犬の体に『マダニ』がつくとどんなリスクがある?

マダニは犬の皮膚に口器を刺し込み、長時間吸血することがあります。問題になるのは刺された部分だけではなく、マダニが病原体を媒介する可能性があることです。
皮膚に炎症が起こる
マダニに刺された部分では、赤みや腫れ、痒みなどの皮膚症状が起こることがあります。除去したあともしばらく、小さなしこりのようなものが残る場合も。
さらに、犬が気にして舐めたり掻いたりすると、皮膚を傷つけて炎症が悪化することもあります。赤みや腫れが強くなる、膿が出る、強く痒がるといった変化がある場合は、動物病院へ相談しましょう。
多数寄生すると貧血につながることがある
マダニは犬の血液を吸って成長するため、多数寄生した場合には貧血につながる可能性があります。健康な成犬に1匹ついただけで、吸血によって深刻な貧血になるケースは一般的ではありません。
一方、子犬や体の小さな犬、多数のマダニが寄生している犬では、影響が大きくなることがあります。歯茎が白っぽい、元気がない、ふらつくなどの変化がある場合は、早めに動物病院を受診してください。
感染症を媒介することがある
マダニでもっとも注意したいリスクのひとつが、吸血によって病原体を媒介することです。犬では、マダニが媒介する感染症として犬バベシア症などが知られています。
犬バベシア症では、発熱や元気・食欲の低下、貧血、黄疸、尿の色が濃くなるなどの症状が見られることがあります。重症化することもあるため、マダニに刺されたあとに体調の変化があれば、その事実も獣医師へ伝えましょう。
人へのリスクにも注意が必要
マダニは犬だけではなく、人を刺すこともあります。犬についていたマダニが生活環境へ持ち込まれれば、家族が刺される可能性もあります。
マダニが媒介する感染症のなかには、人で重い症状を起こすものもあるため、「犬だけの問題」と考えないことが大切です。犬についているマダニを素手で触ったり、指で潰したりするのは避けましょう。
マダニはどれぐらい危険なの?

「マダニが1匹ついていた=感染症にかかった」というわけではありません。実際のリスクは、マダニが病原体を持っているか、どの程度吸血していたか、犬が予防薬を使用しているかなどによって変わります。
特に、マダニ予防をしていない犬や、草むら・山林などへよく出かける犬では注意が必要です。子犬やシニア犬、持病のある犬なども、体調の変化を慎重に確認しましょう。マダニがついたあとに、次のような症状が見られる場合は動物病院へ相談してください。
- 発熱している
- 元気や食欲が低下している
- 歯茎が白っぽい
- 尿の色が濃い、いつもと違う
- ふらつく
- ぐったりしている
受診時には、「いつ頃マダニがついていたか」「どこへ散歩に行ったか」なども伝えると、診察の手がかりになります。
犬にマダニを見つけたときの対処法

犬の皮膚にマダニが食いついているのを発見しても、慌てて指で引っ張るのは避けましょう。吸血中のマダニは口器を皮膚へしっかり固定しています。無理に引き抜くと、一部が皮膚に残ったり、患部を傷つけたりする可能性があります。
また、マダニを指で強くつまんだり潰したりするのも避けてください。すでに大きく膨らんでいる場合、多数寄生している場合は、動物病院で処置してもらうのが安心です。
マダニを見つけた日時や、直前に散歩した場所も覚えておきましょう。すでに自然に取れていた場合でも、その後しばらくは食欲や元気、尿の色などに変化がないか確認してください。
まとめ

犬の体にマダニがついたからといって、必ず感染症を発症するわけではありません。しかし、皮膚炎や多数寄生による貧血、犬バベシア症などの感染症につながる可能性があります。
特に感染症は重症化するケースもあるため、「1匹だけだから」と軽視しないことが大切です。マダニを見つけたら、無理に引き抜いたり指で潰したりせず、安全な除去方法について動物病院へ相談しましょう。
また、マダニが取れたあとも、元気・食欲の低下や発熱、歯茎の色、尿の変化などに注意してください。日頃から適切なマダニ予防を行い、散歩後に愛犬の体を確認する習慣をつけることが、マダニによるトラブルを防ぐうえで重要です。



