犬に『銀杏』は危険なの?

犬に銀杏を積極的に与えることは避けましょう。銀杏の種子には「4'-O-メチルピリドキシン(ギンコトキシン)」と呼ばれる成分が含まれており、ビタミンB6の働きを妨げることで神経症状を引き起こす可能性があります。
どの程度食べれば症状が現れるかは一律ではなく、摂取量だけでなく犬の体格や健康状態などによっても影響が異なると考えられます。そのため、「1粒なら絶対に大丈夫」「○粒以上なら危険」と家庭で判断するのは避けたほうがよいでしょう。
また、銀杏を殻ごと飲み込んだ場合には、中毒だけでなく消化管内で閉塞を引き起こす可能性にも注意が必要です。少量の誤食でも、まずは動物病院へ連絡して指示を受けてください。
犬が銀杏を食べると起こりうる症状

銀杏を食べた犬では、嘔吐や下痢、よだれなどの消化器症状が見られることがあります。さらに、震えやふらつき、けいれんなどの神経症状が現れる可能性も。
誤食直後に普段通りに見えても、あとから症状が出ることがあるため油断できません。特に、次のような変化が見られた場合は注意が必要です。
- 何度も嘔吐する
- 体が震える
- ふらふらしてうまく歩けない
- ぐったりしている
- 落ち着きがなく明らかに様子がおかしい
- けいれんを起こす
このような症状がある場合は、自宅で長く様子を見ず、速やかに動物病院へ連絡してください。
散歩中に銀杏を拾い食いさせないための対策

銀杏によるトラブルを防ぐには、散歩中に犬が口へ入れないよう対策することが重要です。特に銀杏が多く落ちる時期には、足元を普段以上によく確認しましょう。
銀杏が多い場所を避ける
イチョウ並木や公園では、秋になると地面に大量の銀杏が落ちていることがあります。拾い食いをしやすい犬の場合は、銀杏が落ちている時期だけ散歩コースを変更するのもひとつの方法です。
どうしても通る必要があるときは、犬が地面のニオイを嗅いでいる間も足元と口元を確認しましょう。早朝や夜間など地面が見えにくい時間帯には、ライトを使って落下物を確認する方法もあります。
リードを適切な長さで持つ
銀杏が多く落ちている場所では、犬が自由に地面の物へ近づけるほどリードを長くしすぎないようにしましょう。飼い主が先に銀杏を発見できれば、口にする前に進路を変えることができます。
ただし、拾い食いを防ぐために常にリードを強く引き続ける必要はありません。危険な場所では距離を調整し、安全な場所ではニオイ嗅ぎなど犬らしい行動を楽しめるようにしましょう。
『離して』の練習をしておく
犬が何かをくわえたときに、「離して」「ちょうだい」などの合図で手放せるよう練習しておくとよいでしょう。普段は安全なおもちゃなどを使い、手放したらおやつや別のおもちゃと交換する方法があります。
無理やり口から取り上げようとすると、取られまいとして急いで飲み込んだり、飼い主を噛んだりする可能性があります。拾った物を手放すとよいことがあると、普段から少しずつ教えておきましょう。
必要に応じて拾い食い防止グッズを使う
拾い食いが頻繁で、トレーニングだけでは防ぎにくい犬では、拾い食い防止用のマズルガードなどを検討する方法もあります。使用する場合は、犬が口を開けて呼吸でき、水も飲めるタイプを選ぶことが大切です。
体格に合わない物や、口を閉じたままになるタイプを長時間使用すると負担になる場合があります。いきなり散歩で使うのではなく、室内で短時間から装着に慣らしていきましょう。
犬が銀杏を誤食した場合の応急処置

愛犬が銀杏を食べてしまった場合は、まず「いつ」「どのくらい」「どのような状態の銀杏を食べた可能性があるか」を確認してください。
犬の年齢や体重、食べた時刻、推定量、殻ごと飲み込んだか、現在どのような症状があるかを整理し、できるだけ早く動物病院へ連絡します。残っている銀杏や写真などがあれば、診察時に見せられるよう準備しておくとよいでしょう。
特に避けたいのが、自宅で無理に吐かせようとすることです。自己流の催吐は、別の中毒や消化管へのダメージなどを引き起こす危険があります。
口の中に銀杏が残っている場合も、簡単に取り出せる範囲にとどめましょう。喉の奥へ手を入れたり、嫌がる犬の口を無理に開けたりすると、さらに奥へ押し込んだり噛まれたりするおそれがあります。
また、けいれんしている場合は体を強く押さえつけたり、口の中へ手や物を入れたりしないでください。周囲の危険物を遠ざけて安全を確保し、速やかに動物病院へ搬送しましょう。
まとめ

銀杏は、犬に積極的に与えてよい食べ物ではありません。摂取すると嘔吐や下痢などの消化器症状だけでなく、震えやふらつき、けいれんなどの神経症状が現れる可能性があります。
秋の散歩では、イチョウの木が多い場所や銀杏が大量に落ちている場所に注意し、愛犬が口へ入れる前に避けることが大切です。「離して」の練習や、必要に応じた拾い食い防止グッズも活用しましょう。
万が一銀杏を食べてしまった場合は、「少しだから大丈夫」と自己判断せず、食べた時刻や量などを確認して動物病院へ連絡してください。また、自宅で無理に吐かせるのは危険です。獣医師の指示に従い、震えやけいれん、繰り返す嘔吐などの異変がある場合は速やかに受診しましょう。



