愛犬が疲れやすくなっている時に考えられる5つの病気

愛犬が疲れやすくなっている時に考えられる5つの病気

「あれ?いつもより疲れやすくなってるような……」ということはありませんか?いつも元気なはずの愛犬がすぐに疲れてしまうと心配になりますよね。そこで今回は、疲れやすくなる病気をご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

疲れやすい原因とは?

ふせをする犬

散歩に行きたがらなかったり、起き上がらないで寝てばかりいて、食欲もないという場合は病気や怪我の可能性があります。
犬は体調が悪い時にはひたすら寝たり休んだりして、体調を回復させようとします。
犬がそういった行動を取っているときは病院に連れて行ってみましょう。

疲れた時に出る症状

人のそばでふせをする犬

寝る時間が増える

犬も人間と同じように疲れるとよく眠ります。
体力的に疲れているときはもちろんですが、精神的に疲れていても眠ることが多くなります。
とくに子犬や老犬などはよく眠る傾向にあり、子犬の場合はさっきまで走り回っていたのに急に寝てしまう、ということが多々あります。

あくびがよく出る

疲れた時や眠い時に脳の働きが低下すると、酸素を取り入れて脳の血流を良くするためにあくびをします。
もちろんただたんに疲れて眠い時にもあくびはします。
あくびの回数が多いと疲れて眠いという可能性もあるかもしれません。

疲れやすくなる病気5つ

ビーグル

1.免疫介在性溶血性貧血(めんえきかいざいせいようけつせいひんけつ)

体に侵入した病原菌などを退治する免疫が、自分自身の赤血球を攻撃し破壊して貧血になってしまう病気です。
症状としては「疲れやすい」「運動を嫌がる」「息切れ」などがあり、一般的には「食欲低下」「黄疸」「沈鬱」「可視粘膜(まぶたの裏や口の粘膜など)が白くなる」などがあります。
プードルやコッカーなどに多く見られ、とくにメスに多いとされています。
治療はステロイド剤などで免疫システムを抑え、赤血球の破壊を防ぎます。
免疫介在性溶血性貧血は原因がまだちゃんとわかっていないので予防は難しいです。しかし死亡することもあるので、症状が出たり何かおかしいなと思ったら病院へ連れて行くことをおすすめします。

2.椎間板ヘルニア(ついかんばんへるにあ)

肥満や激しい運動、老化などによって椎間板への負担が大きくなり、損傷してしまうことで起こる病気です。
ダックスやビーグルなどに発症しやすい傾向にあり、重症になると下半身不随になる可能性もあります。
症状としては神経麻痺によって足を引きずる、痛みのため動きたがらない、重症になると立ち上がることもできなくなります。
また排便や排尿困難なども見られます。
症状が軽いうちは薬剤で痛みを抑えしばらく安静にさせます。それでもあまり改善しない場合や重度の場合には手術を行い、その後リハビリを行います。
激しい運動は控え、肥満を防ぐことが大切です。
とくに椎間板ヘルニアを発症しやすい犬種は注意が必要でしょう。

3.膵臓炎(すいぞうえん)

膵臓炎は膵臓が作り出す膵液によって膵臓自体を消化してしまい、炎症を起こす病気です。とくに急性膵炎では激しい腹痛があり、犬は背中を丸めた姿勢をとったりします。
症状は急性と慢性で異なります。
急性膵炎の場合は、発熱や食欲不振、元気がない、腹痛、嘔吐や下痢などの症状が現れます。
慢性膵炎の場合は急性膵炎よりも程度は軽いのですが断続的に症状が現れます。
治療は輸液や制吐剤、鎮痛剤、抗生剤などの投与がメインとなります。
予防としては日頃から栄養バランスのとれた食事を適度に与え、脂肪分の多いおやつや人の食べ物を与えないようにすることです。
適度な運動、適切な食事内容や回数を意識することが大切です。

4.僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

心臓の中にある血液の逆流を防ぐ働きをする僧帽弁の弁に変性がおきて、弁がしっかりと閉じなくなることで生じます。その原因は不明で、キャバリアなど決まった犬種で起こりやすいこともあるので遺伝的な要因も考えられています。
症状としては咳、疲れやすい、運動したがらないといったものが現れます。
マルチーズ、ヨークシャー・テリア、シーズーなどに多く見られ、加齢にともなって発症しやすい傾向にあります。
僧帽弁閉鎖不全症を完治させる方法は今のところありません。
そのため治療は症状の緩和と進行を抑えることを目的としたものが行われます。食事療法や運動制限、血管拡張剤や利尿薬などの投薬といったものが行われます。
予防は難しく、早期発見早期治療が1番大切です。
動物病院で定期検診を受けると良いでしょう。

5.拡張型心筋症

心筋症は心臓を構成している筋肉が正常に働かなくなることで心臓の機能がおち、血液が全身にまわらなくなる病気です。
心臓の収縮力が低下し、心室内腔が拡張する拡張型が犬に多く見られるものです。
犬種としてはダルメシアン、ドーベルマン・ピンシャー、ボクサーなどの純血種の大型犬によくみられます。
症状として、初期段階では失神したりすることもありますが、特に目立った症状は出てきません。進行すると咳や呼吸困難、不整脈、元気がない、疲れやすいといった症状が出てきます。
最悪の場合、突然死することもあります。
心筋症を治療する場合は利尿剤や強心剤、血管拡張剤などを症状に合わせて投与していきます。
心機能の改善や心臓の負担を減らす食生活も大切です。
拡張型心筋症は原因が不明であるため、予防方法はありません。
この病気になりやすい犬種を飼っている場合は、動物病院で定期的に検査を受けるようにしましょう。

まとめ

抱かれる犬

いつもとは違って疲れやすいなと感じたときには、一度動物病院につれていくことをおすすめします。
ちょっとした運動のしすぎなどであればまだ良いのですが、病気であった場合には早めに対処しなくてはなりません。
疲れやすくなる病気の症状を知っておくことで「もしかしたら……」と思うことができますね。
犬の様子を毎日チェックしておきましょう。

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