世界一のカリスマドッグトレーナー「シーザー・ミラン」
アメリカのプロのドッグトレーナー「シーザー・ミラン」氏。カリスマとも呼ばれる彼はこれまでにさまざまな問題を抱えた飼い主と犬をトレーニングしてきました。シーザー・ミラン氏は、犬の問題行動は飼い主が主原因だといいます。トレーニングが必要なのは犬だけではなく飼い主である人間も同じなのです。
犬との生活で必要なことは『明確なルール・境界・制限を設け、犬が穏やかで従順である時に愛情を与える』ことなのだそう。これらを実践することでシーザー・ミラン氏のトレーニングは進みます。
また、シーザー・ミラン氏のトレーニング方法の基本は「群れの力」。犬の群れには「リーダー」と「従うもの」の2つの役割が存在します。飼い主がこのリーダーとならなかった時に、さまざまな問題が発生しているのだといいます。犬に愛情を注ぐことだけでリーダーになれるわけではありません。犬を犬として扱い、飼い主が「落ち着いて毅然とした態度(calm-assertive energy)」でいるべきなのだと、シーザー・ミラン氏は言います。
今回はそんなシーザー・ミラン氏が説く犬のしつけについて、3つのポイントをご紹介します。
シーザー・ミランの犬のしつけ方とは?
まず、犬のしつけを行う際に重要となってくるのが「犬の情緒」が安定していること。そのためには次の3つのポイントが重要なのだといいます。
- 1.運動(散歩、遊び、仕事)
- 2.規律(ルール、境界、制限)
- 3.愛情
シーザー・ミラン氏のしつけでは、これらを1、2、3の順番で与えます。 これらのどれか一つでも欠けていたり、与える順番が異なっている場合、しつけはうまくいかないといいます。
例えば3の愛情を一番に与えるというケースが、よくあるうまくいかないパターンではないでしょうか。愛情のみ与えてしまうことで、飼い主が不在の際に情緒が不安定になるというのはよく聞きますよね。また、1の運動が足りていないケースも多々見られます。
「しつけ」というと、「人間社会でのルールを守らせるもの」というのが目的となりがちですが、しつけとは「愛犬を幸せにするもの」となるべきなのです。そのためにも、根底に「情緒の安定」が存在するというのは、とても大切な視点なのかもしれません。
シーザー・ミランの犬の飼育について
犬を飼育する際の愛犬の選び方として、シーザー・ミラン氏は次のように伝えています。
- 自分とエネルギーレベルが同じか低め
- 自分のライフスタイルに合っている
これらを実現するためには、その犬が成犬となった時にどれくらいのエネルギーを持っており、どういった行動パターンが望ましいのか、事前にしっかりと知る必要があります。犬を飼育する前には、必ず確認するようにしましょう。飼育する犬を幸せにするためには、飼い主自身のゆとりと情緒の安定も必要なのです。
また、シーザー・ミラン氏は「シェルターから犬を引き取ること」について、次のように言います。
メリットなら6億個くらいありますよ。捨てられた犬の総数が世界にそれだけいるのですから。シェルターから1匹の成犬を引き取れば、必要とされていない犬が1匹減り、一つの生命が救われます。気にとめておいてほしいのは、シェルターにいる犬のほとんどは、犬が原因で入れられているわけではないことです。多くの場合、飼い主が犬の面倒を見るという自らの義務を果たせなくなってしまったか、犬の行動をコントロールする術を身につけられなかったかのいずれかなのです。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/360768/052000003/?P=1
「障害のある犬を引き取ること」については、次のように語っています。
犬はそのことを自覚しないのです。子犬と同じように能力もあるし、かわいらしいのです。実際、飼い主の性格によっては、年をとった犬や障害のある犬を引き取るのが一番適しているケースがあります。しかし、現実にはそういう犬が引き取ってもらえる可能性はとても低いのです。もしあなたが本当に、捨てられた犬に手を差し伸べたいと思うのであれば、そうした犬に目を向けるべきです。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/360768/052000003/?P=1
シーザー・ミラン氏の言葉は、犬を飼育することや、人間と犬との関わり方を考えさせられるものではないでしょうか。
まとめ
- 1.運動(散歩、遊び、仕事)
- 2.規律(ルール、境界、制限)
- 3.愛情
シーザー・ミラン氏のしつけの3つのポイント。これらを順番に与えること。どれか欠けていても、順番が違ってもしつけはうまくいかないということが分かりました。今回ご紹介したのは、大きな視点でのポイントですが、どんなしつけだとしてもこの基本原則が根底に意識しておきたいですよね。
シーザー・ミラン氏のしつけに興味がある方は、日本でもいくつか書籍が販売されているため、ぜひチェックしてみてくださいね。犬の問題行動は犬ではなく飼い主に問題があるのだという点も忘れずにおきたいものです。
ユーザーのコメント
40代 女性 SUSU
私自身も生後2ヶ月のパピーの時期に愛犬を迎えた際に番組を見たり本を読んだこともあります。飼い主は犬のリーダーにならなければならない、犬はリーダー不在の群れで過ごすことに不安を覚えてしまい問題行動を起こすようになる、といった所謂リーダー論は日本でも昔から言われていたことであり、今でもこの考え方が一般的だと思います。
ただ、犬と暮らして10年になりますが、個人的な意見としてはこのリーダーという言葉の捉え方が少し違うのかなといった印象を持っています。
記事にあるシーザーミランさんが掲げている3つのポイントですが、確かにどれもとても大切な世要素だと思います。ただ、愛犬と接する中で感じたことや、他のお友達のワンコの話を聞いていても、順番は少し違うかな~といった思いを持っています。
人間の子供が成長していく段階においても、この3つは大切な要素だと思いますが、その場合、最も大切なことは3つめの愛情だと思います。親の愛情の元で活発に遊んだり運動しながら育ち、愛情があるからこそ社会の仕組みやルールをしつけを通して教えていくのだと思います。
時に厳しく怒られることがあっても、愛情を感じているからこそ受け入れてくれることだと思うのです。
子供と犬はそもそもが違うという考えの人もたくさんいると思いますが、愛犬や私の周りのワンコ達の話を聞いていると、犬にも感情やプライドがあり、家族という認識を持っている社会性の高い動物なんだと感じることがたくさんあります。であるならば、犬に対しても子供と同じように、1つ屋根の下で暮らす同じ家族と捉え、家族の一員として接することで良いのではと思っています。リーダーというととても強い印象を持ちますが、家族の大黒柱、お父さんのような位置で良いのかなという考えです。
犬には犬の世界があり、犬の生態は尊重すべきだと思いますが、接し方、関係の取り方は同じでいいのかなと思うのです。
ワンコそれぞれの性格や気質もあり、全ての子に合う方法はないのかもしれません。愛犬にはこの考え方、接し方が合っていたようで、リーダー論を適用していた頃よりもスムーズに意思疎通が出来るようになったと思っています。イライラしたり外の物音にいきなり吠えることも少なくなり、我が家としてはとても快適に過ごせるようになりました。
色々な考え方があると思いますが、子育てと同じようにその子それぞれに適した接し方を見つけていくことが正しい方法なのかなと思っています。