ケリーブルーテリアの特徴や性格、かかる費用や寿命など

ケリーブルーテリアの特徴や性格、かかる費用や寿命など

ケリーブルーテリアの特徴や性格、かかる費用や寿命などを紹介します。世界の愛犬家を魅了したケリーブルーテリアには、知られざる魅力が詰まっていました。

ケリーブルーテリアの特徴

横向きで立つケリーブルーテリア

大きさ(体重・体高)

  • 体高:オス 45.5~49.5㎝、メス 44.5~48㎝
  • 体重:オス 15~18㎏、メス 13~16㎏
  • 分類:中型犬

ミニチュアシュナウザーのフォルムと似たイメージを持ちますが、ケリーブルーテリアはメスでも13㎏程になる中型犬です。引き締まった筋肉と、体高よりも短い背中が特徴的です。

被毛(毛色・毛質)

  • 毛質:シングルコート
  • 毛色の種類:ブルー(成犬)、ブラック(子犬)

ケリーブルーテリアの毛は柔らかくカールしており、テリアには珍しくシングルコートです。触り心地は、シルクのように優しくふわふわしています。

子犬の毛色はブラックですが、10~12か月かけて成犬になるにつれて毛色はブルーに変化していきます。この成長による変化を楽しめることがケリーブルーテリアの人気の秘密です。

全身の毛色はブルーですが、まれに四肢や尾にブラックポイントと呼ばれる暗色の毛色が現れることがあります。ブラックポイントの有無にかかわらず、毛色はブルーの色調であることがドックショーの条件です。

トリミングの際は、眉毛と豊満なあごヒゲを残し、体全体の毛は短くカットすることでケリーブルーテリアらしさが際立ちます。

体の特徴

横向きで立つ灰色がかったケリーブルーテリア

ケリーブルーテリアは柔らかな毛の下に、猟犬らしい筋肉質な体を隠し持っています。四肢がどっしりしていて、いかにもスタミナがありそうな見た目をしています。

後足が前足に比べて長く、胴は短いため、横から見ると全体が角ばったフォルムをしているのが特徴です。鼻は真っ黒で、垂れた耳をしています。尾は自信たっぷりに、まっすぐ上を向いているのがスマートだと言われています。

ケリーブルーテリアの性格

伏せるケリーブルーテリア

  • マイペース
  • 頑固
  • 警戒心が強い
  • 家族への愛情が深い

テリア気質で気が強く、自分より体の大きな犬にも果敢に立ち向かっていきます。警戒心も強いため、番犬向きの性格をしています。

頑固でマイペースでもあるため、罰や身体的不自由になる命令は、反発心を引き起こし飼い主に対して攻撃的になってしまうことも。誤ったしつけには注意が必要です。

一方、信頼した家族には愛情深く信頼関係を築いていけます。小さなころからスキンシップをとり信頼関係を築けば良きパートナーになれます。

状況判断ができる賢さを持っており、ご褒美やほめられることによって、飼い主を喜ばせようとする可愛らしい一面もあります。

ケリーブルーテリアの歴史

ハット棒を被ったケリーブルーテリア

現在は、正式にアイルランドの国犬として「ケリーブルーテリア」と呼ばれています。以前は、アイルランドの国のシンボルとして「アイリッシュブルーテリア」と呼ばれることもありました。

何世紀も前からアイルランドにいたとされる歴史の古い犬種で、アイルランド南西部のケリー州が原産地です。猟犬としては優秀ですが、攻撃性が強い性格から、現地では「青い悪魔(ブルーデビル)」と呼ばれていました。

18世紀には猟犬、番犬として活躍し人間とともに仕事をしていました。19世紀にドックショーに出場するようになってからは、その美しい毛色と体のフォルムから世界中の愛犬家を魅了していきました。

しかし、攻撃的で扱いにくい性格から家庭には向いていないとして、一時期は人気が低迷したこともありますが、交配によって温和な性格になり、現在では再び人気が上昇しています。

ケリーブルーテリアの価格相場

お金と犬の足

日本ではあまり見かけないケリーブルーテリアですが、価格相場はどれくらいなのでしょう?ペットショップでは15~20万円、ブリーダーからは15~35万円、ブリーダー直販のペットショップでは15~35万円ほどが相場価格です。

日本国内にはケリーブルーテリアの個体数が少なく、2022年の犬種別登録数(JKC)では、26頭(89位)と希少で、ブリーダーも少ないことから他の犬種と比べると高値がついています。価格は、ブリーダーやショップによって変わるため、これらの価格は目安として考えましょう。

ケリーブルーテリアを迎え入れる方法

PCを見る女性

ケリーブルーテリアを家族に迎えるには、ブリーダーへ直接相談するのが最も確実です。

日本で登録されている個体数が少ないため、ペットショップではなかなか出会えません。まれに里親募集もありますが、人気犬種のためインターネット上ではほぼ里親が決まっています。

家族に迎え入れたい方は、子犬が生まれる予定の有無などブリーダーに直接確認するのが最短ルートです。

ケリーブルーテリアの飼い方

散歩するケリーブルーテリア

ケリーブルーテリアは縄張り意識が強く、番犬としてはとても優秀です。一方、自分のテリトリーを守るため多頭飼いには注意が必要です。

ドックランで遊ぶときには、リードを付けお互いの相性をみてから遊ばせるようにしましょう。改良により性格が温和になったとはいえ、頑固な性格の持ち主なので、しつけには根気が必要です。

中型犬のなかでも体力が十分あるので毎日の散歩、室内遊びは欠かせません。一緒に遊んで、自然に信頼関係を築いていきたいですね。暑さに弱いため、お散歩は涼しい時間に行きましょう。

運動量

筋肉質のケリーブルーテリアは毎日運動が欠かせません。散歩は1日2回、1回に30~60分ほどが必要です。運動不足はストレスが溜まり、飼い主に対して攻撃的になることがあります。走ることが好きな犬種なので一緒に思いっきり走って遊びましょう。

お手入れ

スリッカーブラシなどでこまめなブラッシングと、月1回のトリミングはかかせません。
カールした被毛は絡まりやすいため、毎日ブラッシングするのが理想です。

ブラッシングは体の血流がよくなりマッサージ効果もあるので犬にとっては気持ちよく至福の時間です。毎日ブラッシングしてスキンシップをとりましょう。

しつけ

猟犬であったことから、本能的に小動物を追いかけます。小さな子供や、他の犬に怪我をさせないためにもしつけが大切です。

基本的には、状況判断能力が高く賢い犬種です。信頼関係が築ければ、飼い主を喜ばせるのが好きでしっかり言うことを聞いてくれます。恐怖や罰を与えるしつけは向いていません、たくさん褒めてオヤツをあげて楽しくしつけができるのが理想です。

散歩はリードを短くもち、他の犬とすれ違う時は興奮させないようにしましょう。毎日の成功体験が積み重さなり、犬も自信がついてトレーニングが楽しくなっていきます。

食事

立派な筋肉を保つために、良質なたんぱく質が必要です。ケリーブルーテリアは目の病気を発症することが多いため、目に良い栄養素を摂取したいですね。

アスタキサンチン、ルテインは目に良い栄養素と言われています。アスタキサンチンは鮭に多く、ルテインはブロッコリーに多く含まれています。犬によっては好き嫌いもあるので、様子をみて与えましょう。

他の犬と同じように、消化機能が未発達な子犬は1日3~4回、成犬になると1日2回の食事が必要です。

室内温度

ケリーブルーテリアは暑さに弱く、年中室温を調整する必要があります。原産国のアイルランドは夏は平均14~16℃、冬は平均4~7℃と年間を通して穏やかな気候です。

そのため、日本の高温多湿はとても苦手で気温23℃以上、湿度60%以上になると熱中症に注意が必要です。エアコンなどを利用して1年を通して快適な温度管理をしてあげましょう。

ケリーブルーテリアの寿命

抱っこされるケリーブルーテリア

ケリーブルーテリアの平均寿命は12~15年。先天性疾患は目の病気を発症しやすいといわれていますが、命に関わる病気にかかりにくいことから、比較的長寿な犬種だと考えられています。

犬種に関わらず、飼育環境や飼い主の犬に対する健康意識が愛犬の寿命を延ばすことにも繋がることを忘れずに最後まで大切に育ててあげたいですね。

ケリーブルーテリアがかかりやすい病気

聴診器

  • 白内障
  • 緑内障
  • 結膜炎
  • 瞼腱内反/外反
  • 進行性神経疾患(小脳アビオトロフィー)

ケリーブルーテリアは、目の病気にかかりやすい犬種といわれています。定期健診では目の検査もしてもらいましょう。目の病気の治療や予防として目薬の処方があるかもしれません。小さな頃から点眼のトレーニングができていると良いですね。

目の病気以外では、まれに進行性神経疾患を発症することがあります。進行性神経疾患は運動機能が衰退していく病気で、多くは生後半年ほどで発症します。初期症状は震え、ふらつきが見られます。現在、治療法がない困難な病気です。

まとめ

背景グリーンのケリーブルーテリア

日本では馴染みのないケリーブルーテリアですが、たくさんの魅力がある犬種です。引き締まった筋肉や変化する毛色は、世界中の愛犬家たちを魅了してきました。

人気の犬種ではありますが、青い悪魔と呼ばれるほど攻撃性が強いため、初めて犬を飼う家庭には、しつけのハードルが高いかもしれません。とはいえ、一度信頼関係を築ければ、愛情深く一生のパートナーになれます。

運動不足でストレスが溜まらないように、毎日の散歩を欠かさないことが大切です。ケリーブルーテリアは、毎日のお手入れや、散歩など犬に時間を費やすことができる、犬と楽しく運動したいアクティブな人におすすめしたい犬種です。

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