人懐っこい犬種10選
「人懐っこい犬がほしい」と思ってペットショップやブリーダーの元を訪れる人は少なくありません。でも、人懐っこさとひとことで言っても、その表れ方や性格は犬種によってずいぶん異なります。
ここでは、特に多くの人から「人懐っこい」と評価されている犬種を10種類ご紹介します。家庭犬として人気が高く、初めて犬を飼う人にもおすすめの犬種ばかりです。
1、トイ・プードル
高い知能と人への親しみやすさが魅力のトイ・プードルは、しつけやすく感情表現も豊かです。甘え上手で、家族の一員としてすぐに馴染む性格。子どもとも仲良くできるため、家庭犬として非常に人気があります。
2、ゴールデン・レトリーバー
温厚で人に対して非常にフレンドリーなゴールデン・レトリーバーは、人懐っこい犬種の代表格です。飼い主への愛情も深く、初対面の人にも自然体で接します。セラピー犬として活躍することも多く、感情を読む力にも優れています。
3、ラブラドール・レトリーバー
明るく社交的な性格で、誰とでもすぐに仲良くなれるラブラドール・レトリーバー。甘えん坊で、人とのふれあいが大好きです。盲導犬や救助犬としても人気があり、信頼性と従順さを兼ね備えた優秀なパートナーです。
4,コーギー
コーギーは、飼い主に忠実で愛情深い性格です。活発で遊ぶのが好きな一方、人と一緒に過ごすことにも強い喜びを感じます。人懐っこさに加えてしっかり者な一面もあり、頼れる家庭犬として人気です。
5、柴犬
柴犬は少し慎重な面もありますが、いったん信頼を得るととても忠実で深い愛情を見せてくれます。人との距離感を大事にしつつ、甘えるときは素直な感情を見せてくれるギャップも魅力です。
6.キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
キャバリアは、人懐っこくて愛情深い性格の持ち主。常に人のそばにいたがる傾向があり、飼い主の気持ちに敏感に反応します。静かな性格なので、年配の方や一人暮らしの人にも向いています。
7、ビション・フリーゼ
明るく陽気な性格で、人と遊ぶのが大好きなビション・フリーゼ。フレンドリーで誰にでも愛嬌を振りまく様子に癒される人は多いです。家庭の中心にいたがるタイプで、にぎやかな雰囲気によくなじみます。
8、シー・ズー
穏やかでのんびりとした性格のシー・ズーは、人と一緒にいることに安心感を覚えるタイプです。抱っこが好きで、飼い主に甘えるのが得意。初対面でも距離を取りすぎず、自然に懐いてくれる子が多いです。
9、パピヨン
パピヨンは、小柄ながらとても活動的で好奇心旺盛。人への警戒心が少なく、すぐに懐いてくれる性格です。家族以外の人にも愛想がよく、人のそばで一緒にいる時間を楽しみます。機敏で賢く、しつけもしやすい犬種です。
10、ビーグル
ビーグルは遊び好きで明るく、人と接するのが大好きな犬種です。猟犬としての背景があるため、好奇心も旺盛。にぎやかな環境でもすぐに適応し、子どもや他の動物とも仲良くできる社交性の高さが魅力です。
犬が「人懐っこい」のはなぜ?性格や特徴、心理まで解説
犬が人懐っこいと感じるとき、そこには本能や育ちだけでなく、その犬の個性や心理状態も深く関わっています。ただ単に「誰にでもなつく」という意味ではなく、人間と信頼関係を築きやすい性格の傾向や、感情の動きに敏感であることが影響しています。
犬は群れの中で生きる生き物
犬の祖先であるオオカミは、もともと群れで行動する動物でした。その名残が犬にも残っており、人間を群れの仲間と捉えて生活する性質があります。
群れの一員としての結びつきを求める結果、飼い主とのスキンシップや共に過ごす時間を大切にし、人懐っこい行動へとつながっているのです。
社会性が高い性格が関係している
もともとの性格として、好奇心が旺盛で新しい人にも物怖じしないタイプの犬は、自然と人懐っこいと感じられます。
また、遺伝的に温和な性格を持つ犬種は、他者とのトラブルを避ける傾向が強いため、穏やかに接する能力にも長けています。こうした性格の違いが、日々の行動に現れます。
「人懐っこい犬」が見せる信頼のサイン・仕草
人懐っこい犬は、飼い主にすぐ寄ってきたり、体をすり寄せたり、じっと目を見てきたりといった行動をよく見せます。
これは「あなたと一緒にいたい」「もっと関わりたい」という意思表示です。
また、呼ばれたらすぐに来る、嬉しそうにしっぽを振るなどの行動も、人への信頼や愛情の表れです。
飼い主の接し方が影響することも
犬の性格は生まれつきの部分もありますが、育てられ方や日常の関わり方によっても大きく変わります。
特に子犬期にたくさんの人とポジティブな体験をした犬は、人に対して安心感や信頼を感じやすくなります。逆に、怖い思いやストレスの多い体験が多かった犬は、人見知りになることもあります。
人懐っこい犬に育てるには?
「人懐っこい犬に育ってほしい」と思うのは、多くの飼い主が抱く願いです。けれど、それは単なる性格の問題ではなく、日々の関わり方や育て方によって左右されるものでもあります。犬の個性を尊重しつつ、安心して人と関われる環境を整えることが、人懐っこさにつながります。
社会化期にたくさんの体験をさせる
子犬にとって、生後3週から12週の「社会化期」はとても重要な時期です。この期間に多くの人や音、場所に触れさせることで、人に対する恐怖心を持ちにくくなります。知らない人とふれあう経験や、抱っこされる体験を積ませることで、人間への信頼感を育てる土台ができます。
スキンシップとコミュニケーションを重ねる
毎日のなでなでや声かけなど、積極的なスキンシップは、犬にとって愛情のサインと受け取られます。特に、目を見て優しく名前を呼ぶ、落ち着いた声で語りかけるといった行為は、信頼感を築く助けになります。また、犬が不安そうな時にそばにいてあげることも大切です。
失敗しても叱りすぎない接し方
人懐っこく育てたいなら、怖がらせるような叱り方や体罰は避けるべきです。間違った行動をしたとしても、落ち着いた態度で正しい行動に導くことが、犬に安心感を与えます。安心して失敗できる環境があることで、犬は心を開きやすくなります。
ポジティブな経験を積ませる
「人と関わると楽しいことがある」と犬に思わせることが、人懐っこさを育てる鍵になります。お客さんが来たときにおやつをあげる、一緒に遊んで笑顔を見せるなど、小さな積み重ねが犬にとっての良い学びになります。無理に慣れさせようとせず、自然に楽しめる範囲で経験を広げていくことが大切です。
どんな人に向いている?人懐っこい犬との暮らし方
人懐っこい犬は、とても愛らしくて楽しい存在ですが、どんな人にも向いているわけではありません。その性格に合った接し方ができるかどうかが、犬との関係性を大きく左右します。犬の愛情深さを心地よく受け止められる人こそ、人懐っこい犬との生活を楽しめるタイプだと言えるでしょう。
スキンシップや会話が好きな人
犬と一緒にいる時間をしっかり確保し、日常的にスキンシップや声かけを楽しめる人は、人懐っこい犬にぴったりです。犬は人と関わることに喜びを感じるため、日々のふれあいが欠かせません。ひとり時間よりも誰かと過ごすのが好きな人には、相性のよいパートナーになります。
感情をオープンにできる人
犬は人間の表情や声のトーンにとても敏感です。嬉しい時に素直に笑顔を見せたり、優しい声で話しかけられる人には、犬も自然と心を開いていきます。逆に、無表情でクールな態度が多いと、犬が不安を感じることも。感情を表に出せることが、信頼関係の構築に役立ちます。
日常に余裕を持ちたいと思っている人
人懐っこい犬は常に人と関わりたがるため、時間や気持ちに余裕があることが望まれます。仕事や家事で手一杯だと、犬がストレスを感じたり、問題行動につながる可能性もあります。逆に、「犬との時間を大切にしたい」と考えている人にとっては、その存在が癒しにも活力にもなるでしょう。
家族と一緒に暮らしている人
家族が多い家庭では、人懐っこい犬がどのメンバーとも関係を築ける可能性が高くなります。みんなでかわいがることで犬は安心し、さらに愛情深く育ちます。家族の中に子どもがいる場合も、犬が社交的であれば安全に接することができ、よい関係を築きやすいです。
まとめ
人懐っこさは犬の生まれ持った性格だけでなく、飼い主との関係性や育てられ方にも大きく影響します。毎日のスキンシップや声かけを通じて、犬が「この人は安心できる」と感じることが、信頼関係を深める一歩です。
また、家の中の環境が穏やかであることも、犬が心を開きやすくなるポイントです。大きな音や急な変化が少なく、日常に落ち着きがあると、犬も安心して自分らしく過ごすことができます。
そして、飼い主が完璧を求めすぎず、犬のペースに寄り添う姿勢を持つことも大切です。調子が悪そうなときにはそっと見守り、嬉しそうなときには一緒に楽しむ。そんな柔らかな関わりの中で、人懐っこさは自然と育まれるでしょう。