犬の認知症は何歳から?発症しやすい年齢とは

犬の認知症は、人間と同じように脳の老化によって起こる病気です。
一般的には10歳頃から少しずつリスクが高まり、13〜15歳以上になると発症率が大きく上昇するといわれています。ただし、大型犬は小型犬よりも寿命が短い傾向があるため、もう少し若い年齢から症状が現れるわんこも多いです。
もちろん、高齢だからといって必ずしも認知症になるわけではありません。しかし、シニア犬と暮らしている場合は、小さな変化を見逃さず、できる範囲で進行を食い止めてあげることが大切です。
犬の認知症で見られる初期症状5選

認知症は突然始まるものではなく、少しずつ変化が現れます。もしも次のような初期症状が見られたときは注意しましょう。
1.夜に吠えることが増えた
認知症の代表的な症状のひとつが、夜間に理由もなく吠える行動です。認知症の犬は、昼夜の生活リズムが乱れたり、不安を感じたりすることで、夜中に何度も吠えるようになることがあります。
以前は静かに眠っていた犬が急に夜鳴きを始めた場合は、一度動物病院に相談すると安心です。
2.同じ場所を歩き続ける
部屋の中をぐるぐる回ったり、壁に沿って歩き続けたりする行動も認知症の犬によく見られる行動です。
目的がある散歩とは違い、同じルートを延々と歩き続ける場合は、認知機能の低下が関係している可能性があります。
3.名前を呼んでも反応が鈍い
「耳が遠くなっただけ」と思われがちですが、認知症によって飼い主への反応が薄くなるケースも見受けられます。
日常の中で視線が合わない、ぼーっとしている時間が増えたなどの変化が現れている場合は、認知症の初期症状の可能性があるので見逃さないようにしましょう。
4.トイレの失敗が増える
今まできちんとできていた愛犬が、突然トイレを失敗するようになるのも認知症ではよく見られます。
高齢の場合は、病気や筋力の低下が原因でトイレの失敗が増えることもあるため、自己判断せず、まずは獣医師に相談することが大切です。
5.家族とのコミュニケーションに変化が現れる
認知症が進行すると、以前は甘えてきた犬が無反応になったり、反対に、急に不安が強くなって家族を後追いするようになったりすることもあります。
何気ない性格の変化に見えても、実は認知症の初期症状だったという事例は少なくありません。こうした愛犬の何気ない変化を見逃さず、適切に対応しましょう。
犬の認知症は予防できる?進行を遅らせる方法も

残念ながら、犬の認知症を完全に予防する方法は確立されていません。しかし、生活習慣を整えることで発症リスクを減らしたり、進行を穏やかにしたりすることは多少期待できます。
適度な運動を続ける
散歩は筋力だけでなく、脳への良い刺激にもつながります。無理のない範囲で毎日体を動かし、外の景色や匂いを楽しませてあげることが大切です。
体力面や足腰への負担などが気になるようであれば、ドッグカートを利用して、外の景色や匂い、音だけでも楽しませてあげましょう。
頭を使う遊びを取り入れる
知育トイやノーズワーク、おやつ探しなどは、脳への良い刺激になります。
意図的に「考える時間」を作ることは、認知機能の維持にも役立つと考えられているので、日常のコミュニケーションの中に取り入れてみましょう。
規則正しい生活を送る
毎日の食事や散歩、睡眠時間をなるべく一定にすると、生活リズムが整いやすくなります。生活リズムが整うと、脳への良い刺激になったり、あるいは愛犬の安心感にもつながるでしょう。
安心して過ごせる毎日は、シニア犬の心身に良い影響を与えます。起きる時刻、就寝時刻、ご飯や散歩の時間など、1日の節目になるタイミングを、なるべく一定に保ちましょう。
栄養バランスを見直す
シニア犬用フードや、脳の健康維持をサポートする成分を含む食事を選ぶことも、日々のケアとして効果が期待できます。
ただし、犬によって体質が異なるので、食事内容について迷ったときは、かかりつけの獣医師に相談しながら選ぶと安心です。
犬の認知症に薬はある?気になったら早めに受診を

現在、犬の認知症を完全に治す薬はありません。しかし、症状を和らげたり生活の質(QOL)の維持を目的とした薬やサプリメントが処方されることはあります。
また、「夜に吠える」「眠れない」「不安が強い」といった症状に対して、それぞれの状態に合わせた行動療法などの治療が行われるケースもあるでしょう。
ただし、認知症とよく似た症状に、脳の病気や内臓疾患、視力・聴力の低下なども該当します。これを見過ごしてしまうと、病気の状態が悪化してしまう恐れもあるので、自己判断は禁物です。
「少し様子がおかしい」と感じたら、様子を見ずにその段階で受診することが、愛犬にとっても負担の少ない対応につながります。
まとめ

犬の認知症は、さまざまな初期症状から始まります。一般的には10歳頃から注意が必要になり、高齢になるほど発症リスクは高まるので、適度な運動や脳への刺激、規則正しい生活などを意識して、少しでも発症リスクを下げたり、進行を穏やかに食い止めましょう。
日々の小さな気付きが、愛犬との穏やかな時間を少しでも長く守ることにつながりますよ。



