ドル(日本円で約42,000~280,000円)と幅があります。
タイワンドッグは、世界的にあまり人気がない犬種のためブリーダーも少なく、純粋なタイワンドッグは絶滅の危機に瀕していると言われています。ブリーダーを探すのも簡単ではありません。
これほど希少性の高いタイワンドッグは、日本国内で入手するのは難しいため、海外のブリーダーから直接入手することになります。現地に行って迎えるのか、仲介業者を通して輸入するのかによっても価格は大きく変わってくるでしょう。
タイワンドッグを迎え入れる方法
知名度や人気の高い犬種は、ペットショップやブリーダーから入手することができます。しかし、タイワンドッグは、日本では滅多にお目にかかれない珍しい犬種なので、迎え入れたい場合はどうすれば良いのでしょうか?
ペットショップで探してもらう
ペットショップには、主に人気のある犬種を取り扱っているため、珍しい犬種が並ぶことはほとんどありません。そのため、タイワンドッグをペットショップから迎えるのは難しいと思って良いでしょう。
タイワンドッグのような珍しい犬をペットショップで入手するには、目当ての犬種を探してもらえるか相談してみましょう。
国内のブリーダーを探す
ペットショップで入手できない場合は、ブリーダーから直接購入する方法もありますが、タイワンドッグの場合、ブリーダーの数も少なく国内では見つからない可能性が高いです。
ブリーダーが見つかったとしても、譲ってもらえない、相場よりも価格が高い、病気を抱えてるなど、さまざまなトラブルを生じる可能性もあります。
ブリーダーから購入する場合は、「それぞれの犬種についてしっかりと熟知しているか」「飼う上でのポイントやアドバイスをしてくれるか」「購入後もサポートしてくれるか」などをしっかりと確認しましょう。
海外ブリーダーから入手する
国内のブリーダーでは見つからない場合は、海外のブリーダーから直接入手する方法があります。インターネットで探して見つけたとしても、ネットの情報だけでは信頼性が低いので、できれば実際に現地まで出向いて確認した方が良いでしょう。
また、海外から輸入する場合、犬の販売価格だけでなく輸送費や検疫、手数料などが必要になるので、国内で購入するよりも費用や手間、時間などがかかります。
さらに、言葉の問題など個人で海外のブリーダーと交渉するのはさまざまなリスクがあるので信頼できる輸入代行サービスを利用することをおすすめします。
タイワンドッグの飼い方
タイワンドッグは日本ではほとんど見ることができない犬種なので、飼い方の情報も少ないです。犬は、犬種によって性格、特徴、性質などが異なるので、それに合った方法でお手入れやしつけなどを行う必要があります。
ここでは、タイワンドッグを飼う前に確認することを紹介します。
運動量
タイワンドッグは、山岳地帯をかけまわることのできるスタミナも持ち合わせているため、中型犬ながら多くの運動量を必要とします。
ストレスを溜めないためにも、1日1時間以上の散歩に加え、ドッグランで思いっきり走らせてあげましょう。自然を楽しむトレッキングなどに愛犬と一緒に行くのもおすすめです。
お手入れ
タイワンドッグは短毛種なので、被毛のお手入れは、週に1回程度のブラッシングで良いです。また、体が汚れた時は、濡らしたタオルで拭いてあげましょう。
しつけ
タイワンドッグは賢いので、しつけしやすい犬種です。しつけやトレーニングの上達のコツは、上手にできた時はしっかり褒めてご褒美を与えることです。
うまくできなくても頭ごなしに叱るのは良くありません。言葉のわからない犬はなぜ叱られたのか理解できませんし、飼い主さんを怖がってしまいます。
食事
タイワンドッグには、中型犬用の総合栄養食を選び、パッケージに記載されている給餌量を確認して与えましょう。
タイワンドッグの寿命
タイワンドッグの平均寿命は、10~13歳くらいだと言われています。
犬は、体が小さい方が寿命が長く、大きくなるほど寿命が短い傾向があります。例えば、超小型犬の場合は、チワワが13.8歳、トイ・プードルは15.3歳、ポメラニアンが13.7歳、大型犬は、バーニーズ・マウンテン・ドッグの平均寿命は8.7歳、ゴールデン・レトリーバーは10.9歳、ブルドッグは9.3歳など。
中型犬では、ビーグルが13.3歳、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは12.5歳、ボーダー・コリーは13.1歳など。タイワンドッグは中型犬の平均的な寿命だと言えます。
ただし、これはあくまで傾向を表したものなので、タイワンドッグを飼うにしても、快適に長生きできるように、普段から愛犬に合った生活環境を整えることが大切です。
タイワンドッグがかかりやすい病気
- 白内障
- 糖尿病
- 心臓や肝臓の病気
タイワンドッグは病気に強いという特徴があります。ただし、高齢になるとさまざまな病気を発症するリスクが高まります。上記に挙げた病気は、犬種や体格に関係なく、全ての犬が高齢になるとかかりやすい病気です。
体重管理や健康管理に十分に気をつけて、体調の変化が見られたらできるだけ早く獣医師に相談しましょう。
注意が必要なのは、タイワンドッグのような日本では珍しい犬種の場合、医療に関する情報があまりないことです。獣医師でもタイワンドッグの特性を熟知していないと、適切な医療が受けられないこともあります。
近くに同じ犬種を飼っている人がいれば安心ですが、タイワンドッグの場合はかなり難しいと思います。ただ、インターネットを利用すれば世界と繋がるので、SNSなどで海外でタイワンドッグを飼っている日本人が見つかる可能性があります。
実際に飼っている人と交流ができれば、病気や飼い方、しつけなど、詳しい情報を教えてくれるでしょう。
まとめ
タイワンドッグは、その名の通り台湾原産の中型犬です。台湾の原住民と一緒に生活していた狩猟犬の子孫です。台湾では人気の犬種で、現在でも番犬として活躍しています。
しかし、世界的に見ても大変珍しい犬種なので日本ではほとんど見ることができません。そんなタイワンドッグに興味がある、迎え入れたいと考えている人もいるでしょう。
国内のペットショップやブリーダーで取り扱っている可能性は低いため、海外のブリーダーと交渉して購入することになります。海外ブリーダーと直接交渉する自信のない人は、輸入を代行してくれるサービスもあるので利用すると安心です。
また、無事に迎え入れることができても、何か問題が起きた時に的確な情報が得られないことがあります。タイワンドッグを迎えるときは、ブリーダーからできるだけ多くの情報を聞いておきましょう。