犬は「飼い主のことを嫌っている人」が分かる?

犬は自分や家族の安全を守るために、五感を使って常に周囲の状況を把握しています。
そのため、自分や飼い主さんに近づいてくる人のことはよく見ていて、何か問題が起こらないか考えることもあるでしょう。
相手の顔の表情をはじめ、声のトーン、仕草、行動などから感情を読み取って、コミュニケーションの取り方を決めています。
呼吸のリズムなど人間では見落としてしまうような小さな変化にも気がつきやすいため、相手が怒ったりイライラしたりしているとそれを敏感に察知することがあります。
あからさまな敵意ではなくても、不満や警戒心などネガティブな感情を読み取ることができるとも考えられていて、大切な飼い主さんを守るためにその観察力が発揮されるのです。
犬が持つ優れた観察能力とは?

人の表情を読み取る能力
犬には人間の表情から、そこに含まれる感情を読み取る能力があるとされていて、その能力については世界各国で研究や実験が行われています。
人間の顔写真を見せたあとの犬の行動を観察することで、笑顔には「肯定的な意思」があり、怒っている顔には「否定的な意思」があると認識していることがわかりました。
それは飼い主さんの顔だけでなく、見知らぬ人の顔でも判別できると考えられ、犬自身の行動や意思決定に役立てられていることが明らかにされました。
そうした多くの研究から、犬は人間の表情を識別し、それぞれの表情の意味も理解していると考えられています。
状況把握をする観察力
犬は飼い主さんが他人と会っているとき、その様子をよく観察しています。
その中で、飼い主さんと対峙している相手を交互に見る「参照的注視」と呼ばれる行動をする犬は少なくありません。
さらに、両方の様子を見て関係性を察知し、飼い主さんの感情や行動に同調する様子も見られます。
具体的には、飼い主さんが誰かに近づくとき、立ち止まったりためらうような素振りをすると、犬もそれを真似ることがあるのです。
これは人間の親子でも起こるもので、飼い主さんとの関係性が深まっているほど犬にもよく見られるようになります。
人の感情への共感力
人間の感情を読み取るだけでなく、その感情に自然と共感する犬も多くいるとされています。
飼い主さんが楽しそうにしていると犬もテンションが上がるということはめずらしくなく、悲しそうにしているとそれに共感して寄り添うような行動を見せることもあります。
国内でも麻布大学をはじめとした複数の大学の共同グループで、「人の情動や感情が犬に伝染するか」をテーマにした研究が行われました。
犬と飼い主さんの心拍数を測り調査したところ、同様の変動が見られるペアが多くいました。そのなかで、飼育期間が長いほど、変動データが同期しやすいということもわかっています。
まとめ

犬は鋭い五感を持っていて、それらを活用することで状況把握や安全対策をおこなっています。
そのなかで、大切な飼い主さんや周囲の人のこともよく観察していて、それぞれの感情を読み取ったり同調したりすることがあります。
もちろん、人間のすべての感情を理解できるわけではありませんが、犬には人間同士以上に伝わるものがあることを覚えておきましょう。
愛犬を過度に不安にさせたりストレスを与えたりすることがないように、コミュニケーションを取るときにもぜひ意識してみてください。



