犬にとってのアイコンタクト
愛犬とのアイコンタクトは、しつけをする上での基礎だといわれています。アイコンタクトとは、その名の通り「目と目を合わせること」。
本来、野生で暮らす動物にとって、目と目を合わせることは攻撃行動につながるものです。しかし、家庭犬にとって、飼い主さんとのアイコンタクトは意思伝達で使うものになります。このアイコンタクトを通して、犬と飼い主さんとの信頼関係を深めることができるのです。逆にいうと、アイコンタクトができない犬と飼い主さんには信頼関係が足りないことが考えられます。
アイコンタクトをとる重要性
次にアイコンタクトをとる重要性を考えてみましょう。
アイコンタクトをとることで、犬は飼い主さんとの意思伝達を図るとお伝えしましたが、このアイコンタクトができると犬を「事故」や「アクシデント」から遠ざけることができます。拾い食いや道路への飛び出し、他の人や犬への攻撃などに対しても、アイコンタクトが取れていれば避けることができます。
また、アイコンタクトをするということは、飼い主との上下関係を明確にさせる意味も持っています。犬は自分のリーダーに「注目」をします。様々なタイミングでアイコンタクトをすることで、犬は飼い主さんに注目し、リーダーであることを認識していくのです。犬とアイコンタクトをするということは、生活をする上ですべての基礎となるのです。
アイコンタクトを身につける手順
アイコンタクトは犬との生活の基礎であることがわかりました。次に実際にアイコンタクトを身につける方法をご紹介します。
1.自分の名前を認識させる
まずはいきなりアイコンタクトを始めるのではなく、犬に「自分の名前を認識させ、その名前に反応させる」ことが必要になります。名前を認識させるためにも、ご飯やおやつ、散歩などの犬が喜ぶことの前に名前を呼びましょう。犬はそれが名前であるということはわかりませんが、「この言葉が発されたら嬉しいことがある」ということは認識することができます。そうやって特定の言葉で呼びかけることで、自分の名前に反応できるようになります。
2.アイコンタクトを覚えさせる
名前に反応するようになったら、犬の名前を突然呼びます。その際に犬が反応して飼い主さんの目を見たら、ご褒美をあげながら褒めましょう。「名前を呼ばれたら飼い主さんの顔を見る」。これがアイコンタクトの基本です。
なお、名前を呼んでもアイコンタクトをせずに、落ち着きがなく視線が定まらない場合には、何度も名前を呼ばないようにします。大きな声で何度も繰り返し名前を連呼してしまうと、叱られていると勘違いしてしまう可能性があります。
3.状況を変えてアイコンタクトをさせる
名前を呼んでアイコンタクトをする練習を状況を変えて何度も繰り返します。おやつに気を取られているタイミング、散歩中、おもちゃで遊んでいる時、他の人がいる時など、さまざまな状況で犬の名前を呼びます。どの場面でも目を合わせることができたタイミングでご褒美を与えながら、たっぷりと褒めましょう。
初めのうちはご褒美としておやつを与えるのが有効ですが、最終的には褒め言葉がご褒美となるように、おやつと同時にたっぷりと褒め言葉をかけることが大切です。おやつを与える回数は徐々に減らし、あげたりあげなかったりというように変化を付けてみましょう。犬は次はもらえるかもしれないという期待を持たせることも重要です。
最終的にはどんな場面でも、名前を呼ばれたら動きを止めて飼い主さんとアイコンタクトできるののがゴールです。
まとめ
愛犬とのアイコンタクトは、コミュニケーションにおいてとても大切なものです。ぜひ覚えたいアイコンタクトですが、犬の集中力は15分ほどだといわれています。どんなトレーニングの時もだらだらと行うのではなく、メリハリをつけて15分以内で切り上げるようにしましょう。
犬にも様々な性格の子がいます。犬に合ったペースを大切に、楽しんでトレーニングしてくださいね。
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女性 匿名