犬が慌てて水をガブ飲みしているためむせる
人間もそうですが、喉が渇いているあまりに水をあわててガブ飲みしようとすると、むせやすくなります。
対策としては、わんこが一気にガブ飲みしてしまわないよう、こまめに水分補給できる環境を整えてあげることです。わんこも人間も水分補給のコツは、のどが渇く前に水分を摂ることです。お散歩や旅行などのおでかけ時にも、ポータブルの給水器を持ち歩き、水分補給休憩をこまめにとってあげましょう。
水を飲む犬の姿勢が悪いためむせる
水のお皿を直接地面に置いていませんか?水のお皿の位置が低いと、水を飲む際に首を大きく下げないといけないため、気管が圧迫され、むせてしまいやすくなります。また、ケージに取りつけるタイプの給水器も、わんこによっては飲みにくいと感じる子がいるようです。
対策としては、わんこが無理のない姿勢で水を飲める形を見つけてあげることです。お皿を台に載せて少し高さを出してあげるだけでも違います。また、今の給水器が飲みづらくてむせることを繰り返しているようであれば、他のタイプの給水器を試してみるのもいいかもしれません。
犬が気管の病気にかかっているためむせる
わんこがむせている場合でも、健康に問題のない場合がほとんどです。ただ一方で、気管にかかわる病気にかかっていることが原因でむせってしまっていることもあります。見分けるポイントは、わんこがむせるタイミングが水を飲んだ後だけか、他の時にもむせたり咳き込んだりすることがあるか、というところです。後者の場合は病気を疑い、動物病院に相談してみることをおすすめします。
気管支炎
ウイルスや細菌に感染することで、気管支に炎症を起こす病気です。犬では通称「ケンネルコフ」と呼ばれる、イヌ伝染性喉頭気管炎が特に知られています。
しつこい空咳が特徴で、嘔吐するような仕草をすることもあります。重症化すると、発熱や食欲不振、のど周辺の痛みも現れます。診断された場合には、内科療法や吸引療法で治療を行い、安静を保つようにします。
対策としては、寄生虫感染に注意を払うことです。
気管支狭窄
内側または外側からの圧迫や、異物を飲み込んだことで、気管が狭くなっている状態をいいます。咳とあわせて、ゼーゼーという呼吸音やいびきを伴うこともあります。
診断された場合には、異物を飲み込んでいる場合には異物を取り除き、別の疾患による腫瘍等が圧迫している場合にはその疾患の治療を行うことになります。
対策としては、異物を飲み込まないように注意を払うことです。また、散歩の際にリードを強く引きすぎて気管を圧迫してしまうことがないよう、リーダーウォークのしつけや、引っぱりが強いわんこには引っぱり抑止ハーネスなどを使用するのも良いでしょう。
気管虚脱
遺伝的な原因や肥満・高齢のために気管が押しつぶされ、呼吸が苦しくなる病気です。特に小型犬や短吻種に多く、夏場の暑い時期に症状が出やすいのが特徴です。
呼吸が苦しそうなそぶりをするだけで、咳は出ない場合もあります。診断された場合には、内科療法や酸素吸入、外科手術などの治療を行いますが、再発も多い病気です。
遺伝的要因も大きいため対策は難しいですが、肥満が原因で引き起こされる場合も多く、特に短吻種の犬は太らせすぎないことが大切です。また、特にシニア犬で注意が必要ですが、夏場の暑い季節には冷房を使用したりしてすごしやすい環境をつくってあげることが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ご紹介してきたように、わんこが水にむせていても多くの場合は心配ありませんが、そうはいってもむせるのは苦しいですし、飼い主さんも心配になってしまうものです。水分補給は、わんこにとっても非常に重要です。
わんこがなるべく快適においしく水を飲めるよう、飼い主さんができる限りの対策はとってあげたいですね。