犬の『ストレススマイル』ってなに?無理して笑っているのかも…注意すべきサインを見極めるコツまで

犬の『ストレススマイル』ってなに?無理して笑っているのかも…注意すべきサインを見極めるコツまで

犬が口角を上げたように見えたり、ニコッと笑っているような表情をすると、「かわいい!」と思いますよね。ただ、同じ“笑顔っぽい顔”でも、本当にリラックスしているときもあれば、緊張や不安がにじんでいる場合もあります。いわゆる「ストレススマイル」は、犬がその場を何とかやり過ごそうとしたり、刺激を弱めてもらおうとしたりするときに見せる表情のひとつです。ここでは、犬のストレススマイルとは何か、どんな場面で出やすいのか、安心した笑顔との見分け方をまとめます。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬の『ストレススマイル』とは?

微妙な笑顔

ストレススマイルというのは、犬が緊張しているときに、口が開いて口角が上がったように見えたり、どこかヘラッとした表情になったりする状態を指して使われることがあります。見た目だけだと笑っているように見えますが、人のように「楽しくて笑っている」という意味とは限りません。

実際には、「落ち着きたい」「それ以上はやめてほしい」「この場を無難にやり過ごしたい」といった気持ちが表情に出ていることがあります。つまり、笑顔に見えても、犬の気持ちは必ずしも明るいわけではないのです。

ストレススマイルが出やすい場面

嫌がる犬

犬のストレススマイルは、安心しているときよりも、「ちょっと苦手」「逃げたいけれど逃げにくい」と感じる場面で見られることが多いです。たとえば、次のような場面です。

  • 苦手な人に触られそうなとき
  • 写真撮影でじっとさせられているとき
  • 動物病院やトリミングなど緊張する場所にいるとき
  • 叱られた直後や気まずい空気のとき
  • 子どもに囲まれていて、自分のタイミングで離れられないとき

ポイントになるのは、犬が自分で距離を取れない状況で出やすいということです。「笑っているから大丈夫」と見える場面でも、実はかなり我慢していることがあります。

注意すべきサインと見極めのコツ

ペロリとする犬

ストレススマイルかどうかを見るときは、口元だけで判断しないことが大切です。目、耳、しっぽ、体の緊張などをまとめて見ると、気持ちがかなり分かりやすくなります。

ここでは、特に気をつけて見たいサインと見極め方を紹介します。

口が開いているのに、目が笑っていない

口元は笑っているように見えても、目に力が入っている、白目が見える、視線が泳ぐといった様子があるなら、緊張している可能性があります。

本当に落ち着いているときの犬は、目元までやわらかい表情になります。口だけを見るのではなく、「目が穏やかかどうか」を一緒に見ることが大切です。

耳が後ろや横に倒れている

耳がぺたっと後ろへ倒れていたり、横へ寝ていたりするのは、不安や警戒がにじんでいることがあります。

うれしいときや楽しいときは、耳の位置がもっと自然だったり、前向きになっていたりすることが多いです。耳は気持ちが出やすい場所なので、かなり分かりやすい手がかりになります。

しっぽが低い、または動きが不自然

うれしいときのしっぽは、自然な高さでやわらかく動いていることが多いです。一方で、ストレスがあるときは、しっぽが下がっていたり、小刻みに速く動いていたりすることがあります。

しっぽを振っているから安心、とは限らないので、位置や動き方まで見ておきたいところです。

口元をぺろぺろ舐める・あくびが増える

眠くないのにあくびをしたり、鼻先をペロッと舐めたりするのは、犬が自分を落ち着かせようとしているサインとしてよく見られます。こうした行動は、ストレススマイルと一緒に出ることも少なくありません。

「なんとなく変なタイミングであくびしているな」と感じたら、緊張していないか見直してみるとよいでしょう。

体が固い・逃げたがっている

表情だけ見ると笑っているようでも、体全体がこわばっていたり、後ろへ下がろうとしていたり、足を踏ん張っていたりするなら要注意です。犬は、顔よりも体のほうに本音が出やすいことがあります。

「顔は笑顔っぽいのに、体は全然くつろいでいない」というときは、無理をしている可能性があります。

まとめ

笑顔のポメ

犬のストレススマイルは、楽しい笑顔というより、緊張や不安をやり過ごすために出る“笑顔っぽい表情”です。見分けるときは、口元だけでなく、目、耳、しっぽ、体の硬さまで含めて全身を見ることが大切です。

少しでも「無理していそうだな」と感じたら、距離を取り、犬が自分で落ち着ける環境を整えてあげると安心につながります。表情を「かわいい」で終わらせず、「今どんな気持ちかな」と考えてあげることが、犬にとっていちばんやさしい接し方ではないでしょうか。

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