犬の下痢や嘔吐のときの絶食について
「犬が吐いたら少し絶食させた方がいい」という事を聞いた事はありませんか?では絶食をしたほうがいい嘔吐や下痢の症状とはどんなものなのでしょうか?
皆さんは、ワンちゃんに嘔吐や下痢の症状が見られたらどのような対処をしていますか?
嘔吐や下痢の症状が出たからと言ってすぐに病院に駆け込まなくては…と考えてしまう前にちょっと落ち着いてみましょう。絶食をさせることで症状に改善がみられる場合があります。その判断方法について詳しく解説していきたいと思います。
嘔吐と吐き出しの違いについて
嘔吐と良く似た症状に『吐き出し』というものがあります。嘔吐と吐き出しは違うものなのでまずその違いについてよく知っておきましょう。
吐き出し→食道が原因
食べたものが消化されないまま口から出される。だいたいは食後すぐに起きる症状ですが、時間がたって起こることもあります。吐き出したものをまた食べます。
嘔吐→胃と腸が原因
ある程度消化されたものが食物などを吐く。吐き気(口をなめまわすモゴモゴさせる)→むかつき(ゲーゲーと吐くような動作)→嘔吐(吐く)という段階をふみます。嘔吐物を食べることはありません。
下痢の症状に見る原因部位の違い
下痢の原因となっている部位は小腸か大腸です。ですから小腸からくる小腸性下痢なのか、大腸からくる大腸性下痢ということになります。これは、犬の様子と便をみることで判断することが可能です。
小腸は栄養を吸収するところで、小腸に問題があると栄養が吸収されません。そのことから体重の減少や便の量の増加、口臭、おなら、ゴロゴロとお腹が鳴るなどの症状がみられます。嘔吐を伴う場合もあります。
また大腸は、水分を吸収するところです。大腸に問題がある場合は、便に粘液(ゼラチン状)のものが付着する、排便回数の増加や便失禁、肛門を痒がるなどの症状がみられます。血便が出たり嘔吐を伴う場合もあります。
犬の下痢や嘔吐時の絶食(絶飲)の判断はどうする?
嘔吐や下痢の症状が軽かったり、ケロッとしていて比較的元気な場合は絶食をさせて様子を見ましょう。
嘔吐や下痢は胃や腸の異常な状態が原因となって起きる症状です。食事をすれば胃腸が活動を始めますので悪化する可能性もあります。そんな時は、胃や腸の中に食べ物を入れず絶食(絶飲)をして休ませてあげます。
嘔吐や下痢が続いていたり、元気がない、ぐったりしている場合は、病院で輸液をしながらの絶食となることがあります。まずは獣医師の診断を仰ぎましょう。
嘔吐物がコーヒー色をしているときは出血から時間が経過した血が混じっていて、びらんや潰瘍、腫瘍などの可能性が考えられます。真っ赤な血が混じっているときは肺や胃からの急激な出血かもしれません。
便は、チョコレート色のものは古くなった血液が混じったもので、胃に近いところからの出血が考えられます。真っ赤な鮮血ならば肛門に近いところからの出血が考えられます。
白っぽい便は膵臓の障害や胆管の閉塞によるものかもしれません。
また、嘔吐や下痢が3カ月以上続く場合は慢性であり、3カ月以内なら急性、嘔吐は2週間以上が慢性、2週間以内が急性となります。
急性の下痢でも、症状が激しいものは日一日と悪くなったり、嘔吐でも体の水分などが急激に奪われることで危険な状況にもなることもあります。このような症状が見られる場合は、早急に獣医師の診察を受けるようにしてください。
犬の絶食の期間やタイミングについて
では実際に絶食(絶飲)させる期間や具体的な内容とはどのようなものなのでしょうか?
下痢(比較的症状が軽い、元気である場合)
24時間の絶食絶飲をします。
絶食中、喉が渇いて水分を要求する場合には舐める程度の量の水を与えます。
その後、少量の水を数時間ごとに与え、変化が見られなければ消化性の良い食事(ふやかしたフードなど)を、通常の半分くらいの量で5~6回に別けて与えます。
食後に嘔吐などがなければ3~4日かけて1日2~3回で通常の食事量に増やしていきます。
その後は1週間ぐらいかけて通常の食事に戻してください。
嘔吐(基本的に比較的症状が軽い、元気である場合)
24時間絶食、12時間絶飲(少し元気がない場合は12時間絶食でも良い)します。
喉が渇いて水分を要求する場合は、少量の舐める程度の水を与えましょう。
24時間の絶食後、少量の水を数回に分けて与えます。嘔吐が生じなくなったら刺激が少なく消化の良い食べ物(ふやかしたフードや手作り食ならささみなど)を通常の半分程度にして回数を5~6回に分けて少しずつ与え、嘔吐が生じなければ3~4日かけて通常の食事量まで徐々に増やし、回数を減らします。
途中、嘔吐が見られる場合は、半日ほど絶食にします。もし、このような絶食、絶飲を行っても嘔吐が止まらない場合、多くの水分を体外に出してしまい体力が消耗します。
その場合、急激な血圧の低下を招きショック症状を起こすことも考えられますので、早急に獣医師の診察を受けるようにしてください。
まとめ
犬において嘔吐や下痢は命に関わる重大な疾患がなくても見られる症状です。特に嘔吐に関して言えば比較的吐きやすい、よく吐く動物であると言えます。
また、犬の性格により環境の変化など心理的な影響から下痢を起こすことも考えられるのは事実です。深刻な状態なのか、そうではないのかということを素人が100%見極めることは大変難しいことですが、飼い主さんがある程度知識を頭に入れておくことはとても大切です。
元気があれば深刻に考え過ぎる必要はありませんが、決して過信をせず、いざというときに備えましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
完全に絶飲食を3日間しないといけないと獣医さんから聞きました。
その間、脱水しないように点滴はと思うと入院は必然的に、なってきます。
膵炎で絶飲食後の
3日後には元気になって帰ってこれるかなと思っていたら、
入院したその日の夕方、
病院から死亡したとの連絡がありました。
様子をみるのも大切かもしれないですが
亡くなってからではもうどうにもなりません。
犬は喋れないからこそ、
病院できちんと見てもらうことを
勧めてほしいです。
30代 女性 v_v
しかし絶飲絶食状態が功を奏したのか、3日ほどで良くなりました。
ちなみに下痢の原因ですが、ペットホテルで遊んだ子犬から感染したものでした。犬同士の接触にはリスクがあることを痛感しました。
女性 May
40代 女性 こたママ
女性 コロ
うちの場合は、吐いても普通に歩くなど行動がみられるなら様子を見つつ半日ほど絶食をします。翌日は元気であっても必ず病院へは行きます。
ぐったりしている場合は急いで獣医さんに診てもらいます。万が一、膵炎の時は胃腸を動かすとその刺激が痛みになってしまいます。
吐いた時は無理に食べさせないことが大事です。
30代 女性 ここあ