動物病院には初めてワンちゃんを飼った方がたくさんいらっしゃいます。
そこで私がいつもお話しさせていただいていることは、「人間とワンちゃんの違いを理解してあげてください」ということと、「ワンちゃんは病気を本能的に隠しますから、飼い主様が見つけてあげられるよう、いつもしっかりと見て上げてください」ということです。
まず人間とワンちゃんの違いですが、ワンちゃんとの生活の中ではっきりしているのが、「ものの考え方」と「食事」です。
人と犬はコミュニケーションの取り方が違う
もちろん人間とワンちゃんのものの考え方は全く違うのですが、みなさんついつい、人間と同じようにコミュニケーションをとりがちです。
しかし、それではうまくいかないため、初めて飼う方には、必ずドッグトレーナーさんのもとで、しつけ教室に通っていただくようお話ししています。
犬の食べ物は人とは違う
また、食事についても、栄養や安全性にこだわる方だと、ついつい自分と同じような食事を与えてしまいがちです。
しかし人間にとっては問題なくても、ワンちゃんで中毒を起こす食べ物もありますし、炭水化物やたんぱく質など必要な栄養素の組成も異なります。
しかも、栄養の問題はすぐ症状には現れず、数ヶ月経ってから問題になるため、なかなか気づきません。
ですので、ワンちゃんには基本的には安全なドッグフードを選んでいただくようお話ししています。
犬は具合が悪くても我慢してしまう
また、ワンちゃんは多少具合が悪くても症状は隠してしまいます。
そして症状が現れる頃には状態が悪くなっていることが多いため、なるべく早く気づいてあげることが大切です。
そのためには、普段からワンちゃんの様子を注意深く観察してあげたり、スキンシップをとってあげることが大切です。
犬を飼うと幸せになれる
どんな可愛く、従順なワンちゃんでも、上記のようなポイントをおさえないと、いろんな問題が出てしまいます。
しかし、慣れてくると全然問題なく過ごすことができますので、決して飼うことが難しい訳ではありません。
それどころかワンちゃんと過ごすことで、ほとんどの方は「オキシトシン」と呼ばれる幸せホルモンがたくさん分泌されることがわかっています。つまりワンちゃんを飼うことで多くの方は「幸福感」を得ることができるのです。
ワンちゃんは正しく飼えば、かけがえのないパートナーになります。そのためには、ただ「可愛い」という面を見るだけでなく、「生き物」を飼う上での必要な知識も身につけてあげてください。