犬の下痢の原因を絞り込む
犬が下痢をした時、原因を特定する事がとても重要になってきます。
しかし、飼い主さんだけでは、犬が下痢をする原因を特定するのはとても難しいことだと思います。
だからと言って、下痢をしたからすぐに病院へ連れていったとしても、多くの場合は下痢の原因を特定することなく対症療法を提案する獣医さんが多いと聞きます。
たとえば、整腸剤・下痢止め・抗生物質などを処方してもらえば一時的に下痢を抑える事が出来ます。たしかに、薬で下痢を止めることができれば飼い主さんも安心することができると思いますが、やはり下痢の原因を知ることができないままでは不安な気持ちも残るでしょう。
犬の下痢の原因をある程度は理解しておくと自宅でも対処しやすいでしょうし、病院で診てもらう場合にも詳しく症状や原因となりうる事柄を獣医さんに伝えやすくなるのではないでしょうか。
愛犬が下痢になってしまったとき、下痢を引き起こす前の食事や過ごし方などから下痢の原因をある程度は絞り込むことができます。
犬の下痢の原因と危険度
下痢の原因 その①「食べ過ぎ」【危険度:低】
ほとんどの場合、犬の体重に合わせてドッグフードの量を調節されていると思います。
しかし、胃腸の調子や体調などによって、犬にも食事量の調節が必要なことがあります。
胃腸が痛いなどの自覚症状がある場合にはフードを食べ残す犬もいますが、基本的には与えられた分を全て食べてしまいます。
そのため、胃腸の調子や体調が悪く、食事量を調節しなければならないにも関わらず、いつもと同じ量を食べてしまったことによって食べ過ぎになり、下痢を引き起こしてしまうことがあります。
下痢の原因 その②「ドッグフードを急に変えた」【危険度:中】
犬の胃腸は新しい食べ物に慣れるために数日が必要だとされており、これまで食べていたフードから急に違うフードに変えたとき、下痢になってしまうことがあります。
そのことに気づかずにいると、下痢だけではなく嘔吐することもありますし、何日も下痢が続き、腸内の毛細血管が傷つくことで下痢に血が混じるようになったり、下痢が続いたことで脱水症状を引き起こすこともあります。
下痢の原因 その③「人間の食べ物を食べた」【危険度:低~高】
食べたものによって危険度は低・中・高と大きく変わりますが、人間の食べ物の中には下痢を引き起こすだけにとどまらず、重篤な中毒症状までをも引き起こす危険性があります。
タマネギやチョコレートなどが代表格ですが、基本的には味付けがされた人間の食べ物を犬には与えないようにしましょう。
下痢の原因 その④「心因性のストレス」【危険度:低】
心因性のストレスによって下痢を引き起こす犬はとても多いです。
- 病院やトリミングなどの苦手な場所へ行ったとき
- 長距離の移動をしたとき
- 慣れない長時間のお留守番をしたとき
- ドッグランで初対面の犬と出会ったとき
- 極度の緊張状態や不安状態にあったとき
など。
下痢の原因 その⑤「季節の変わり目」【危険度:低~中】
季節の変わり目になると、寒暖の差によって体調を悪くし、下痢を引き起こす犬が多くいます。
食欲も元気もあり普段と変わらない様子であればそれほど心配する必要はありませんが、下痢が続くと脱水症状を引き起こす可能性がありますので、病院で整腸剤や下痢止めを処方してもらうと良いでしょう。
下痢の原因 その⑥「急性胃腸炎」【危険度:高】
数分おきに下痢をするなど、とても激しい水下痢をし、血液が混じることもあります。
嘔吐を伴うことも多くあり、命に関わる危険性の高い症状です。
急性胃腸炎の原因が何等かのウイルスである可能性もあります。
下痢の原因 その⑦「寄生虫への感染」【危険度:高】
ジアルジア・コクシジウム・ノミなどが媒介する瓜実条虫などの感染によって下痢を引き起こすことがあります。
とくにドッグランや病院などの犬が多く集まる場所で感染しやすいです。
成犬の場合は下痢などの症状が出ない犬もいますが、子犬や老犬は下痢を引き起こすだけではなく、重症化することがあります。
下痢の原因 その⑧「誤飲」【危険度:高】
飼い主さんが服用している薬、毒性のある植物、除草剤が撒かれた草など、中毒性のある物質を誤飲したことによって下痢を引き起こすことがあります。
命に関わるとても危険度の高いものです。
まとめ
下痢を引き起こしてしまったときは、
- 何日くらい下痢が続いているのか
- 下痢の回数はどれくらいなのか
- 食欲はあるのか
- 元気はあるのか
- 誤飲の可能性はどうか
- 環境の変化があったのかどうか
など、愛犬の状況をしっかりと飼い主さんが把握していなければ、病院へ連れて行ったとしても獣医さんは正確な診断をすることができません。
下痢を引き起こしてしまったときだけではなく、普段から愛犬のカラダのことや状態をしっかり把握しておかなければなりません。
普段のうんちの様子は
- 便秘気味なのか(うんちがかたくなりやすい)
- ちょうど良いのか
- 軟便気味なのか(下痢をしやすい)
これだけ把握しているだけでも様子の変化に気づきやすくて良いと思います。