世界一高い犬とは
犬の値段は血統や被毛などの個体の質、現存する個体数によっても大きく変わります。また、時代の変化や販売される国によっても人気の犬種は違うため、価格も大きく変動します。その中でも、現在「世界一高い犬」といわれる代表的な犬にはどのような犬種がいるのでしょうか。ランキング形式でご紹介します。
世界一高い犬のランキング 第1位 :チベタンマスティフ
チベタンマスティフとは
世界一高い犬第1位として有名なチベタンマスティフは、中国のチベット高原を原産地とする犬種です。古くは牧羊犬や番犬として働く身近な存在でしたが、現在の中国ではその姿が吉祥のシンボルである獅子と重ね合わせられ「富の象徴」と言われるようになりました。そのため「縁起の良い犬」として富裕層が高い値段でも購入するようになったため、世界一高い犬と称されるようになったようです。
JKCによると日本での2018年の登録は0頭のため、日本国内でチベタン・マスティフを見ることは難しいようです。
チベタンマスティフの値段
チベタンマスティフは100万円~数千万円という破格の値段がつく犬種です。過去には、中国福建省で行われた発表会で3億7320万円という超高額な値段がついたチベタンスマフティフがいました。これが世界一高い犬として認められている現在の最高価格です。
通常の犬に2回ある繁殖期がチベタンマスティフには1回しかありません。このため純血種の数が少なく、希少価値が上がっています。中国では保護動物に指定されていることも値段が高い要因だと言えそうです。
チベタンマスティフの特徴
体高66cm、体重64~82kgの超大型犬に属しており、100kgを超える個体もいる犬種です。長毛が特徴のチベタンマスティフには、顔回りの毛がライオンのたてがみのように見える「獅子型」と、獅子型よりも毛が短い「虎型」の2種類が存在しています。長い巻き毛の尻尾も特徴的で、中国ではこの尻尾を「菊の花」に例えられているようです。
世界一高い犬のランキング 第2位 :サモエド
サモエドとは
サモエドはロシアのシベリアが原産国の犬です。かつては牧鹿犬や、ソリや荷車を引いたりする使役犬として重用されていました。極寒でも適応する体力を見込まれ、南極探検隊の作業犬として活躍していたこともあります。日本スピッツやポメラニアン、柴犬はサモエドの系統になるそうです。
サモエドの値段
サモエドの値段は35万円~110万円前後と大変高額です。世界一高い犬の上位にランクインするほど値段が高い理由としては、サモエド自体の数が日本国内に少ないことが挙げられます。それにより飼育実績も少なく、専門のブリーダー数も少ないことなどが関係しています。
血統が良い個体は70万円以上の価格が付くこともあります。サモエドらしい美しい純白の毛色をしたメスの場合、さらに高い価格が付くことも珍しくはありません。日本ではテレビ番組で紹介されたことで知名度と共に人気も上昇し、より高額で取引されるようになったようです。
サモエドの特徴
サモエドは体高54㎝~60㎝、体重は16kg~30kgで、大型犬に分類されています。全身が白い長毛で覆われていて、しっぽには長い飾り毛があります。黒々とした潤んだ瞳と上がった口角によって微笑んでいるように見える表情は、「サモエド・スマイル」と称され親しまれています。イギリスの愛好家からは「The Happy Breed(幸せな品種)」と呼ばれており、世界中で愛されている人気犬です。
世界一高い犬のランキング 第3位: ロットワイラー
ロットワイラーとは
ドイツが原産国のロットワイラーは、古くは荷車を引く仕事や牛追い犬として活躍してきた犬種です。現在は国境警備犬や警察犬、山岳救助犬、軍用犬としても活躍しています。世界一高い犬ランキングの常連になるだけでなく、原産国のドイツやアメリカでは常に人気ランキングにも入るほど、憧れの犬種となっています。
ロットワイラーの値段
ロットワイラーの値段は25万円~80万円と言われています。特に、ドッグショーなどで優勝争いをするようなロットワイラーは80万円ほどの値段がつくこともあるため、世界一高い犬の一種として数えられています。
ロットワイラーの特徴
ロットワイラーはがっちりとした骨格を持ち、筋肉質で引き締まった体つきをしています。体高は61cm~68cm、体重は50kg前後で、大型犬の中では小ぶりな方ですが、力がとても強いのが特徴です。世界一高い犬ランキングだけでなく、警察犬などでも活躍できる賢さから「知能指数が高い犬」としても上位に名前が挙がる犬種です。
世界一高い犬のランキング 第4位:ブルマスティフ
ブルマスティフとは
イギリスが原産のブルマスティフは、ブルドッグとイングリッシュ・マスティフという犬の血を引いている犬種です。かつては農場などへの侵入者を追い払うガードドッグとして活躍していました。現在は勇猛果敢な気質を活かして、軍用犬として用いられているようです。一方で家庭犬としても注目を浴び始めており、ペットとしての需要も高まっています。
ブルマスティフの値段
ブルマスティフの値段は25万円~35万円が現在の相場です。世界一高い犬ランキングにブルマスティフの名前が挙がるのは、世界的に人気が高まってきていることが影響しているようです。特に日本では、JKCの登録件数が6~7頭と少なく、ペットショップなどでは購入できない希少さから、値段が高くなる傾向にあるとされています。
ブルマスティフの特徴
ブルマスティフは体高60cm~68cm、体重45kg~59kgになる超大型犬です。ブルドッグによく似た容姿をしていて、たるんだ皮膚と筋肉質な体が特徴です。眉間にしわを寄せた強面な表情とは裏腹に、飼い主に対する忠誠心が強いこともファンを増やしている理由となっています。近年ブリーディングにより攻撃性が薄れてきたことが影響し、家庭でも飼いやすくなってきたとされています。
世界一高い犬のランキング 第5位:アザクワ
アザクワとは
アザクワはアフリカ・サハラ南部が原産のサイトハウンド犬種であり、別名でトゥアレグ・スルーギとも呼ばれています。元々はサハラの特定の部族の中だけで育てられ、人間と同じ待遇を受けながら大切に扱われてきたと言われている犬種です。長い間、他へ流出することがなかったために希少価値が高くなり、世界一高い犬の仲間入りにつながったようです。
アザクワの値段
アザクワの値段も30万円前後となるため、世界一高い犬のランキング上位に入ります。ここ数年、JKCにはアザクワの登録実績がないため、日本で見かけることはほとんどないでしょう。日本で飼う場合は、海外ブリーダーと直接交渉をして輸入することになります。
アザクワの特徴
体高58~74cm、体重17~25kgの大型犬で、肋骨が見えるほど脂肪が少ない体型をしているのが特徴ですが、その無駄のないスタイリッシュな姿が人気の理由となっているようです。アザクワは世界一高い犬のランキングに入るという点でも有名ですが、ドッグレースで最高時速記録65kmという記録を樹立させた、トップクラスの俊足の持ち主であることでも名が知れています。
まとめ
世界一高い犬と言われる犬たちをご紹介しました。第1位のチベタン・マフティフの金額には皆さんも驚いたことでしょう。今回ご紹介した犬種が数年後もランクインするのか、または最高金額を塗り替える犬種が今後現れるのかなども楽しみですね。金額の違いはどのようにして生まれるのかという点に注目して犬を観察するのも面白いかもしれないですね。