そもそも狂犬病ってなに?
名前に「犬」とあるため犬の病気だと思ってしまいそうですが、犬だけではなく、人間を含む全ての哺乳類に感染する病気です。狂犬病には治療法がなく、発症すると100%死亡してしまう恐ろしい病気です。
日本では1957年以降は発生していませんが、世界保健機関(WHO)の報告によると、海外では毎年4〜5万人もの人が狂犬病によって亡くなっているようです。
また、日本での発生はないものの、2006年には発生率の高いフィリピンから帰国した日本人2名が、日本で狂犬病を発症して亡くなっています。海外から入ってくる可能性もないとは言い切れない、ということです。
人から人へ移ることはなく、犬に噛まれて感染することが主なのため、わんちゃんには狂犬病のワクチンを毎年接種することが義務付けられているのです。
狂犬病の症状とは?
狂犬病の症状は、前駆期・狂躁期・麻痺期という3つの期間に分けられています。
前駆期(2〜3日の経過)
- 挙動不審になる
- 物陰に隠れるようになる
- 異常に興奮する
- 神経過敏になる
- 攻撃的だった子が甘えるようになる
- 穏やかだった子が攻撃的になる
- 遠吠えをするようになる
- 水を怖がる
狂犬病の特徴的な症状である、「恐水症」という水を怖がる症状が起こります。
狂躁期(1〜7日の経過)
- 異常に興奮する
- 食べ物でないものを食べる(石土小枝など)
- 音や光に過敏になる
- 顔付きが険悪化する
- けいれん発作を起こす
このけいれん発作で、死に至ることもあります。
麻痺期(2〜3日の経過)
- 歩行出来なくなる(特に後ろ足)
- 食べ物を飲み込むことが出来なくなる
- 舌を出し、よだれを垂らすようになる
- 昏睡状態に陥る
- 呼吸が出来なくなる
このように、とても早いスピードで病気は進行して行き、命を落としてしまいます。
狂犬病を予防するために
上記のように、狂犬病はとても危険な病気のため、畜犬登録(犬を飼い始めたことを市区町村に登録すること。住所や飼い主の変更があった場合も届出が必要。)をし、毎年1回ワクチン接種をすることが法律で義務付けられています。
ワクチン接種のデメリットとしては、混合ワクチンよりは少ないものの、ごくまれにワクチンによるアレルギー反応を起こすことがあります。
その為、万が一のときに備えてすぐに対応してもらえるよう、また健康診断も兼ねて、動物病院でのワクチン接種をおすすめします。