犬が投薬を嫌がる理由と対応を考える
犬が投薬を嫌がる理由
動物病院で飲み薬をもらって帰りいざ「飲ませよう」と思っていても、飲んでくれなかったり吐き出されてしまったりといった経験はありませんか。犬が薬を嫌がるのは何故でしょうか。まずは、愛犬がどういった理由で薬を嫌がっているのかを考えてみましょう。
嗅覚が優れた犬達は、薬をご飯に混ぜても臭いで気がつきます。薬にありがちな「苦み」や「酸味」は犬にとっては食べられない物の臭いです。当然口から出そうとしたり、そもそも口に入れなかったりといった行動をとります。
飼い主の行動がいつもと違うため、犬が警戒している場合もあります。飼い主が投薬しようと意気込だり緊張していたりすると、犬はそれを敏感に感じ取り不安になります。不安がある時に見慣れない薬を飲もうとはしないでしょう。
犬が薬を嫌がる理由を踏まえて対策を考える
愛犬が投薬を嫌がる理由はどういったものだったでしょうか。味や臭いを嫌っているようなら、それが分からないような工夫が必要です。犬が何かしらの不安を感じているようなら、投薬の環境を見直すことで薬が飲めるようになるかもしれません。
犬が薬を飲まない原因と飲ませ方!薬別の対処法からおすすめグッズまで
薬を犬の口に直接入れる時のポイント
直接薬を犬の口に入れる場合は、犬に薬の味をできるだけ感じさせない、という事がポイントになります。
喉の奥に薬を突っ込む
動物病院やネットの記事などでもよく見かける、一番スタンダードな方法です。犬の口を開けて舌の根本を目がけるつもりで喉の奥に薬を置き、上を向かせ口をしっかり閉じさせます。喉がゴクンと鳴ったり、舌が鼻を舐める動作が飲み込んだ合図です。この時、鼻先に水を付けてあげたり、スポイトで口に水を入れてあげるとスムーズに飲み込めます。
「投薬器」という、喉の奥に薬を入れる為の器具もあります。人の手を噛んでしまう犬や手が入らないほど口が小さい犬には便利です。
ペット用の投薬器
商品情報
・大きさは約14.5×6(cm)
・材質はPPシリカゲル
この方法は、確実に短時間で投薬することができますが、犬と飼い主両方が慣れていないと吐き出されたり抵抗されたりと難しい場合があります。
カプセルに入れる
カプセルに薬を入れることで、犬に薬の味を感じにくくなります。また、複数の薬を投薬する際にはカプセルにまとめることで投薬の回数を減らすことができます。粉薬が飲めない場合にも便利です。
カプセルの欠点は、水分に弱いため涎やウェットタイプのフードに触れると破れてしまうことです。扱いには注意しましょう。
お薬の種類によってはカプセルの使用ができない場合があるので、動物病院で確認してから試してみてください。
オヤツに包む
大好きなオヤツに包んであげることで、薬に気がつかずに食べてくれる場合もあります。犬用の投薬用オヤツも発売されているので、そちらを試してみてもいいでしょう。オヤツは、香りが強く薬をすっぽり包めるような柔らかいものがお勧めです。
普段ご褒美を上げるようなタイミングや空腹時に与えると、警戒されにくくなります。また、与える際には、薬を触った手を洗ってからの方がいいでしょう。
オヤツに包める投薬補助商品
商品情報
・100%自然素材を使用
・薬を包み込み隠すことで確実な投薬を補助
・形状はやわらかい
・主原料にチキンを使用し高い嗜好性を実現
ペーストに練り込む
薬が粉や液体の場合や錠剤を潰して粉にしても問題ないものは、ペーストに練りこむのもお勧めです。ペーストは、ヨーグルトや潰したバナナ、ウェットフードなどが便利です。犬の投薬用ペーストも販売されています。
まず、薬をペーストに練りこみ指に乗せてください。次に、犬の口を開けさせて上顎にペーストを塗りつけます。
お口を触らせてくれる子であれば成功率の高い方法ではありますが、投薬量が多くなってしまうと犬が飽きてしまい、投薬できなくなる場合もあります。薬の量が多い場合は、飲みにくい薬のみこの方法を使うなどの工夫をしましょう。
犬の投薬用ペースト
商品情報
・犬猫用の投薬補助食品
・飽きのこない抜群の嗜好性
・薬の混ざりがスムーズ
・水溶性のためベタつかず水薬にも◎
・合成着色料等の添加物不使用
薬を犬のご飯・オヤツに混ぜる時のポイント
お口を触ったり開けたりするのを嫌がる犬の場合は、薬をご飯やオヤツに混ぜて与えてみましょう。ただご飯の上に置いただけでは食べてくれない子もいます。そんな時の対処法をご説明します。
柔らかい食べ物に混ぜる
ドライフードに錠剤や粉薬をトッピングしても、薬の臭いや味がするので食べてくれないかもしれません。そんな時は、ウェットフードに混ぜたり、上述の「オヤツの包む」を参考にして臭いや味を隠してみましょう。混ぜる部分は一口か二口で食べられる程度にして、一番上に置きます。これは、ご飯を食べ始める最初の勢いで薬を食べてもらうためと、万一薬を食べなかった場合に薬の入った部分を探しやすくするためです。
食べ始めに臭いの確認をする犬は、薬に気づきやすいのであまり向かないかもしれません。そういった犬の場合は別の方法を試しましょう。
空腹時に与える
お薬を混ぜたご飯やオヤツをスムーズに食べてもらうためには、犬の「早く食べたい」という気持ちを利用しましょう。お腹がすいている時に与えることで多少の臭いや味の違和感に気がつかずに食べてもらえることがあります。
食事前の「マテ」のコマンドで食べたい気持ちを高めてあげるのも有効です。
協力者と一緒に
第三者に協力してもらう少し変わった方法ですが、こういった方法で薬が飲める犬もいます。犬自身の性格に左右される方法ではありますので、愛犬の性格をよく考えて試してみてください。
犬の好きな人に協力してもらう
ご家族や毎日のお散歩ルートに、犬にオヤツを与えてくれそうな方はいませんか。いつもお薬を飲ませる人からもらうオヤツには「薬が入っているかもしれない」と警戒する犬も、普段と違う方からもらえるオヤツは、魅力的に見えるようで思わず食べてしまう事も多いようです。
ただし、普段から警戒心が強く出先ではオヤツを食べられないような犬には向きません。
他の犬に協力してもらう
他の犬がオヤツをもらっているの見ると、つい自分も食べたくなる犬は多いですよね。協力犬に薬なしのオヤツをあげて、投薬が必要な犬には薬入りのオヤツをあげるという方法があります。投薬が必要な犬は協力犬が食べているのを見て、「自分も食べよう」と思ったり「取られたくない」と味を確認せずに飲み込んでしまったりするようです。
この方法の注意点は、誤って協力犬に薬を与えてしまわないようにすることです。薬が今どこにあるのか気を配りながらやりましょう。
動物病院に相談する
記事の中にも出てきた投薬のためのアイテムは、動物病院でも購入出来ます。動物病院で購入した場合、使い方を教えてもらえたり現物を見ながら購入を検討できます。
薬の種類によっては(特に抗生剤)、投薬の回数が少ないものに変更できる場合があります)。他にも味や臭いについて対応できる薬もあります。
まとめ
犬に薬を飲ませるためのポイントをご紹介しました。実際に薬を与える時はこの中のいくつかを組み合わせて、その犬に合った方法を見つけていくことになります。
犬は一度嫌な思いをしたことはなかなか忘れません。投薬に失敗したときに使ったオヤツは、しばらく警戒して使えなくなってしまうかもしれません。そんな時には、方法は一つだけじゃないことを思い出してください。そして、飼い主が犬とのやり取りを楽しみながら投薬できるようになると、犬の警戒心も解けやすく投薬もしやすくなるはずです。