犬の筋肉について
- 胸筋(きょうきん)
- 広背筋(こうはいきん)
- 臀筋(でんきん)
犬などの動物や、私たち人の筋肉には、それぞれの進化に合わせた特徴的な発達がみられます。人間は直立二足歩行になったことで物を持ち、作業をすることが、できるようになりました。
しかし、器用さと同時に四足歩行で歩いていた頃の筋肉の強靭さは失ったとも言えるでしょう。
それに比べて犬は四足歩行ですから前肢を大地にしっかりとつけて、体を支えるための胸筋(きょうきん)や獲物を追いかけるために速く走る広背筋(こうはいきん)、お尻の筋肉である臀筋(でんきん)などが良く発達しています。
ちなみに同じペットとしてよく飼われる猫は獲物を見つけたら一瞬で飛びかかる瞬発力が売りなのに対し、犬の場合は獲物を長時間追いかけて捕らえるというふうなタイプです。
つまり犬にとって走ったりするための筋肉が維持されていることは生きることそのものに繋がっているとも言えるのです。
犬の筋肉が老化したときに見える兆候
- 活発に動かなくなる
- 内臓機能の衰えや肥満
- 歩くことを嫌がる
- つまずく
- 伏せ、お座り、立ち上がりなどが難しくなる
- 散歩中の段差を越えられない
犬が年を取ることで見える筋肉低下の兆候としては、まず老化が進むことで犬は活発に動かなくなることがあります。こうなると動かないということで犬が筋肉をあまり使わず筋力の低下が進み、寝たきりになることもあるのです。
また、犬が筋肉を使わなくなる事で内臓機能の衰えや肥満などにも繋がります。他にも歩くことを嫌がる、つまずく、伏せ、お座り、立ち上がりなどが難しくなる、散歩中の段差を越えられないなどの面も見られるようです。
こうなってくると飼い主としてついしてしまいがちなのが、疲れてしまうのでいつも抱っこして歩く、散歩に行かずそのままにすることが多くなるなどです。
確かに老犬は疲れやすいですから、無理に歩かせるのは何だか可哀そうな気もします。寝たきりなどの予防のために、犬には筋肉をなるべく使うよう運動をすることは大切なのです。
犬の筋肉維持のためには運動がいちばん
- ゆっくりとしたペースで歩くこと
- 散歩の時間を短時間にする
- 寝具などふかふかした場所で犬にバランスを取らせ体幹を鍛える
- おもちゃ・おやつを探させる
散歩や運動は犬にとって本来楽しいものですが、老犬になると人間と同じで若い頃のように激しく筋肉を使う運動は犬の体にとって負担をかけてしまうこともあります。さらに運動したり歩くことで、筋肉質になりますので痩せやすく太りにくい体質になります。
老犬の場合
老犬の場合、激しく筋肉を使う運動は怪我もしやすいためその点にも注意して行わなければならないでしょう。運動不足解消のため、犬に筋肉を使わせ思わず運動したくなるような工夫をしてあげることも大切です。例えば散歩は犬の運動にはとても良いものですが老犬の場合ゆっくりとしたペースで歩くことが大切です。時間を短時間にしてもよいでしょう。
また、散歩以外にも布団やタオル、毛布などを使用した室内での運動もできます。これらの寝具は少しふかふかした状態にしておいて、犬がバランスを取って自ら筋肉を使う状態を作るというのが目的です。布団の上に枕やクッションなどを置いて犬に歩かせることによって体幹を鍛えることもできます。
その他犬の筋肉を使わせる方法
老犬以外でも布団の中のおもちゃを探したり潜ったり、おやつを探したりと筋肉を使わせ犬のストレス解消と運動、そして飼い主とのコミュニケーションも取ることができる方法です。
犬の筋肉維持には食事への配慮も
- 肉や魚など高品質のたんぱく質
- 低カロリーや脂肪分の少ない食事
- サプリメントを使う
老犬の筋肉の維持には運動も大切ですが、食事の栄養も非常に重要です。まず筋肉維持に必要なのが高品質のたんぱく質です。
タンパク質をとるために
これには肉や魚などを摂取することが大切になってくるでしょう。(しかし過剰になることには注意してください)
脂肪を適度に取る
更に老犬の場合、肥満防止や食欲の問題もあって低カロリーや脂肪分の少ない食事になることもありますが、脂肪も過剰に摂取しすぎなければ必要なものです。
サプリメントの利用
犬の筋肉維持のため、過剰摂取しすぎず、減らしすぎずバランスの良い食事を与えてあげるようにしましょう。またサプリメントでも犬用グルコサミンのように栄養を補助する物があるようです。
犬の筋肉維持についてのまとめ
- 犬の老化が進むと活発に動かなくなる
- 筋肉を使わないと内臓機能の衰えや肥満、寝たきりの原因になる
- 犬の筋肉を使わせる為に運動させる事が大事
- 老犬を運動させるときは体の負担にならないよう気をつける
- 散歩の時間を短くする
- ゆっくりとしたペースで歩かせる
- 犬の筋肉維持には肉や魚など高品質のたんぱく質を与えるなど食事でケアする事も大事
いかがでしたか?犬には筋肉というものが生きていくにはとても大切な要素なのですね。
犬の筋力が落ちてくると、肥満や内臓機能の衰えから内臓の病気にかかる可能性がありますし、寝たきりの状態になってしまう可能性もあります。日頃から愛犬には筋肉を使ってもらうよう散歩やお部屋で遊ばせるなどしてコミュニケーションをとりつつ運動をしてもらいましょう。
運動と食事の両方に気を配りながら愛犬の筋肉維持も心がけ、健康で長生きさせてあげたいものですね。
ユーザーのコメント
30代 女性 komanu
「これが出来なくなってかわいそうだから」と愛犬を外に連れ出さなくなってしまったり、飼い主さんが全部やってあげていると、どんどんできないことが増えていってしまいます。その結果、飼い主さんが家を空けられず、愛犬の介護に付きっ切りになってしまうというパターンもよくあります。
私としましては「犬は犬らしく」です。
記事にもあるように、足を引きずっている→抱っこではなく、階段や砂利道を避けてゆっくり歩いてあげることや、筋力が落ちてきたら、足などをストレッチしてあげると、動物の筋力は驚くほど回復してくれる場合があります(病気やケガなどがあれば獣医師の支持の元行ってください)。
寝たきりの犬でも抱き上げ、外に出て風を感じたり土の匂いを嗅ぐだけで脳は活性化します。
老犬で寝たきりになると、老化のスピードは凄まじいです。また、「老犬介護は恩返し」という考え方があります。
食事や運動など、少しでも愛犬と一緒にいたい、愛犬に長生きして欲しいと思うなら、飼い主さんも愛犬への恩返しのつもりで行ってみて欲しいと感じる内容でした。