犬が人を怖がる理由とは?
犬の社会化ができていない
犬は、仔犬の頃に母犬や兄弟姉妹と共に過ごすことで犬社会を学びます。他の犬との接し方やコミュニケーションを学ぶのです。
あまりにも早い時期に親兄弟と離れてしまうと、犬社会を知らず、コミュニケーションのとり方を知らず、どうして良いかわからないのです。
早い時期に母犬や兄弟姉妹と離れた
とても早い時期に母犬や兄弟姉妹と離されてしまったことにより、他の犬と接する機会が減ってしまったり、犬社会のルールを学ぶことがないまま人と暮らすことになってしまったりなどし、他の犬を怖がったりコミュニケーションをとれなくなってしまうことがあります。他の犬とどのように接したら良いのかわからないのです。
仔犬の頃に家族以外の人と接しなかったから
人を怖がる犬の場合も同じようなことが考えられます。仔犬の頃に家族以外の人と接する機会が少なかった犬は、家族以外の人に対して警戒しやすくなってしまいます。
室内で過ごしてばかりいた
さらに、仔犬の頃に室内で過ごしてばかりいた犬は、お散歩の際に擦れ違う人や外出先で出会う人に対して、吠えたり噛みついたりなどしてしまうこともあります。
子犬の頃の環境が大切
仔犬の頃の環境や経験がとても大切なのです。他の犬や動物、家族以外の人とも上手に接することができるよう、仔犬のうちにたくさんのことを経験させてあげてください。
犬が何か恐ろしい経験をしたのかも…
人を怖がる理由として、仔犬の頃または成犬になってから、何か人から恐ろしい経験をさせられた可能性も考えられます。
仔犬の頃に受けた虐待によって、飼い主さんでさえも怖がってしまう犬もいます。仔犬の頃に男性によって虐待を受け、男性にだけ吠えて威嚇してしまう犬もいます。
筆者の実体験
うちのミックス犬は元飼い主さんに捨てられ1ヶ月以上も放浪していた犬でした。放浪先では“こっちへ来るな!”と石を投げつけられたり追い回されたりしていたそうです。
うちへ来た頃はお散歩もできず、おトイレを済ませたら逃げるように家で帰っていました。今でも家族以外の人が近づくと威嚇してしまいますが、うちに来てからもうすぐ5年、家族以外にも触れることができる人が一人だけですができました。
人から与えられた恐怖は一生消えることがないのかもしれませんが、少しずつ信頼を取り戻すことは可能だと思います。
人を怖がらない犬にするためには?
先にもお話したのですが、仔犬の頃の環境や経験がとても重要なのだと思います。犬社会を学ぶために親兄弟と過ごす時間をしっかり与えてあげてください。
犬が小さなころから犬や人に触れ合う
お散歩のときに擦れ違う犬や飼い主さんとコミュニケーションをとることで、他の犬や人との接し方を学ぶこともできますし、犬友達もできて楽しいと思います。
もちろん急に近づけたりせず、少しずつ仲良くなれると良いですよね。ワクチンの接種が済めばドッグランにも行けますし、たくさんの犬や人と接することができて良い機会だと思います。
人や犬を怖がる成犬に対しては?
これも先にお話しましたが、うちのミックス犬についてです。人を怖がり、車を怖がり、他の犬や動物を怖がり、私以外の家族を怖がり、お散歩に出ても自宅の前でおトイレを済ませたら逃げるように家へ帰る。そんな状態でこれからどうしたら良いのかとても悩みました。
少しずつ慣れさせる
いきなり人と接するのではなく、環境に慣れてもらうため、少しずつ少しずつ、お散歩の距離をのばしていきました。
まずは自宅から2分の公園、次は自宅から5分の公園、次は自宅から20分の海。車や人に怯えて途中で引き返すこともありました。擦れ違っただけの人に対して吠えてしまい、逆に相手を怖がらせてしまったこともありました。
そんなことを毎日繰り返しながらもうすぐ5年が経ちますが、今では自由に好きな場所へお散歩に行くことができるようになりました。家族以外の人や犬とは全く触れ合えませんが、それでも少しずつ克服することができています。
無理に慣れさせようとしない
もし、同じように悩まれている方がいらっしゃるのであれば、決して叱ることなく、無理強いさせることなく、愛犬と一緒に少しずつ克服していって欲しいなと思います。まずは、なぜ人を怖がるようになってしまったのかを理解してあげられると良いですね。
まとめ
犬と人はとても深い絆で結ばれていると思います。人を嫌いな犬はいません。人を怖がるようになってしまった原因が必ずあります。
人を怖がる犬になってしまわないために、仔犬の頃の環境や経験を大事にしてあげてください。人を怖がるようになってしまう原因は人にあると思います。
信頼を取り戻すことができれば、また人を好きになってくれるのではないでしょうか。