プレドニゾロンを犬のてんかん予防薬として投与することについて

プレドニゾロンを犬のてんかん予防薬として投与することについて

プレドニゾロンは犬の様々な病気の予防薬として一般的に使用されています。そして、プレドニゾロンはてんかんを持病とする犬にとっても欠かせない薬の1つです。ですが、プレドニゾロンは強力なので副作用があり、投与するにあたって十分に注意しなければいけません。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

抗てんかん薬プレドニゾロンの効果について

薬

プレドニゾロンとは?

一般的に、プレドニゾロンは炎症やアレルギーを抑制するために用いられているステロイド薬の一つで、炎症性の病気や免疫系の病気の際に投与されることが多い薬です。

炎症性や免疫系病態以外にも、めまいや耳鳴り、難聴、神経麻痺や腫瘍、鎮痛など様々な領域で使用されます。
ステロイドはもともと体内で生産されますが、腎臓の上部に位置する「副腎」という器官で、様々なステロイドホルモンの産生から分泌が行われています。
そのため、副腎皮質ホルモンとも呼ばれます。
このステロイドを一定量以上医薬品として用いることで、抗炎症作用、抗リウマチ作用や抗アレルギー作用を示します。

てんかんのメカニズムは?

脳内の神経回路うまく働かなくなった結果、突然発作が起きる病気です。
主な症状としては、急にくらくらして、意識がもうろうとし、焦点が合わず瞳孔が開き、初めて愛犬が発作を起こしたときは飼い主さんも驚きます。

正常な脳の中では規則正しいリズムの電気が神経回路を流れ、神経の情報伝達がスムーズにいくように脳内の神経細胞は抑制しています。
ところが、電気の流れがうまくいかなくなり異常な活動が起こってしまうと、周りの神経や神経細胞が同様に異常な動きを始めてしまい結果的にてんかん発作が起こります。

発作は定期的に起きますが、発作の間隔は個体差があり、毎日から1年単位と様々です。
基本的には発作は自然におさまりますが、慢性の脳の病気ですので、発作の頻度が増えたり減ったり変化をすることが多いです。
発作が止まらず、てんかん重積状態になった場合早急な措置を行う必要があります。

プレドニゾロンの抗てんかん薬としての薬理作用は?

実は、はっきりとした薬理効果はわかっていません。様々な仮説がありますが、副腎皮質ホルモン放出を促進する「副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン」が脳細胞の破壊やてんかんの誘発に関与していることが言われています。

プレドニゾロンを投与することで、体内のステロイドホルモンが増加します。
体内ではステロイドを一定量に維持したいというメカニズムが働くので、ステロイドホルモン放出を促進する副腎皮質刺激放出ホルモンの分泌が減少します。
この結果、てんかんに関与する副腎皮質刺激放出ホルモンが減少するため、てんかん発作を抑制する説が提唱されています。

副作用などプレドニゾロンを使用する際の注意

子犬

副作用は?

様々な作用をもたらすステロイドホルモンを投与するため、副作用もいくつかあります。
軽度な副作用としては、消化不良や下痢、食欲増進などがあり、軽度とはいえ、個体差があるので特に投与開始時は注意して観察をしてください。

また、免疫系を低下させる作用から、感染症にかかりやすくなります。
アレルギーを持つ犬にもステロイドの使用は注意してください。

プレドニゾロンの使用上の注意

抗てんかん薬として用いられるフェノバルビタールという予防薬を投与している犬に、同時投与はしないでください。
プレドニゾロンの効果が弱くなる可能性があります。また、抗血液凝固剤のワルファリンやアスピリン、糖尿病の薬やフロセミドなど利尿薬と相互作用を示す場合があります。
持病としてアレルギーを持っている犬、別の病気で治療を行っている犬には特に慎重になる必要があるので、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

まとめ

獣医

抗てんかん薬としてプレドニゾロンを用いることは、その多様な作用から注意をして使用する必要があります。
フェノバルビタールやジアゼパムなどの抗てんかん薬ほどメジャーではありませんが、適切な薬を用いるために獣医師に相談して愛犬のてんかんと向き合っていきましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 アイモ

    薬を投与するということは、それなりに副作用も考えておかないといけませんよね。私もステロイドを使って治療しなくてはいけない病気になったことがあります。当時はステロイドを使うことは毒だ!なんて考えていてましたが、結局は薬に頼ることになってしまいました。結果、自分の場合はよくなっていったので使って後悔はしていませんが、愛犬に使用しなくてはならない場合、やはり最初は悩むだろうと思います。以前、犬友達とステロイドを主に、薬の話をしていました。やはりみんな犬に薬を投与することに対し、不安を抱いていました。プレドニゾロンという薬の名前は聞いたことがありませんでしたが、かなり強力なようですね・・・。「てんかん」の副作用が一番怖いです。犬の場合でも薬については慎重になり、分からないことは必ず獣医さんに相談した方が良いですね。
  • 投稿者

    女性 シュナ

    病気の予防や治療のためには薬や投薬は欠かせないこととわかっていても、うちは家族が比較的健康なこともありなれないことにどきどきします。むしろ、ワクチンや狂犬病の注射でさえ、100%安全とはいいきることは出来ないので、注意の説明のときにいつもどきどきしていますがそれよりも大きな病気の予防のためと思って毎年行なっています。
    プレドニゾロン、初めて聞く聞きなれない名前ではありますが、よくきくお薬には相応の副作用も覚悟しなければいけないと思っています。うちのわんこは皮膚病になったときに、毎日の薬用のシャンプー&ケア(手間がかかり、時間もかかる可能性あり)かステロイド系のお薬の選択があり、知識がないこともありますが副作用が怖くシャンプー&ケアの治療方法をとりました。治療にも選択肢があるので選べたことですが、やはり専門的なことは信頼できる獣医さんに相談して親身になってくださるお医者様をみつけるのが一番な気がします。
  • 投稿者

    女性 二条

    プレドニゾロンはプレドニンという名称で私自身何度かお世話になっているお薬でした。とても強い抗炎症作用を持つお薬なので、喘息やアレルギー症状が出た時に処方されるものです。よほど強いアレルギー症状の時以外は処方されないので、こんなに強いお薬を犬に使って大丈夫なのかと不安に思いました。

    プレドニゾロンは、アレルギーだけではなく免疫系の病気、その他にも効果が出るとのことで、犬にはてんかん以外にもアジソン病やリンパ腫にも投与されることがあるそうです。
    薬というとやはり気になるのは副作用ですね。犬の場合、プレドニゾロンを投与しても比較的軽い副作用で済むことが多いそうです。ですが、重度の副作用で呼吸が停止し死亡してしまった例もあるので、投与した際の犬の状態などにも大きく左右される薬だと思います。他に、むくみ、脱毛、痙攣、などがみられた例もあります。

    てんかんの場合は別の抗てんかん薬を投与されることが多いので、犬のてんかん治療にプレドニゾロンを使うことがあるというのは一知識として勉強になりました。
  • 投稿者

    女性 ゴン吉

    プレドニゾロンはステロイドですね。人間にもよく使われるお薬です。組み合わせ次第で副作用がより強く出てしまったり、他の薬と併用することで作用を打ち消してしまったり、注意が必要なお薬です。お薬関係の勉強をしていたので、プレドニゾロンを出されると自分でもちょっと躊躇してしまうお薬です。

    白内障や緑内障を持っている犬の場合、眼圧に影響を与えてしまうことがあるので悪化させてしまう可能性があることから禁忌とされています。お薬に関しては同じ動物病院で処方されていれば飲み合わせも調べてくれているはずですから安心ですが、セカンドオピニオンや緊急で来院した動物病院の場合は、あらかじめ飲んでいるお薬などをきちんと獣医さんに知らせておいた方がいいと思います。

    体質に合う合わないも大きいプレドニゾロンをあえて抗てんかん薬として用いるよりも、通常使用されている抗てんかん薬の方が安心かなと思いました。
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