犬の嗅覚は人間の何倍くらいあるの?

犬の嗅覚が優れていることはよく知られていますが、人間の1万倍~10万倍とも言われています。
そして、その優れた嗅覚には、犬種による違いや個体差があります。
狩猟犬や警察犬として活躍してきた歴史のある犬種では、犬の中でもとくに優れた嗅覚の持ち主であるとされています。
鼻の中にある嗅覚受容体の数で比較すると、人間の嗅覚受容体の数が約500万個であることに対して、犬の嗅覚受容体の数は約2億個~3億個以上です。
犬の嗅覚が持つ能力

1.微細なにおいを感知する能力
犬の嗅覚では、ごくわずかなにおいも感知することができるとされています。
- 空気中を漂う微量な成分
- 時間が経って薄れたにおい
このようなにおいを感知することができるため、警察犬として活躍する犬の場合では、落とし物の追跡や遭難者の捜索などで大きな力を発揮します。
この能力は、鼻の中にある嗅覚受容体の数が非常に多いこと、においを分析する脳の領域が発達していることが大きく関係しています。
2.においを識別したり記憶したりする能力
犬は感知したにおいを細かく識別したり、そのにおいを記憶したりすることができます。
人間のにおい、犬のにおい、猫のにおい、自分のごはんのにおい、場所のにおいなど、それぞれを区別し、一度覚えてしまったにおいは、長期間記憶することができます。
久しぶりに会った人間を警戒して威嚇することがありますが、においを嗅いだ瞬間、記憶がよみがえり、知り合いだったことが分かるのです。
3.においから情報を読み取る能力
犬はにおいを通じて多くの情報を得ることができます。
においを嗅ぐことで、相手の年齢や性別も分かりますし、今どのような感情であるかも読み取ることができます。
また、相手の体調もにおいから読み取ることができるとされており、特別なトレーニングを受けた犬の中には、人間の病気を発見することができる犬もいます。
愛犬が飼い主の感情を読み取る方法には、汗や皮脂のにおいが重要であるとされています。飼い主が不安なとき、緊張しているとき、汗や皮脂に混じる分泌物の微妙なにおいの変化を嗅ぎ取っているのです。
犬の嗅覚の仕組み

鼻の内部構造
犬の嗅覚が優れている理由のひとつは、鼻の内部構造にあります。
犬の鼻の中は非常に複雑に入り組んでいるのですが、においを感じ取る部分が広い面積を占めており、その部分は「嗅覚上皮」と呼ばれています。
そして、犬が呼吸するための空気の通り道と、においを分析するための通り道をある程度分けて使うことができる仕組みとなっています。
においを嗅ぎたいときは、短く何度も息を吸い込み、空気を効率よく取り込むことで、そのにおい成分を鼻のより奥へと送り込むのです。
犬がにおいを嗅ぐときの音を聞いたことがありますか?「フンフンフンフンッ」と、短く何度も息を吸い込んでいることがよく分かりますので、耳を近づけて聞いてみてください。
においから得た情報を処理する脳の働き
嗅覚に関わる脳の部分では、においから得た情報を処理する領域が非常に発達しており、人間よりも大きいとされています。
そのため、過去にたった一度嗅いだことのあるにおいも覚えていたり、複数のにおいが混じり合う中からも個別に識別することができたりするのです。
また、犬には「ヤコブソン器官(鋤鼻器)」と呼ばれる特別な器官があります。主にフェロモンなどの化学物質を感知する役割を担っています。
この器官によって、他の犬の性別や発情状態を確認したり、縄張りの情報を正確に読み取ったりすることができるとされています。
まとめ

犬の嗅覚は人間の1万倍~10万倍とも言われています。
犬の嗅覚が優れているのは、ただ単純によくにおいを嗅ぎ取ることができるということだけではありません。
においを識別することができること、においを長期間記憶することができること、においから情報を分析したり、においから追跡することができたり、複数の高度な能力が組み合わさっているからなのです。



