愛犬が頻尿気味でおしっこが少ない?
頻尿とは頻繁におしっこに行くことで、排尿の間隔が短くなることを言います。
またおしっこが出ないにも関わらず、おしっこをする姿勢を取ることも多いでしょう。
この頻尿とおしっこが出ないというのには原因があります。
オスのマーキングなど生理的なものと、病気などで引き起こされているものがあります。
今回はおしっこが出にくくなる、または少なくなる病気についてご紹介します。
おしっこの量が少なくなる病気
前立腺腫瘍
前立腺腫瘍は多くの場合ガン(悪性腫瘍)である可能性が高く、発見されたときには手遅れ、ということも少なくありません。
前立腺腫瘍になるとおしっこが出にくくなる、便秘などの症状が現れます。
進行して腫瘍がお腹や腰にまでくると痛みを伴うようになり、足を引きずったりします。
原因はまだ明らかになっていません。
発見したときにはすでにリンパ節や肺に転移していることが多く、有効治療法が今のところないのが現状です。
そのため早期発見、早期治療をすることが大切なので、何かおかしいと思ったら早めに病院で診てもらいましょう。
前立腺肥大
前立腺肥大になると初期症状はほとんど見られません。
しかし肥大が進んでくると少しずつうんちをする、便が出にくい、便がリボンのように平たい、血尿が現れ、更に進行するとおしっこが出にくくなる、便秘などといった症状が出てきます。
また前立腺肥大があると細菌に感染しやすく、膀胱炎を併発することもあります。逆に膀胱炎から前立腺肥大になることもあります。
原因はよくわかっていませんが、歳を取るとともに男性ホルモンのバランスが崩れることが要因のひとつではないかと考えられています。
前立腺肥大の治療では去勢手術が効果的だと言われていますが、ホルモン剤の投与などの内科的な治療もあります。
尿道結石
尿道に尿結石がつまってしまう病気です。
この病気はオスに多く見られます。尿道結石ができるとおしっこの出が悪くなってしまうため、1回のおしっこの量が減ったり、最悪の場合おしっこがほとんど出なくなります。
頻繁におしっこをする姿勢をとるのにおしっこが出ていない、出たおしっこにピンク色が混じっている、などの行動や症状が現れます。
この状態を見過ごしていると尿毒症や急性腎不全を引き起こすのではやめに病院へ連れて行ってください。
原因は膀胱炎やドッグフードに含まれるミネラルが多い、飲水量の低下などが多く、治療としては結石を膀胱内に押し戻すのですが、押し戻せない場合には外科手術で取り出すこともあります。
膀胱炎
犬の膀胱炎は細菌感染や寄生虫・真菌の感染や腫瘍などによって膀胱に炎症が起こるものです。
尿道が細く長いオスよりも尿道が短く太いメスのほうが発症しやすい傾向にあります。
膀胱炎になるとおしっこが出にくくなり、色がにごる、おしっこに血が混じる、食欲が落ちる、などといった症状が現れます。
慢性化するケースが多く、腎盂腎炎や尿路結石などを引き起こすこともあります。
原因は様々ですが、最も多いのは大腸菌などの細菌に感染しておこるものです。
治療としては抗生剤をあたえ様子を見ます。
予防策としては清潔にして細菌が感染しないようにすることが1番大切です。
急性腎不全
何らかの原因で腎臓にダメージをうけ、体内の老廃物や水分・電解質バランスの調整などに異常が起きる症状のことを腎不全と言います。
腎不全には急性と慢性があります。
急性の場合はおしっこの量が激減、または全く出なくなり、食欲不振や吐き気、嘔吐、元気がなくなる、などといった症状が現れます。
そして数時間から数日のうちに悪化し、これを見過ごすと命を落とすことがあります。
原因は心疾患や脱水によって腎臓に流れ込む血液の量が少なくなるために起こるものと、腎臓そのものに異常が生じているものとがあります。
急性腎不全は症状が急激に悪化するため、一刻も早い治療が必要となります。
腎臓以外の場所に問題がある場合はそこを治療して腎臓への負担が軽くなるようにします。
点滴や透析治療などを行い、症状の緩和と腎機能の回復をおこないます。
しかし症状が重く治療が遅れた場合、急性腎不全が治ったとしても慢性腎不全に移行してしまうことがあります。
おしっこが少ない場合の予防法と対処法
基本的にトイレを我慢させないことです。
そのほかには定期的な健康診断を行い、症状が進行しないうちに治療することなどが大切です。
おしっこがでなくなる病気は急激に進行することが多いので、症状に気がついたらすぐに病院へ連れていきましょう。
まとめ
愛犬のおしっこは健康のバロメーターになっています。
多すぎるのも問題があるのですが、少なすぎるのも問題があるのです。
おしっこが出なくなってしまうと病気が重度、または急激に進行しているかもしれないので一刻も早く動物病院で診察を受けましょう。
普段からどれぐらいの量をどれぐらいの回数でするか確認しておきましょう。
それらをメモして置くと動物病院で診てもらう際に役に立つので記録しておいても良いかもしれませんね。