犬がやりがちな『可愛い危険行動』10選 愛犬の安全を守るために飼い主ができることまで

犬がやりがちな『可愛い危険行動』10選 愛犬の安全を守るために飼い主ができることまで

今や家族の一員として迎えられている犬たちの仕草や行動は、何を見ても「可愛い」と頬を緩めてしまいがちですが、実は可愛く見えて注意が必要な「危険信号」である可能性もあります。ただ「可愛い」とか「個性的」と流してしまわず、注意すべき危険信号となる可能性がある「可愛いけれど危険かもしれない行動」についてまとめました。愛犬のしつけや健康管理にお役立てください。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

事故の原因になりかねない危険行動

高齢女性に飛びつく大型犬

1.人に飛びつく

飼い主さんの帰宅時や遊びの最中など、興奮すると相手に飛びつく犬は少なくありません。飼い主さんにとっては可愛らしい愛犬からの愛情表現ですが、人に飛びつくことが当たり前になってしまうと、来客や他人などにも飛びつき、事故やトラブルを招くことがあります。

たとえ小型犬でも、お子さんや高齢者の場合は大きな事故になりかねません。日頃から「オスワリ」「フセ」などの指示語で落ち着かせられるようにトレーニングをし、遊びの場面でも興奮させすぎないよう心がけましょう。

2.散歩中にリードを引っ張る

好奇心旺盛な犬は、散歩中に気になるニオイやすれ違う人や犬に惹かれて、リードを突然強く引っ張って気になる方へ行こうとすることがあります。いきなり引っ張られると、飼い主さんが転倒したり、愛犬自身の首に強い負荷がかかるなどで、怪我や事故につながりかねません。

リードを強く引っ張って勝手な方向に行こうとしたら、立ち止まって「引っ張ると散歩が中断されてしまう」と学習させましょう。ただし他人の私有地ではなく安全な場所であれば、しっかりとニオイを嗅がせて好奇心を満たしてあげる時間も作ってあげましょう。

3.甘噛み

子犬の頃は大きな怪我になりにくいため、手や足を噛むのを許してしまい、一緒に楽しく遊んでしまう飼い主さんは少なくありません。しかし、子犬の頃に甘噛みを許してしまうと、犬は「人の手はおもちゃで噛んでも良いもの」と学習してしまいます。

やがて成長し力が強くなると、飼い主さんや他の人に怪我をさせてしまうかもしれません。たとえ甘噛みでも、子犬の頃から人の手や足を噛んではいけないことを、しっかりと教えましょう。

病気や怪我の原因になりかねない危険行動

飼い主の食事をねだる犬

4.食べ物のおねだり

飼い主さんの食事中に足元にやってきて、食べているものをおねだりすることがあります。甘えるような鳴き声や仕草、そして期待に満ちた瞳が可愛らしくて、ついついおかずのお魚やお肉などをあげてしまう飼い主さんもいるかもしれません。

しかし人間用の味付けは、犬には塩分や香辛料の刺激が強すぎます。また犬には中毒を引き起こす食材もたくさんあります。決して人の食事は口にさせないようにしましょう。どうしてもあげてしまうご家族がいる場合は、ご家族の食事中はケージに入っていてもらうなど、近寄れないようにすると良いでしょう。

5.ジャンプ

ジャンプをしてソファやベッドに上り下りする犬も多いです。しかし、ジャンプや着地時の衝撃は、想像以上に犬の膝関節・股関節・腰・背骨などに負荷をかけます。ソファやベッドの手前に犬用のステップを設置して段差をなくしたり、床に敷物を敷いて衝撃を抑えるようにしましょう。

また、後ろ足2本で立ち上がったり、その姿勢のままピョンピョン飛び跳ねることがありますが、これは椎間板ヘルニア・脱臼・骨折を引き起こしやすい行動です。特に膝蓋骨脱臼、股関節形成不全などの持病があり、興奮しやすい子には注意しましょう。

6.常同行動(同じ動作を繰り返す)

多くの哺乳動物は、退屈だったりストレスが溜まったりすると、周囲からは意図がわからない行動を何度も繰り返す「常同行動」を見せることがあります。例えば、自分のしっぽを追っていつまでもくるくると回ったり、同じ場所を掘り続ける、部屋の中を旋回し続けるなどです。

こういった行動が見られた場合は、ストレスの可能性があるため、その原因を突き止め、取り除いてあげましょう。取り除けない場合は、刺激が少しでも和らぐように工夫しましょう。なお、飼い主さんの声も耳に入らず、延々と続ける場合は、脳神経系の病気の可能性もありますので、動物病院で診てもらいましょう。

病気が疑われる危険行動

横座りする犬

7.横座り

足を横に投げ出すような、ちょっと色っぽくて可愛い座り方も、注意が必要です。この座り方は、柔軟性の高い犬や子犬によく見られますが、股関節形成不全、膝蓋骨脱臼などの病気の症状の可能性もある座り方です。突然このような座り方をし始めたら、できるだけ早めに動物病院で診察を受けましょう。

8.お尻を床に擦り付ける

後ろ足を前方に投げ出すようにしてお尻を地面や床に付け、肛門を擦り付けるように歩いている場合も、注意が必要です。一時的なものですぐにやめる場合は、単に肛門付近についた便が気持ち悪かっただけかもしれません。

しかし頻繁にこの仕草をする場合は、肛門嚢炎、肛門嚢破裂、寄生虫感染などの症状かもしれません。早めに診察を受け、適切な治療を受けましょう。

9.モンローウォーク

かつてマリリン・モンローが映画の中でお尻を左右に大きく振りながらセクシーに歩く姿が話題になりました。犬がモンローウォークのようにお尻を左右に大きく振りながら歩いている場合は、股関節形成不全など、関節や筋肉の異常による症状の可能性があります。

この病気は先天性の場合も多いですが、後天的なケースも少なくありません。歩き方や座り方に違和感を感じた場合は、迷わずに動物病院で診てもらいましょう。

10.壁に頭を押し付ける

頭や額を壁や床に押し付ける行動も、注意が必要な行動の一つです。一見すると、何かに反省したりがっかりしたりしているように見え、そのはかなげな姿に可愛さを感じるかもしれません。

しかし、この行動はヘッドプレスと呼ばれている、神経系の病気のサインであり、脳腫瘍・認知機能不全症候群・脳卒中・脳の損傷などが考えられます。また頭を常に傾けている場合も、耳の病気や三半規管・脳神経系の異常の可能性があります。できるだけ早く動物病院で診てもらい、適切な治療を受ける必要があるでしょう。

まとめ

2本足で立ち上がる犬

見慣れない行動や仕草は、「可愛い」と思ってしまいがちです。しかしいつもと異なる行動や仕草は、心身の異変を示すサインの可能性が高いです。愛犬の普段の様子をよく観察し、いつもと違う行動を「違和感」として早めに察知できるようになりましょう。

ある日を境におかしな行動が現れるようになったり、飼い主さんの声も耳に入らないほど一心不乱に続けたりする場合は、迷わずに動物病院に連れて行きましょう。できるだけ軽症なうちに治療を開始することが大切です。

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