犬に正露丸を与えてはいけない理由
犬に正露丸を与えてはいけない理由は正露丸の正体にあります。
正露丸の正体は"フェノール"、"クレゾール"、"グアヤコール"といった複数の成分から成り立つ”クレソート”と呼ばれるものです。これらは人間には良い効果を発揮するのですが、犬はフェノール類を代謝できないため、犬に正露丸を与えてはいけません。
もし犬に正露丸を与えてしまったら、犬の胃壁を荒らし、さらには消化器に強いダメージを与えることになるのです。また、代謝できないということは犬の体内に長く、正露丸の薬物であるフェノール類が存在することになるため、中毒症状を引き起こしてしまう可能性があります。
犬に正露丸を与えてしまった時の対処法
良かれと思って犬に正露丸を与えてしまった場合は、ほとんどが1日絶食することで回復するといわれています。しかし犬に正露丸を与えて、1日たっても回復しない場合は、動物病院で診てもらう必要があります。
ただし犬が正露丸を飲んだ量によっては、1日待たずとも獣医師の診断を受けなければなりません。犬の様子がおかしいと感じたなら、中毒に陥らないためにも迷わず動物病院に連れて行きましょう。
犬の下痢に効く薬
それでは犬の下痢に効果のある薬はあるのでしょうか?1つずつチェックしていきましょう。
ディアバスター®
「ディアバスター®」は犬の下痢に効く有名な犬猫用抗下痢剤、つまり下痢止めです。5つもの有効成分が含まれており、動物病院で処方されることも多いため、正露丸とは異なり安心して与えられる薬です。
ディアバスターに含まれる成分とは、
- タンニン酸ベルべリン(殺菌効果)
- 次硝酸ビスマス(腸の粘膜を保護)
- ゲンノショウコ乾燥エキス(傷ついた腸粘膜を保護)
- ロートエキス(腸の運動を抑える)
- ゴバイシ(抗菌作用)
の5つです。
ディアバスターは薬特有の苦味が少ないため、フードやおやつに混ぜなくとも食べてくれる犬が多いと愛犬家さんの間で好評です。
ビオフェルミン®
「ビオフェルミン®」は私たちが服用する人間用のものでOKです。しかしその場合は、体重10kgの犬で1日1錠、20kgの犬で1日2錠で十分だといわれています。そのため、我が家のトイプードルの場合は1錠を半分に割って、半錠にして飲ませていました。
ビオフェルミンは下痢止めではないため即効性は見られません。あくまでも胃腸を整える薬だと理解した上で、犬に3日~1週間は続けて飲ませても問題はなさそうです。
ビオフェルミンのメリットは正露丸と異なり、副作用がないことです。乳酸菌製剤なので、薬というよりはサプリメントと考えても良いでしょう。
ロペラミド
「ロペラミド」は便の進みをゆっくりにする効果がある薬です。下痢を抑える効果が高く、安心して犬に与えられる薬です。ただし使わないほうが良い場合もありますので投与については獣医師の判断が必要です。
ベルベリン
「ベルベリン」は生薬特有の苦味があるため、苦手な犬も多いかもしれません。しかし、ロペラミド同様に便の進みを遅らせる働きがあるので、犬の下痢止めとしては効果が高いといえるでしょう。
使用の際は、かかりつけ獣医師に相談することをおすすめします。
まとめ
犬に正露丸を与えてはいけない理由と犬に正露丸を与えてしまったときの対処法、あわせて犬の下痢に効く薬をご紹介しました。いかがでしたか?
我が家のトイプードル・くるるは、幼い頃からお腹が弱く、獣医さんもお手上げ状態でした。しかし、食事改善やアレルギーへの対策を行った結果、少しずつではありますがお腹の調子も整ってきています。
犬が下痢をすると、どうにかしなきゃ、と焦る気持ちは痛いほど分かりますが、犬に正露丸を与えるのは絶対にNGです。ひとつの知識で救われる命もあるため、ぜひご家族とも共有していただければと思います。
犬の命を守るために、正しい知識を身につけましょう!