犬のお姉さん座りってどんなもの?
通常の犬のお座りは前足も後ろ足もピシッと揃えて正面を向いている状態ですが、お姉さん座りの場合両足を横の流すような形で投げ出し、おしりを床につけて座っている状態です。足を横に投げ出しているため体も傾き、なんとなくダラッとリラックスしているような姿に見えるので愛らしく見えることもあると思います。
犬がお姉さん座りをしている理由
犬がお姉さん座りをしている理由には、リラックスしているということや単なる座り癖である場合と足や腰に何らかのトラブルが発生している場合の2種類があります。リラックスしている時はダラリとお姉さん座りをしていても、指示を出した時などは普通のお座りをすることができて元気に走り回ったりジャンプをしたりすることができるのであれば前者である可能性が高く、その場合は特に問題はないので気にする必要はありません。
しかし、これまでいつもきちんと座っていた犬が突然お姉さん座りをするようになったり、お姉さん座りをするようになると同時に歩き方に変化が現れたりした場合は関節などに異常が発生しているのかもしれません。また、子犬の頃から常にお姉さん座りをしている場合もその可能性があります。
犬がこんな様子を見せたら要注意!
- 常にお姉さん座りをしている
- 座りにくそうに姿勢を何度も直す
- お尻を振るように歩く
- 後ろ足を引きずるようにして歩く
- 階段の前で躊躇する
- 散歩に行きたがらない
- 足や腰を触ろうとすると嫌がる
犬のお姉さん座りに隠れている疾患とは?
股関節形成不全
ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバー、バーニーズマウンテンドッグ、シェパードなどの大型犬でよく見られる疾患。遺伝的要因で発症すると言われている病気で子犬の頃からお姉さん座りをしている場合やお尻を振るように歩く場合はすぐに検査を受けるようにしましょう。股関節の周辺の骨が変形してしまい関節内に炎症を発生して痛みや違和感を感じるようになります。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
“ひざのお皿”と呼ばれる丸い骨=膝蓋骨がちょっとした刺激で脱臼してしまう疾患で、トイプードルやポメラニアン、チワワなど小型犬に多く見られます。軽度であれば日常生活に支障はありませんが、症状が進行してしまうと痛みが強くなり手術が必要になる場合も。膝蓋骨脱臼にはレベルがつけられているので軽度のうちから対策を取りしっかりとケアをするようにしましょう。具体的にはフローリングにカーペットを敷いて滑りにくくしたり、段差を昇降させないようスロープをつけたり抱っこしたりして対応するようにします。
関節リウマチ 、関節炎
関節に痛みやこわばり、腫れなどの症状が現れるリウマチや炎症を起こす関節炎は放置しておくとどんどん進行していくため早めの対応が必要です。ミニチュアダックスフンドやトイプードル、シーズーなどの小型犬に多く、若年齢でも起こる疾患なので若いからといって油断しないように気をつけましょう。
犬がお姉さん座りをしたら観察&相談すること
犬のお姉さん座りはただの座り癖であることもありますが、放っておくと怖い骨や関節の疾患が原因となっていることも少なくありません。突然お姉さん座りをするようになったり、散歩で歩くのを嫌がるようになったりと「何かおかしいな…」と思うことがあればすぐに獣医師に相談し診察、検査を受けるようにしましょう。飼い主だからこそ気がつくことができるちょっとした行動の変化、体のサインをキャッチすることができるように日頃から愛犬のことをしっかり観察するようにしましょう。