乾燥する冬の時期に増える「静電気」。ふとした時にバチっとしてびっくりする上に痛いですよね…人によっては静電気が怖くて何を触るにも神経質になるという人もいるのではないでしょうか。そんなやっかいな静電気ですが、犬を触った時に起きることがありませんか?また犬自身も洋服やカーペットなどに触れる時に静電気を感じていることがあります。この静電気、犬にとってはどういった存在なのでしょうか。犬に静電気が与える影響や予防策をご紹介します。
犬と静電気
静電気って?
静電気とはいったいどういったものなのでしょうか。簡単にその仕組みをご説明します。あらゆる物体は帯電、つまり電気を帯びています。これは人間や犬はもちろん、地球上に存在するあらゆる物質において同じ事がいえます。この帯電している静電気は通常、空気中の水分や体の汗を伝って放電されたり、物体同士が接触すること放電されます。
夏場も帯電していますが、湿っている空気中では放電されるため、接触することで静電気を感じることは少ないと考えられます。逆に乾燥していて水分が少ないような冬場には帯電が多くなるため、少し接触や摩擦で大きな静電気が流れバチっと感じてしまうのです。
犬への影響
人間にとっては驚きや痛みを感じたり、頻繁に発生することでストレスにもなり得る静電気ですが、犬にとってはどうでしょうか。犬ももちろん静電気が起きると驚きや痛みを感じています。人間と同じようにストレスに感じている犬もいることでしょう。
しかし、気にしておきたいのはこれらの不快感やストレス以外にも、犬の体に悪影響を及ぼす可能性があるということです。
犬に静電気が与える悪影響
静電気は次のような悪影響を犬に与える可能性があります。
1.血糖値の上昇
体内に静電気を溜めると血糖値が上昇するといわれています。これは人間も同様ですが、血糖値があがると疲れやすくなるといわれていますので、多く帯電することは体へ影響があるといえます。
2.肌トラブルへの発展
乾燥している冬場は皮膚のバリア機能が低下します。そのためそもそも冬は皮膚トラブルが起きやすい傾向にあります。犬に肌は被毛で覆われている反面、皮膚自体はデリケートにできています。そのため冬場の静電気によって引き寄せられた埃やダニ、花粉などのハウスダストの影響を強く受けてしまいます。結果としてアレルギーや皮膚病へ発展する可能性があるのです。
3.呼吸器系トラブルの発生
静電気によって引き寄せられるのはハウスダストなどの物質だけではありません。ハウスダストや、それよりもさらに細かいような粒子が静電気によって引き寄せらます。犬がそれらを吸い込むことによって、咳や気管支炎とった呼吸器系のトラブルへと発展する可能性があるのです。
静電気の予防策
不快感だけでなく、犬の健康にも関係してくる可能性がある静電気。予防策として次のことが挙げられます。
- 加湿する
- 布製品を見直す
- 静電気を逃すスプレーの使用
静電気の予防に有効なのは、まずは「加湿」です。静電気が発生するのは「湿度20%以下、温度25℃以下」だといわれています。部屋の湿度をあげるだけで、多くの静電気を防ぐことができます。加湿器を使用したり、部屋に濡れタオルを干しておくだけでも効果があります。
2つ目の予防策として、洋服やカーペット、布団などの「布製品の素材を見直す」ことです。コットンやウールといった天然繊維よりも、アクリルやポリエステルといった合成繊維ほど静電気が起こりやすいといわれています。これらの素材を見直すことも一つの対策になります。また、合成繊維の場合でも、柔軟剤を使用することで静電気を軽減できるといわれています。
その他にも布製品や犬の被毛にたまっている「静電気を逃す効果のあるスプレー」が販売されています。犬の被毛にかけることができるものも市販されているため、これらを上手に使ってみるのもいいかもしれません。
まとめ
人によっては冬場の静電気が大きなストレスという方もいるかもしれません。実際、静電気除去シールやスプレーといった製品が人気なのだとか。飼い主さんが愛犬に触れることで静電気が発生する場合、ハンドクリームを付けることでも静電気を防いでくれます。乾燥する時期には静電気が発生しない状況を作っていけるといいですね。