人と犬にも相性がある

家族として犬を家に迎え入れる場合、飼い主さんやそのご家族と、迎え入れられる犬との相性はとても大切です。子どもならいつかは独立し、親元を離れていくでしょう。しかし犬には飼い主さんの保護が必要です。飼い主さんの元を巣立つことはありません。
そのため、相性の悪い犬を迎え入れてしまうと、飼い主さんだけではなく、愛犬までもが不幸な生涯を過ごすことになるかもしれません。ですから、迎え入れる犬を決める際には、慎重に犬との相性を見極めなければなりません。
では、どうすれば相性が合わない犬を見極められるのでしょうか。事前に知っておきたい見極め方やポイントをご紹介します。
相性が合わない犬を見極める方法

愛犬との暮らし方を明確にイメージする
愛犬と一緒に「どのような暮らし方をしたいのか」というイメージを、事前に頭の中でしっかりと固めましょう。ご自身と愛犬との暮らし方をイメージできれば、それに適した犬種特性や性格を持つか否かを基準に、相性を見極められるからです。
まずは、愛犬との対面前に、しっかりと頭の中で「愛犬との理想の暮らし」をイメージし、そのために必要な犬の特性を整理しましょう。
体格や体力面の相性
犬は人よりも優れた能力をたくさん持っているため、いざという時には頼りになる存在になってくれるでしょう。しかし忘れてならないのは、あくまでも愛犬の保護者は飼い主さんだということです。
万が一の際に愛犬を助けるのは、飼い主さんの役目です。興奮して言うことが聞けない状態になっても、飼い主さんが体を張って守らなければなりません。そのため、小柄な方や力の弱い方にとって、大型犬や力の強い犬は相性が合うとは言い難い面があります。
活動的に暮らしたい飼い主との相性
毎日のランニング、休日にはドッグスポーツ、長期休暇にはキャンプなども楽しみたいといった、愛犬とアクティブな生活をしたい飼い主さんも多いことでしょう。
そんな飼い主さんに向いているのは、ボーダー・コリーやジャック・ラッセル・テリア、ダルメシアンなどの、活動的で遊び好きな牧羊犬・牧畜犬や、スタミナ抜群のテリア、運動能力が高く伴走犬などとして活躍していた犬種です。
逆に、ペキニーズやブルドッグなどのように、遊びへの関心が薄く活動性が低い犬種は、相性が合わないと感じる可能性が高いです。
落ち着いて暮らしたい飼い主との相性
犬と共に静かに落ち着いて暮らしたい飼い主さんもいるでしょう。そういう暮らしに向いているのは、ブルドッグ、狆、ゴールデン・レトリーバー、イタリアン・グレーハウンドなどの、あまり興奮しない特性を持つ犬種です。
ただし、興奮性が低くても、活動性が低いとは限りません。それぞれの活動量に見合った運動量の確保は必要です。
逆に、ジャック・ラッセル・テリア、チワワ、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアンなどの興奮しやすい犬種とは、あまり相性が合うとは言えません。
幼い子を持つ飼い主との相性

幼い子どものいるご家庭に迎える犬は、子どもの不意な動きにも防衛反応が出にくい、おおらかな性格の犬が望ましいです。ゴールデン・レトリーバーやボルゾイなど、大型犬でもおおらかでどっしりと構えているタイプの犬種は、相性が合うでしょう。
逆に体は小さくても、ミニチュア・ピンシャー、チワワ、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、柴犬など、子どもへの防衛反応が強く出やすい犬種は、負担になりがちです。また飼い主さんには、お子さんや犬への指導力や根気よくしつける忍耐力が求められます。
留守が多い飼い主との相性
かつては、家を守る番犬として犬を飼うご家庭が多かったのですが、現在は集合住宅が増え、番犬に向いている「縄張り意識が強い」犬種は、留守の多い飼い主さんとの暮らしには向かない特性となってしまいました。
縄張り意識が高い犬は、留守中のちょっとした物音などに反応し、大きな声で吠え続けてしまうため、騒音問題に発展する可能性があるためです。柴犬、ミニチュア・ピンシャー、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークなどは、相性が合いづらいかもしれません。
甘えられたい飼い主との相性
愛犬から思い切り甘えられ、ご自身も愛犬をたっぷりとかわいがりたい飼い主さんには、ミニチュア・ダックスフンド、ラブラドール・レトリーバー、トイ・プードルなどの、愛情要求が高い特性を持つ犬種との相性が合うでしょう。
逆に、独立心の高い日本犬や、あまり愛情を要求しない傾向の強いアフガン・ハウンド、ジャーマン・シェパード・ドッグ、ボルゾイなどとは、あまり合わないかもしれません。
多頭飼育の場合は犬同士の相性も大切

すでに一緒に暮らしている犬がいる場合は、迎え入れる犬と先住犬との相性を見極めることも大切です。情報だけで見極めるのは難しいため、先住犬と迎え入れる犬を対面させ、相性を見極めるための「お試し期間」を設けることをおすすめします。
またお互いの距離が縮み、仲良く過ごせるようになるまでは、それぞれが別々に過ごせるスペースを確保することも必要です。
まとめ

犬は、飼い主さんに向かって悪口を言いません。馬鹿にしたり意地悪をすることもありません。だからといって、犬との関係は人間関係よりも簡単だとか楽だというわけではありません。
相性の合わない人との交流が難しいように、相性の合わない犬との交流も難しいです。事前にご自身が望む犬との暮らしをイメージし、その暮らしと相性が合うタイプの犬を選ぶこと、そして迎え入れたらお互いに信頼し合える関係を構築し、その関係を深める努力を続けることが、お互いの幸せにつながるでしょう。



