犬の「般化」ってなに?その重要性と絶対役立つトレーニング方法

犬の「般化」ってなに?その重要性と絶対役立つトレーニング方法

犬のしつけやトレーニングに興味のあって「般化」についてご存じの方もいるかもしれませんが、一般的にはあまりメジャーではないと思います。「般化」は犬のトレーニングで用いられる用語で一見むずかしそうに感じられますが、実は多くの飼い主さんが実感したことのある困った問題につながるとても身近なものなのです。

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犬の般化とは?

首をかしげるノーフォークテリア

さて、突然ですがテストです!

あなたの愛犬は『おすわり』ができますか?できるという方は、家でも外でもできますか?他の犬とドッグランで遊んでいる最中でもできますか?目を合わさず背中を向けた状態で指示を出してもきちんとおすわりすることができますか?

これらができている場合はおすわりの『般化』がされている、と言っていいと思います。犬のトレーニングにおける般化というのは、ある特定の状況下においてトレーニングされて覚えたことを他の状況でも変わらずできるようにすることを言います。

「家ではおすわりや待てができるけど外ではできない」「お母さんの言うことは子供の指示には従わない」という話をよく聞きますが、これは般化ができていないということになります。犬はその場の状況を非常に細かく分けて覚えており(これを「弁別」と言います)、社会化などにおいてもさまざまな人、物、音などに慣らす般化が重要になるのです。

犬の般化の重要性について

アイコンタクトを取る茶×白の犬

社会化はもちろん、おすわりや待て、呼び戻しなどといった犬の基本的なオビディエンストレーニングにおいても般化というのはとても重要です。おすわりや待て、呼び戻しなどを犬に教えるのは外に出た時に人に迷惑をかけないためや犬自身の身を守るためだと思います。

しかし、般化ができておらずこれらの指示に従うことができるのが「家の中だけ」や「飼い主とふたりきり」など限られた状況下に限定されているようでは非常にもったいないと思います。どのような場所でも、どのような状況でもきちんと同じように指示に従えるように般化されていれば非常にコントロールしやすく、飼い主と一緒に色々なところにお出かけや旅行などすることもできます。

基本的にしつけやトレーニングの成果が必要とされるのは、他の犬や人がいるような場面や犬が落ち着かない状況、突発的なトラブルが起きた時などが多いと思います。例えば散歩中にリードが外れてしまってすぐに呼び戻したい、他の犬とすれ違うとき興奮して吠えかかりそうになったのでおすわり待てをさせてやり過ごしたい、など。そういった緊急時などにきちんと指示を聞けるようにするには日頃からあらゆる状況下でトレーニングを行って般化をしておく必要があるのです。

やってみよう!犬の般化トレーニング

おすわりする白柴とふせをする黒柴

どんな状況でも、誰に指示でもその行動を実行できるようにすることが犬の般化トレーニングです。ここでは『おすわり』を例にして般化を進めるトレーニングの方法を紹介したいと思います。

場所への般化

まずは家の中でおすわりの指示に従えるようになったら、いつも練習している部屋とは違う場所で練習してみましょう。次にベランダや玄関など普段はあまりトレーニングに使用しない場所で練習します。家中どこでも完璧におすわりができるようになったら、外に出て散歩中にも色々な場所で練習してみましょう。いつも行く公園などまずは犬が慣れている場所からはじめ、最終的に駅前や商店街などの人込み、初めて行く場所など犬が落ち着かない場所でも練習してみるといいでしょう。

人への般化

いつも犬のトレーニングをしている人や散歩やごはんなどのお世話をしている人の指示には従いやすいと思います。そういった人がお座りの指示を出してきちんとできるようになったら、家族内であれば小さな子供やおじいちゃん、おばあちゃんなどにおすわりの指示を出してもらうようにしたり、近所の人や公園で会う散歩仲間、宅配便の配達員さんなど犬が出会うさまざまなタイプの人とトレーニングができれば般化はさらに進みます。

状況への般化

あらゆる状況でおすわりの指示を聞くことができるように指示を出すときの声色や姿勢などを変えることも般化を進める効果的なトレーニング方法です。具体的にはものすごく低い声や聞き取れないほど小さな声で指示を出したり、犬に背を向けたり寝そべってみたり。犬のトレーニングというとどうしても犬と向き合うか横に立っている状態になることが多いですが、より実践に近づけるために「トレーニング中」ということを意識させないように工夫することもおすすめです。料理をしながらやテレビを見ながら、掃除機をかけながら…日常生活にトレーニングを組み込むといいと思います。

まとめ

指示を出す女性と犬のシルエット

ここまで犬の般化について説明してきましたが、実は犬は般化が大の苦手。状況の変化や細かな違いを見分けること=弁別がとても得意な分、人間からすると「どうして急にできなくなっちゃったの!?」と思うような些細な変化にもうまく対応できないことがあるのです。

そのためトレーニング中に般化を行うときは考えられるありとあらゆる状況を想定して試してみるようにし、さまざまな環境下で指示に従うことができるようにしておくようにしましょう。般化トレーニングの際は、初めて行う状況下で成功したら大げさなほどにすごくほめてあげるようにし、できなかった場合には一段階戻るイメージで分かりやすく簡単な状況で指示を出し直して成功させてあげるようにしましょう。

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