犬の鼻水が垂れる原因は?受診すべき症状の特徴や対処法を解説

犬の鼻水が垂れる原因は?受診すべき症状の特徴や対処法を解説

この記事では、犬の鼻水の原因と、症状別の注意点や、受診すべき症状、対処法をご紹介します。犬と暮らしている方、犬の鼻水症状が気になる方、必見です。

犬の鼻水が多くなる原因

鼻水が出ている犬

犬の鼻水の原因は生理的な理由や病気など様々で、健康の犬が鼻水を出しているからといってすぐに病院に連れて行かないといけないという訳ではないのです。

それでは、犬の鼻水が多くなる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

鼻に入り込んだ異物を排出しようとしている

埃っぽい部屋に入ると、鼻水がでてくるという経験をしたことは誰でもあるかと思います。これは、鼻に入った異物を排出しようとする生理現象です。実は、犬も同じ反応をします。

例えば、散歩で花粉や砂など吸い込んだ後や、埃っぽい部屋にいてくしゃみや鼻水を出していたら、まずその反応と思っていいでしょう。 

緊張や不安など犬のストレス反応を示している

犬は「カーミングシグナル」というボディーランゲージを使う動物です。緊張したり不安を感じると、このカーミングシグナルとして鼻水を出すことがあります。

これは、緊張することによってアドレナリンというホルモンが鼻に流れ込む血液量を増加させ、鼻水の量が増えるからだと言われています。

犬が寒さを感じている

冬の寒い季節になると、犬の鼻水がでることも少なくありません。冷たい空気が肺に入らないように鼻で空気を温めるのですが、これによって鼻水の分泌が促されるからです。

犬の鼻腔内に炎症が起きている

鼻腔内に炎症が起きている場合の鼻水であれば注意が必要です。いわゆる鼻炎と呼ばれるものですが、ウイルス感染(ケンネルコフ、ジステンパーなど)や細菌感染、歯周病、花粉症、アレルギーなど、多くの原因が挙げられます。

犬の鼻水で受診すべき症状の特徴

診察を受ける犬

犬は、鼻水が出ていてもすぐに舐めとってしまうので、飼い主が気づきにくいかもしれません。しかし、ひっきりなしに犬が鼻を舐めてる場合は注意が必要。放っておくと危険な病気のサインである鼻水を出しているかもしれません。

では、犬がどのような鼻水を出していたら、病院を受診すればよいのでしょうか。ここからは、様子を見るべきではない危険な鼻水の症状をご紹介します。

犬の鼻水の色・量・粘度に異常がある

様子を見ても大丈夫な鼻水とは、透明でサラサラでかつ量も少なく短期間で治まる鼻水です。つまり、それ以外の鼻水は何らかの異常が起きているサインの可能性が高いということです。

例えば、黄色や緑などの色がついてネバネバしている鼻水が大量に出ている、赤やピンクの鼻水が混じっているなどは要注意です。感染症や鼻腔内腫瘍が考えられます。

判断することはとても難しいので、自己判断せずに動物病院を受診しましょう。

鼻水以外の症状も併発している

鼻水が出ているだけでなく、他の症状も表れていませんか?それは怖い病気のサインである可能性があります。それでは、鼻水と併発する症状と特徴をいくつかご紹介します。

鼻水と熱

鼻水の他に発熱の症状が見られたら、ウイルス感染や細菌感染からくる呼吸器感染症(ケンネルコフやジステンパー、肺炎など)が疑われます。肺炎は命にもかかわる病気ですので、すぐに病院に連れて行きましょう。

これらの病気にかかると、ネバネバして膿んだような鼻水が出るのが特徴で、咳の症状も同時に現れることがほとんどです。子犬やシニア犬は重症化しやすいので特に注意が必要です。

鼻水と目やに

鼻と目は鼻涙管という管で繋がっています。鼻腔内に炎症が起こると鼻涙管を詰まりやすくなり、涙の排泄がうまくできなくなることで涙目になったり、目やにが増えたりするのです。

鼻腔内の炎症が進行すると、膿のような鼻水が出てきて大量の鼻水が鼻腔を塞ぎます。そのため、フガフガいったり、呼吸しづらいような症状が現れることがあります。

すぐに命に関わることは少ないですが、早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

鼻水と鼻血

犬はめったに鼻血を出すことがないと言われているため、鼻血が出ていたら要注意です。鼻血の原因の一つに、鼻腔内腫瘍があります。鼻腔内腫瘍は鼻の中の粘膜にできる悪性腫瘍で、早期発見しづらいのが現状です。

症状は鼻血だけでなく、ピンクっぽい鼻水や、血が混じったような鼻水が出ることです。他にも鼻や顔がぷっくり腫れる症状が見られることもあります。

この場合、検査や特別な治療が必要になることもありますので、少しでも早く動物病院を受診することが大切です。

鼻水とくしゃみ

鼻水と多く併発するのがくしゃみです。鼻炎やこれまでに紹介した病気の初期症状のほとんどに見られます。

さらに、アレルギーや花粉などの外的要因もあれば、歯周病など鼻以外の器官が原因であることも。

くしゃみが出てサラサラの鼻水なら病気を疑うことは難しいかもしれませんが、なかなか治らずに鼻水の状態に変化が見られたら、動物病院を受診しましょう。

苦しそうに呼吸している

鼻水を出しながら苦しそうに呼吸していたり、脱水が見られたら命に関わる可能性が高いので至急病院に連れていきましょう。

犬が苦しくなる原因の一つに、肺の中に水が溜まってしまう肺水腫という病気があります。本来、空気を取り込む場所に水が溜まっているので、溺れている状況と同じで、犬はとても苦しくなってしまいます。

肺水腫になると、初期は泡状の鼻水が出てきて、末期は血が混ざった泡状の鼻水ができます。他にも口を開けて呼吸する、前足を突っ張るような姿勢を見せることがあります。

犬の鼻水への対処法

鼻水を垂らし目を閉じる犬

愛犬に鼻水の症状が現れた時は、まずは鼻水の状態を観察します。

鼻水が短期間で治らず、症状に変化が現れたら動物病院を受診しましょう。また、自宅では鼻の周りを清潔に保ち、少しでも不快感を取り除いてあげましょう。

動物病院で原因に合った薬の処方や処置を受ける

犬に異常な鼻水の症状がでたら、動物病院で診察を受けましょう。

鼻水は原因により治療が異なります。例えば、細菌感染であれば抗生剤の投与、ウイルス感染であれば対処療法、アレルギーであれば抗アレルギー薬の投与などが行われます。

また、鼻腔内腫瘍が疑われる場合は、CT検査やMRI検査を行ったり、歯周病が原因であれば抜歯などの処置が行われることもあります。

いずれにしても、動物病院で必要な検査や処置を受けて原因を突き止めることが治療の第一歩です。

犬の鼻水の汚れはこまめに拭いて清潔を保つ

犬は鼻水が出ても自分で舐めとってしまう場合が多いですが、もし、鼻の周りが鼻水で汚れてしまっていたらこまめにふき取ってあげましょう。時間が経つと鼻水が固まってふき取るのが難しくなり、皮膚が荒れる原因にもなります。

固まってしまったら無理にふき取らず、お湯で湿らせたタオルなどでふやかしてから取り除きましょう。無理にはがそうとすると痛みを伴い、皮膚が荒れて傷つくので絶対にやめましょう。

犬に鼻水が出ている時の注意点

フードボールと元気のない犬

愛犬に鼻水の症状が現れたとき、いくつか注意する点があります。鼻水だからと軽く思わず、自宅でもしっかりとケアができるようにチェックしましょう。

それでは、おさえておきたいポイントについて紹介します。

飛沫感染のリスクがある場合は他の犬から隔離する

鼻水の原因にもよりますが、感染症であった場合は注意が必要です。なぜなら、病原体が含まれている鼻水やくしゃみを、他の犬が舐めたりしたら感染を引き起こしてしまうことがあるからです。

そういった二次被害を出さないためにも、犬の症状が治癒するまでは、同居犬がいる場合は隔離する、ドッグランなど犬が集まる場所は控える、散歩に行くときも他の犬との接触は避けるように気を付けましょう。

犬の飛沫物はティッシュでふき取り、他の犬が触れることのないように処理することや、くしゃみなどがついた場所も消毒しましょう。

ちなみに、基本的に犬の呼吸器疾患は人に感染することはないといわれていますので、(動物由来感染症を除く)同居犬がいない場合は隔離は必要ありません。

鼻づまりがあると食欲や睡眠時間が減少しやすい

鼻がつまるとにおいをかぎ分けることが難しくなり、犬は食欲が低下したり、普段食べているフードも食べなくなることもあります。また、息苦しさから寝付けずに睡眠不足になることも。

症状が改善するまでは、体重の変化にも注意が必要です。もし、体重が減っていくようであれば、早めに獣医師に相談しましょう。

十分な水分補給

くしゃみを連発したり、鼻水が止まらないと体から水分が抜けてしまいます。こまめに新鮮な水分を取らせましょう。

住環境の空気洗浄

屋内飼育の場合は、においの強い香水、喫煙などは控えて空気がきれいな状態を保つように心がけましょう。

屋外飼育をしている場合、工場や近くの建物から化学臭のようなにおいがしていたら犬を遠ざけましょう。室内には空気清浄機を置くなどがおすすめです。

まとめ

鼻を指す指と犬

今回は、犬の鼻水が垂れる原因と受診すべき症状の特徴や、対処法をご紹介しました。たかが鼻水と思ってしまう方もいるかもしれませんが、鼻水も危険な病気のサインかもしれません。

犬は鼻水をすぐに舐めとってしまうので、鼻水を発見することは難しいかもしれませんが、鼻をたくさん舐めていたら要注意です。

もし、愛犬が鼻水を出していたら、まずはそれがどのような鼻水なのか観察しましょう。色がついたネバネバ鼻水や、他の症状も現れていたら、動物病院で適切な治療を受けましょう。

怖い病気から愛犬を守るために、日頃から簡単な健康チェックを行って病気の早期発見に努められると良いですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい