犬からの危険信号その①:頭を壁に押し付ける
これは「ヘッドプレス」と呼ばれ、犬が壁や硬いところなどに自分の頭を長い時間押し付けている場合は注意が必要です。
このヘッドプレスが見られる場合、「前脳疾患」や「神経系疾患」(寄生虫、狂犬病、細菌・ウイルス・真菌感染症など)が潜んでいる可能性があります。
その他にも、
- 脳炎
- 脳卒中
- 門脈体循環シャント
- 代謝性疾患(高低ナトリウム血症など)
- 毒性中毒
- 肝性脳症
などの病気になっている場合や、
- 頭を強く打って脳に傷がついた
- 脳に腫瘍がある
など、様々な病気・症状の疑いがありますので、早急に動物病院へ連れていきましょう。
犬からの危険信号その②:目が泳ぐ、身体を傾ける
5才~高齢の犬に見られる症状で、耳の奥の部分にある「前庭」に障害が起こっている状態です。前庭は身体のバランスを取るための役割を持っているので、前庭に問題があると体のバランス感覚が分からなくなってしまい、めまいやふらつきが起こります。
このような症状が見られる場合、「前庭疾患」の可能性があります。 その他にも、「外耳炎」の悪化によって「内耳炎」を引き起こしている場合にも、同じような症状を観察することができます。
犬からの危険信号その③:いつもより大量の水を飲む
一般に、犬の体重1キログラムあたり100mlを越える飲水は過剰である言われ、何らかの病気が隠れている可能性があります。
犬が1日に必要な水分量は様々な考え方や計算法がありますが、日本獣医師会が発表している目安は次のとおりです。
- 体重(キログラム)の0.75乗×132(ml)
ただし、これは「一日に必要な水分量」であって「一日の飲料水の量」ではないので、食事やオヤツに含まれた水分を差し引いて、水を飲む量を考えなければいけないことに注意です。たとえば、缶詰や手作りフードなどには約70%の水分が含まれていますが、ドライフードには約7%しか含まれていません。
よって、飲料水の量で考えると「体重1キログラムあたり40~60ml」の範囲が正常であるといわれています。ですので、最初に述べたように体重1キログラムあたり100ml以上の水を飲んでいるようならば、注意が必要です。
水を過剰に飲んでいる時に疑われる病気の例として、次のような病気が挙げられます。
- 中毒症状
- 糖尿病
- 副腎皮質機能亢進症
- 慢性腎不全
- 腎盂腎炎
- 子宮蓄膿症
- 低カリウム血症
- 高カルシウム血症
- 肝疾患
- 甲状腺機能亢進症
- 尿崩症
また現在飲んでいる薬剤によって、飲む水の量が増加する場合もありますので、かかりつけの獣医師に確認してみましょう。
犬からの危険信号その④:咳き込むことが多くなった
空咳のような「カッカッ」や、ガチョウの鳴き声のような「グゥーッ」という咳を聞いたことはありますか?
とくに高齢の小型犬は「気管虚脱」と呼ばれる症状になりやすいと言われ、私の愛犬も13才頃から時々「グゥーッ」という咳をするようになりました。
喉への刺激が良くなかったため、ハーネスを柔らかいクッション付きの物に変えたり、布製のものに変えたりしたところ、咳がほとんど無くなりました。
他にも、咳き込みに潜んでいる病気として、つぎのような病気などが挙げられます。
- 心臓病
- 肺腫瘍等
- 肺水腫
- 気管支炎
- 咽喉頭炎
- 肺炎
最近変な咳が多いかな?と思ったら迷わず病院に行ってみましょう。
おわりに
いかがでしたでしょうか。毎日愛犬のことをよく観察している飼い主さんは「あれ?なんかいつもと違うな?」と感じることができると思います。その感覚を信じて、いつもより注意深く食事や排泄、身体の状態などをチェックしてあげてくださいね。
犬の1日は人間の4日分にあたります。初期対応で症状が軽いうちに元気に戻れるようにしてあげたいですね!