犬を『人間扱い』するリスク5つ なぜ人と同じように接してはいけないの?

犬を『人間扱い』するリスク5つ なぜ人と同じように接してはいけないの?

犬を「家族」として大切にするのは、とても自然で素敵なことですよね。ただ、人間とまったく同じ感覚で接しすぎると、犬にとってはかえって負担になってしまう場合があります。その影響は、健康や行動、精神面、社会性、安全面など、さまざまなところに表れやすいです。ここでは、犬を人間扱いしすぎたときに起こりやすいリスクを整理しながら、犬に合った関わり方のヒントを紹介します。

お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

めのうアニマルクリニック院長。猫が大好きなあまり、犬と猫を分けた動物病院を開院。「犬にも猫にも優しい動物病院」をコンセプトにしています。腫瘍学を得意分野としていますが、しつけに対しても力を入れており、パピークラスを開校して子犬のトレーニングを行っています。

犬を「人間扱い」しすぎる主なリスク5つ

デザートを盗み食い

犬に愛情をかけること自体は、もちろん悪いことではありません。ただし、「人ならこうだから犬も同じなはず」と考えてしまうと、犬の習性や体の仕組みとずれてしまうことがあります。

まずは、起こりやすいリスクをひとつずつ見ていきましょう。

1.健康リスクが増える

人間の食べ物は塩分や糖分、脂肪分が多いものが多く、犬にとっては負担になりやすい傾向があります。「少しくらいなら大丈夫」と思って与えたものが、下痢や嘔吐、肥満、体調不良の原因になることも。

一度で大きな問題が起きなくても、その“少しだけ”の積み重ねが、将来的な健康リスクにつながることもあります。

2.問題行動が増えやすくなる

かわいさのあまりルールをゆるめすぎたり、場面によって対応が変わったりすると、犬はどう行動すればよいのか分からなくなります。その結果、要求吠えや噛み癖、トイレの失敗などが増えてしまう可能性も。

犬は言葉で納得するというより、経験の積み重ねによって学習する動物なので、分かりやすい一貫性が安心につながるのです。

3.分離不安や依存が強くなる

常に抱っこする、いつでも一緒にいる、少し離れるだけでもすぐ構う――そんな関わり方が続くと、犬がひとりで落ち着く力を育てにくくなります。

その結果、留守番が苦手になったり、姿が見えないだけで吠えたり、落ち着きを失ったりする場合も。「ずっと一緒にいること」が愛情に見えても、犬にとっては自立しにくい環境になっていることもあるでしょう。

4.社会性が育ちにくくなる

外の刺激やほかの人・犬と関わる機会が少ないと、社会性が育ちにくくなる場合があります。その状態で散歩や外出の場面に出ると、緊張しやすくなったり、吠えやすくなったりと、強いストレス反応が出ることもあります。

無理に慣れさせる必要はありませんが、少しずつ経験を積んでいくことは、犬が安心して暮らすためにも大切です。

5.安全面の問題が起きやすくなる

「うちの子は大丈夫」「言えば分かるはず」と過信してしまうと、管理やしつけがゆるみ、事故のリスクが高くなることがあります。

飛び出し、拾い食い、他人への飛びつきや咬傷などは、ちょっとした油断から起こりやすい問題です。愛情をかけることと、安全管理を徹底することは別ではなく、むしろセットで考える必要があるでしょう。

愛情はそのままに“犬らしく”接するコツ

ドッグランで遊ぶ犬

愛情を減らす必要はまったくありません。ただ、その伝え方を犬に合う形へ少し整えるだけで、犬はもっと安心して過ごしやすくなります。

食事は基本的に犬用を中心にする

人の食べ物を分けるのではなく、犬の体に合った安全な食事を基本にすることが大切です。
特別感を出したいときも、犬用のおやつやごはんで工夫したほうが安心でしょう。

ルールは家族で統一して一貫させる

昨日はOKだったのに今日はダメ、という対応は犬が混乱してしまいます。していいこと・いけないことを家族で揃えるだけでも、犬はずっと落ち着きやすくなります。

抱っこや構いすぎは控え、休む時間を守る

かわいいからとずっと構っていると、犬は気持ちを休める時間を取りにくくなります。自分で離れたいときに離れられる環境や、邪魔されずに休める場所を作ってあげたいですね。

留守番やひとり時間を少しずつ練習する

いつも誰かがそばにいる環境だけでは、ひとりで過ごす力が育ちにくくなります。
短い時間からでも、安心して待てる経験を積んでいくことが、結果として犬の心を安定させます。

散歩や遊びで心と体を満たす

犬にとって、歩くこと、においを嗅ぐこと、遊ぶことはとても大切です。ただ可愛がるだけでなく、犬らしく過ごせる時間をきちんと作ることが、心身の安定につながるでしょう。

まとめ

飼い主と仲良し

犬を人間扱いしすぎると、健康、行動、精神面、社会性、安全面に影響が出やすくなります。愛情を注ぐこと自体はよいことですが、犬の習性を無視した関わり方は、かえって逆効果になってしまうことも。

大切なのは、愛情を減らすことではなく、犬が理解しやすく安心できる形に整えて伝えることです。犬に合った接し方を意識することで、愛犬はもっと落ち着いて心地よく暮らせるようになるでしょう。

はてな
LINE
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。