『高齢犬』がみせるサイン5選 シニア期を迎える前にやっておくべき準備まで

『高齢犬』がみせるサイン5選 シニア期を迎える前にやっておくべき準備まで

大切な愛犬には、いつまでも元気でいてほしいですよね。しかし、愛犬も人間と同じように年をとり、体や行動に少しずつ変化が現れます。そのサインに早く気づいてあげることが、健やかな長生きの秘訣です。今のうちにできる準備を知って、愛犬との幸せな時間を守りましょう。

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記事の監修

めのうアニマルクリニック院長。猫が大好きなあまり、犬と猫を分けた動物病院を開院。「犬にも猫にも優しい動物病院」をコンセプトにしています。腫瘍学を得意分野としていますが、しつけに対しても力を入れており、パピークラスを開校して子犬のトレーニングを行っています。

「高齢犬」がみせる5つのサイン

ペットカートに乗る老犬

1.歩き方の変化

散歩の準備をしても喜んで飛び出してこなくなったり、階段やソファへの上り下りをためらうようになったら、足腰の筋力が落ちたり関節に違和感が出たりしているサインです。以前より歩くスピードが落ち、後ろ足を引きずるように歩くこともあります。

これは単なる疲れではなく、加齢による体の変化です。無理に歩かせようとせず、愛犬のペースに合わせてゆっくり歩く時間を作ってあげることが、今の時期には大切です。

2.睡眠時間の増加

若い頃は飼い主が動くたびに反応して追いかけていた愛犬も、高齢になると寝て過ごす時間がぐんと増えます。名前を呼んでも耳を動かすだけで、なかなか起き上がらなくなることも珍しくありません。

これは体力を温存しようとする自然な反応です。深い眠りを邪魔しないよう、静かな寝床を用意してあげましょう。ただし、単に寝ているのか、体がだるくて動けないのかを判断するために、呼吸の様子などはこまめに確認してください。

3.食事の様子

大好きだったおやつを食べるのに時間がかかったり、器からフードをポロポロとこぼしたりするようになったら注意が必要です。噛む力が弱くなったり、飲み込む力が衰えたりしている可能性があります。

また、鼻の機能が落ちて食べ物の匂いを感じにくくなり、食欲がムラになることもあります。食べやすさを考えて、お湯でふやかして香りを立たせたり、器の高さを少し上げて首に負担がかからないようにする工夫が必要になる時期です。

4.感覚の衰え

名前を呼んでも反応が薄くなったり、ドアが開く音に気づかなかったりするのは、耳が遠くなっているサインかもしれません。また、部屋の壁や家具に体をぶつけたり、段差で踏み外したりすることが増えたら、目が見えにくくなっている可能性があります。

こうした感覚の衰えは、愛犬自身を不安にさせます。急に体に触れると驚いてしまうこともあるので、視界に入る前からゆっくり声をかけるなど、安心させる接し方を心がけましょう。

5.性格・甘え方の変化

高齢になると不安を感じやすくなり、飼い主の姿が見えないと鳴き続けたり、常に体の一部をくっつけてこようとしたりする「甘えん坊」な一面が強まることがあります。逆に、頑固になったり、少しのことで怒りっぽくなったりする子もいます。

これは脳の老化や、体が思うように動かないストレスが原因であることが多いです。性格が変わったと悲しまず、不安を取り除いてあげるように、今まで以上に優しく声をかけてあげてください。

シニア期を迎える前にやっておくべき準備

ご飯を食べる犬

住まいの環境を整える

犬にとってフローリングの床は、私たちが氷の上を歩くように滑りやすいものです。筋力が落ちると踏ん張りがきかず、転んで怪我をする原因になります。今のうちに、よく通る場所や立ち上がる場所には滑り止めのマットやカーペットを敷いてあげましょう。

また、玄関などの大きな段差にはスロープを設置することも検討してください。目が見えにくくなった時のために、家具の角に保護クッションを貼るなど、安全な「バリアフリー」な家づくりを少しずつ進めましょう。

食事の見直し

年齢とともに必要なカロリーや栄養バランスは変わっていきます。シニア期向けのフードは、消化に良く、内臓への負担を減らすように作られています。

いきなり中身を全部変えると警戒して食べなくなることもあるため、今のうちから食いつきの良いシニア用フードを探したり、トッピングに使える柔らかい食材を試したりしておくと安心です。

また、噛む力が落ちた時に備え、ドライフードをふやかす練習や、ウェットフードに慣れさせておくことも大切です。

健康チェックの習慣化

病気の早期発見は、長生きのために最も欠かせないポイントです。毎日のスキンシップの中で、体に触れて「しこり」がないか、皮膚が赤くなっていないかを確認する癖をつけましょう。

シニア期に入ったら、病院での定期健診を半年に1回、あるいは季節ごとに行うのが理想的です。特に血液検査やエコー検査などは、元気な時の「基準値」を知っておくことで、いざ病気になった時に数値の変化に気づきやすくなります。信頼できる獣医との関係を深めておきましょう。

筋肉を維持する工夫

「年をとったから」といって動かさないでいると、一気に筋肉が落ちて寝たきりの原因になります。無理な運動は禁物ですが、愛犬が歩きたがるうちは、距離を短くしても外の空気に触れる散歩を続けましょう。

外からの刺激は脳の活性化にもなり、認知症の予防にも役立ちます。家の中でも、おやつを少し高い場所に置いて首を使わせたり、障害物をゆっくりまたがせたりするような「遊び感覚の筋トレ」を日常に取り入れて、今の筋肉を少しでも長く維持しましょう。

飼い主の心の構え

犬を撫でる手

愛犬が年をとることは、決して悲しいことだけではありません。今まで一緒に過ごしてきた絆がより深まる、とても大切な時間です。

できないことが増えても「どうしてできないの?」と叱るのではなく、「今まで頑張ってくれたんだね」と感謝の気持ちで接してあげてください。飼い主が穏やかで笑顔でいることが、愛犬にとって何よりの安心材料になります。

変化を受け入れ、今の愛犬に寄り添う覚悟を持つことで、シニアライフはより豊かなものになります。

まとめ

昼寝する老犬

愛犬の老化サインに早く気づき、元気なうちから環境を整えておくことは、愛犬の「痛み」や「不安」を取り除くことにつながります。

シニア期は、これまでの感謝を伝える特別な時間です。今日から愛犬の様子をじっくり観察し、今できることから少しずつ準備を始めて、幸せなシニアライフを一緒に歩んでいきましょう。

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