ペキックスとは
ペキックスは中国原産の宮廷で神聖な犬として飼育されていたペキニーズと、ドイツ原産の猟犬でもあるダックスのミックス犬になります。顔立ちはユーモラスなペキニーズに近く、胴長で短足な体型はダックスの特徴が良く残っています。
ペキニーズとダックスの良い特徴を受け継ぎ、性格も穏やかでおとなしい子が多いのでワンちゃん初心者の方でもペキックスは飼育しやすい犬と言えます。またミックスの特徴として、純血種より体が強く健康的なのも、家族として迎え入れるにはとても嬉しい一面です。
ペキックスをはじめミックス犬は、両親の特徴をどう引き継ぐかで、容姿にも変化が出てきます。被毛の色や顔立ちなど、成長過程で日に日にその子なりの個性が出てくるのも、ミックス犬との生活で楽しめる部分です。
ペキックスの性格
- 社交的
- マイペース
- 愛情深い
- 賢い
- 頑固
ペキックスはペキニーズのマイペースさと、ダックスの好奇心旺盛で遊び好きな性格の両方を兼ね備えています。どんな生き物にも愛情深いので、小さな子供や他のペットとも仲良く遊べる優しい性格です。ペキックスは多頭飼いや小さなお子様がいるご家庭でも比較的飼いやすいでしょう。
ペキックスは社交性も高く愛嬌があり懐っこい一面もありますので、初めての来客時などもさほど困ることはないケースが多いです。
飼い主さんに対して忠実で、頭も良く賢いペキックスなので、飼い主さんが困るようなことはあまりしないでしょう。マイペースで穏やか、しかも飼い主さんに対して忠実なので、初めて犬を飼われる方には理想的な犬種と言えます。
しかしペキニーズの負けず嫌いな一面や、ダックスのやや頑固な性質も残っていますので、しつけは子犬のうちにしっかり済ませてください。
ペキックスの特徴
ペキックスの大きさ
- 平均的な体重 5kg~11kg
- 平均的な体高 25cm~30cm
ペキックスの体の大きさは体重が5kg~11kg、体高が25cm~30cmが平均的となっています。体重に関しては小型犬にしてはやや重たい印象がありますが、親犬であるペキニーズは少し重たいぐらいがちょうど良いと言われていますので、平均体重を超えることがなければ大丈夫でしょう。少し大きめのペキックスだとペットホテルやショップでのシャンプーは中型犬扱いの料金になるかもしれません。
ペキックスの体型はダックスの容姿を強く受け継いでいるので、胴が長くて足が短めですが、ダックスよりは胴長短足ではありません。胴長短足の犬種は椎間板ヘルニアになりやすいので日頃から注意が必要です。
体重が重いと椎間板に負担をかけますので、まずはペキックスを太りすぎなように食事の内容を気をつけましょう。またジャンプや高いところから飛び降りるなどの激しい動きが、椎間板ヘルニアの原因になりかねますので、癖にならないように注意してください。
ペキックスの被毛
ペキックスの被毛はペキニーズ、ダックスと同様に抜け毛が多いタイプで、換毛期は特によく抜けます。見た目にはフワフワの被毛がペキニーズにとても良く似ていて、耳の周りやしっぽに豊富な飾り毛があるのが特徴です。
ペキックスの親であるペキニーズ、ダックス共にトリミング(被毛のカット)する必要がある犬種ではありません。時に必要に応じてカットされる方もいらっしゃいますが、ペキックスも両親同様に絶対にトリミングをしなくてはいけないわけではありません。ただし被毛の量も豊富で長さもあり、皮膚も弱いのでお手入れはしっかりと行いましょう。
お手入れ法は毎日のブラッシングになります。耳の後ろの飾り毛やしっぽの付近、またわきの下などに毛玉が出来やすいので特に念入りにブラッシングして下さい。
ペキックスを夏の暑い時期に少しでも涼しく過ごさせたく、熱中症予防にと通常より被毛を短くカットするサマーカットをされる飼い主さんがいらっしゃいます。見た目にも涼しく、可愛らしい印象もあるのですがサマーカットには賛否両論あります。被毛は日差しをよける働きもしていますので短くカットしすぎると逆に暑いのではないか、また高齢になるにつれカットした被毛が伸びてこないケースもあります。
ペキックスは暑さに弱い犬種なので、サマーカットをしてみたい飼い主さんもいると思いますが、トリマーさんと慎重に相談した上で決めてください。
ペキックスの顔立ち
ペキックスは体型以外の特徴は、ダックスよりもペキニーズの容姿をしている固体が多く、顔立ちもどちらかと言うとペキニーズに似ている子が多いです。
クリクリと潤んだ瞳が愛らしく、マズルの長さはペキニーズとダックスの中間ほどなので、やや短めなペキックスが多いです。両親共に垂れ耳なのでフワフワの被毛が生えた大きな耳をしています。
ミックス犬に言える事ですが、両親のどちらの特徴が強く出てくるかは、成長過程でハッキリとしてきますので、顔立ちも成犬になった時と子犬の時代で大きく変わることがあるかもしれません。そんな唯一無二な感じがペキックスの魅力でもあると思います。
ペキックスの飼い方
運動量
ペキックスは小型犬なので運動量はそれほど多くとしません。ただ両親共に太りやすい体質なので散歩は毎日行くのがベストです。ペキックスのお散歩の時間はそれほ必要なく、5分~15分程度でも大丈夫と言われていますので、飼い主さんも無理なく続けることが出来ると思います。毎日のお散歩が難しいようであれば、最低でも週に2,3回は行ってください。
親犬であるペキニーズはあまり活発ではなく実はお散歩が少し苦手、しかしダックスは非常に活発で
お散歩が毎日1時間必要なほど大好きです。ペキックスがお散歩を好きになるか、ならないかは個体差が出てしまうと思いますので、性格を見抜いて対応してあげて下さい。
しつけ
ペキックスはとても頭が良く賢い犬種なので、他の犬種と比べるとしつけはそれ程難しくないでしょう。とは言えペキニーズとダックスの良い面だけを受け継いでいるわけではないので、注意しなくてはいけない点もあります。
ペキニーズの負けず嫌いな性格や、猟犬であったダックスの警戒心の強さを受け継いでいるペキックスもいます。時に見知らぬ人に攻撃的になり、無駄吠えをするケースもあるようです。無駄吠えを止めさせるしつけも必要ですが、お散歩中のリーダーウォークを徹底し飼い主さんとの上下関係をしっかりと築き上げましょう。
リーダーウォークとはお散歩中にリードがたるんだ状態で、ペキックスが飼い主さんから付かず離れずの距離を保って歩く事です。決してペキックスが飼い主さんを引っ張るような歩き方をしてはいけません。リーダーウォークが出来るようになると、飼い主さんをリーダーとして認め主従関係が出来上がるのでご自宅でのしつけも楽になります。
リーダーウォークでお散歩中、ペキックスが何かに対して攻撃的な様子が見られたら、軽くリードを引いて逆方向に向かって歩いていきましょう。これを繰り返すことで攻撃性も抑えられますし、リーダーウォークにも慣れてきますので子犬のうちから行いましょう。
飼育環境
ペキックスの健康を守るためには飼育環境も適した飼い方をしてあげたいですね。ペキックスのようにマズルが短めな犬種の特徴ですが、夏場の暑さにとても弱く体温調節が苦手です。近年の夏は異常なほど気温が上がりますので、エアコンで室内の温度調節をしっかり行ってください。
また夏場のお散歩は足が短めなので地面と胴体の距離が近く、アスファルトの熱を体に吸収しやすく熱中症になるリスクがとても高いです。あまりに気温が高い日はお散歩は中止にしましょう。
先にお伝えしましたがペキックスの気をつけてあげたい病気に椎間板ヘルニアがあり、室内でも予防できる工夫があります。
椎間板ヘルニアは高い場所から飛び降りるときの衝撃や、フローリングで足がすべるなどが原因になる事が多いのです。ソファやベットは低いものを選んだり、滑りやすいフローリングは絨毯やマットなどペキックスの足が滑らない素材の物をひいて予防しましょう。
ペキックスの値段
ペキックスの値段相場 10万~15万円
ペキックスの平均的なお値段は10万~15万円ほどです。ペキニーズやダックスよりは、ほんの少しお手頃価格になっています。
親犬にドックショーでの受賞暦があれば価格は上がりますし、顔立ちや体の大きさによっても金額に変動があるようです。ちなみに子供を産むことが出来るメスのほうが高い傾向にあるので、ペキックスもオスよりメスのほうが数万円高いことが多いです。
ペキックスの販売について
ペキックスの販売先は主にペットショップ(ミックス犬専門店も含む)やブリーダーになります。
ペキックスの寿命
ペキックスの平均寿命 12年~15年
ペキックスの平均寿命は12年~15年と他の犬種の小型犬とほぼ同じ位です。とても健康的な犬種なので18歳頃まで長生きする事も珍しくないようです。
ペキックスを健康的に長生きさせるには、太らせないように食事面を気をつけ、オヤツを多くあげすぎない事や適度に運動させること。肥満になってしまうことで椎間板ヘルニアや呼吸器系の病気の発症に繋がる可能性があります。
また皮膚が弱いため皮膚の健康状態を良好に保つためのお手入れも大切です。毎日の被毛のブラッシングや1ヶ月に1回~2回のシャンプーは必要になります。皮膚に痒みがあるとペキックスはストレスを感じてします。ストレスは犬も人間も体に良いものではありません。ペキックスの長寿の為にもしっかりとお手入れしてあげましょう。
まとめ
ペキックスは小さな体でフワフワした被毛と、丸い瞳がぬいぐるみの様に愛らしい見た目をしています。とても賢く飼い主さんがしつけに手を焼くこともあまりないので、犬を始めて飼う方には本当にお勧めの犬種です。
飼い主さんに愛情はあるのもの執着心はあまりないので、常に一緒にいて遊んで欲しいと言う犬種でもありません。気分屋でちょっぴり猫のような雰囲気もあります。あまりに甘えん坊な犬種だとお留守番も苦手になるケースがありますが、ペキックスは安心ですね。
小さなお子様がいるご家庭でも、一人暮らしの方でもペキックスは飼いやすい犬種だと思います。