高齢者が犬を飼うのはいいこと?
犬が好きな人ならば、若くても年を取っていても犬と一緒に暮らしたい気持ちは変わりません。
高齢者が犬を飼うと良い効果があるということがわかってきています。
犬は癒やしや、気持ちの変化など様々な効果をもたらしてくれます。
しかし、犬と住むメリットもありますがデメリットもあります。
そして高齢者が犬を飼うということは簡単に考えてしまうものではありません。
メリットもデメリットも理解したうえで犬を迎えるかどうかを考えてみてください。
メリット
生活にメリハリがつく
生き物はちゃんと飼い主さんが世話をしてあげなくてはいけません。
餌はもちろん、トイレや散歩、遊びなどが必要です。
犬のために規則正しい生活をすることで飼い主さんの生活も整えることができます。
あまり体を動かさなかった人も世話をするためには動かなければならないので、生活にメリハリがでます。
また犬の世話をするということで責任感が出たり、必要とされていると思うことを自覚したりすることができるようになります。
家族や知人との会話が増える
犬がいると家族や知人との会話が増えたように感じる方が多いようです。
犬のしつけを相談したり、おもしろい行動を報告したり、愛犬の自慢をしたり……話題が増えますよね。
高齢になるにつれて人とのコミュニケーションが減少傾向にあるので、犬を通して他人とのコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
また、一人ぐらいの方だとペットに話しかけたり、反応を貰ったりすることも日々の生活を豊かにする効果があります。
アニマルセラピーの効果が期待できる
犬との生活は大変なこともありますが、ポジティブな要素も多くあります。
犬が高齢者の健康に良い影響を与えることは欧米ではよく知られています。
日本でも老人ホームなどに犬を派遣して、触れ合う機会が持てるようにする試みも行われています。
犬と目を合わせたり、なでたりすることで「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌されリラックスすることができます。
その結果、抑うつ状態や認知症の改善、血圧やコレステロール値の低下、心臓病の進行が遅れる、などの効果が出ることがあります。
デメリット
犬の世話ができなくなる
高齢になると若い頃よりも体調を崩すことが多くなります。
飼い主さんが病気などで入院したり、家を留守にする場合に犬の世話ができなくなることがあります。
特に一人暮らしの高齢者は他に任せられる人がいない場合が多く、問題になっています。
周りがペットの存在を知らなかった場合、飼い主さんが長期間留守にしている間世話をしてもらえず、最悪の結果になることもあります。
また体力が衰え、犬の世話ができなくなり手放す人もいます。
犬より先に亡くなる
犬は人間よりも早く年を取りますが、高齢になってから犬を飼うと犬よりも先に飼い主さんが亡くなってしまうことがあります。
飼い主さんが亡くなってしまった場合、誰かが里親を探してあげなくてはいけません。
また、そういった行動を起こしてくれる人がいればいいのですが、扱いに困って保健所に引き渡すケースも少なくはありません。
ペットロスの影響を受ける
家族の一員としてかわいがっていた犬を亡くした時の悲しみは深いですよね。
喪失感から体調を崩したり、精神的に参ってしまう「ペットロス」という状態に陥ってしまいます。
日常のあらゆることに気力がわかず、食欲が落ちたり、極度に感情的になったり、犬に対する後悔などが頭に浮かんで離れない、などといった症状が出てきます。
若い人であれば体力に余裕がありますが、高齢になるとペットロスがすぐに体調の悪化に直結してまうことが多く飼い主さんの体も心も弱ってしまいます。
高齢者が犬を飼う時に考えておくべきこと
10年後を考える
高齢者が犬を飼うことも増えていますが、「今」飼えるだけではなく「10年後」も飼えるかどうかを考える必要があります。
犬も同じように年を取ります。場合によっては介護をする必要があるかもしれません。
今は平気かもしれませんが、10年後の飼い主さんの年齢も考えて犬を迎えるかどうか判断してください。
周りの人にも協力してもらう
万が一のことを考えて、犬を飼っていることを周りにも伝えておきましょう。
そのときにできれば協力者となってくれる人を見つけると良いですね。
犬友を作っておくのも良いかもしれません。
飼い主さんに万が一のことがあった場合に、犬の存在を知っていると最悪の事態は防ぐことができます。
ペットシッターやホテルを見つける
数日間留守にする場合、預け先がないと困りますよね。
ペットホテル、またはペットシッターなどを見つけておくと便利です。
ちょっとしたときにお願いできる場所を見つけておくと安心して出かけられます。
地域によっては高齢者のペット飼育支援を行っているところもあるので、一度役所や動物病院で聞いてみてください。
まとめ
高齢者にとって、犬を飼うことは健康面や精神面へのメリットがあります。
しかしその一方で、体力的な衰えや万が一を見据えた備え、周囲のサポートも必要となりそうです。
メリットだけに目を向けるのではなく、自分は犬を飼える環境にあるのか、もしも自分の身に万が一のことが起こった時に頼れる人はいるのかなど、冷静に判断してみましょう。