『皮膚トラブル』が起きやすい犬種5選 敏感になってしまう要因やケアのポイントまで

『皮膚トラブル』が起きやすい犬種5選 敏感になってしまう要因やケアのポイントまで

愛犬が体をかゆがったり、皮膚が赤くなっていたりすることはありませんか?実は、犬種によって皮膚の強さには違いがあります。本記事では、特に注意が必要な犬種や、デリケートな肌の原因、毎日の生活でできるケア方法について解説していきます。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

「皮膚トラブル」が起きやすい犬種5選

二匹の柴犬

犬の種類によって、皮膚の質や毛並みの特徴は大きく異なります。そのため、特定の病気になりやすい「なりやすさ」も犬種ごとに差があるのです。ここでは、特に注意が必要な犬種とその理由を詳しく見ていきましょう。

1.柴犬

柴犬は日本で非常に人気がありますが、実はアレルギー性皮膚炎に悩まされやすい犬種です。特に、環境中の花粉やダニに反応して皮膚が赤くなったり、激しいかゆみが出たりすることがよくあります。

柴犬の毛は密度が高く、皮膚の状態が外から見えにくいため、気づいた時には症状が進んでいることも少なくありません。また、一度かゆみが出ると執拗に舐めたり噛んだりする性質があるため、傷口から細菌が入って二次感染を起こすリスクも高いのが特徴です。

2.フレンチブルドッグ・パグ

これらの犬種は「短頭種」と呼ばれ、顔に独特の深いシワがあるのが魅力です。しかし、そのシワの奥には涙や皮脂、食べかすなどが溜まりやすく、常に湿った状態になりがちです。

通気性が悪いため雑菌が繁殖しやすく、独特のニオイがしたり、皮膚がただれてしまったりする「シワの炎症」が起きやすいのが悩みどころです。

毎日のお手入れでシワの間を優しく拭いてあげないと、慢性的な皮膚病につながる恐れがあるため、こまめなケアが欠かせません。

3.ゴールデンレトリバー

体が大きく、豊かな被毛を持つゴールデンレトリバーは、皮膚の「蒸れ」が最大の敵です。毛が密集しているため、湿気がこもりやすく、特に夏場や梅雨の時期には急激に皮膚炎が悪化することがあります。

また、皮膚に脂分が多い体質の個体も多く、ベタつきからくる湿疹や外耳炎も併発しやすい傾向にあります。水遊びが好きな犬種ですが、濡れた後に根元までしっかり乾かさないと、一晩で皮膚が赤く腫れ上がる「ホットスポット」と呼ばれる急性湿疹ができることもあるので注意が必要です。

4.トイプードル

トイプードルは毛が抜けにくい一方で、毛が絡まりやすく、汚れが皮膚付近に留まりやすいという特徴があります。皮脂の分泌バランスが崩れると、脂漏症(しろうしょう)と呼ばれるベタつきや強いニオイの原因になります。

反対に、冬場などは皮膚が非常に乾燥しやすく、カサカサとしたフケが出て、そこからかゆみが発生することも珍しくありません。

美しいカットを維持するためだけでなく、皮膚の健康を守るためにも、シャンプーや保湿のバランスを調整することが非常に重要な犬種といえます。

5.ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア

「ウエスティ」の愛称で親しまれるこの犬種は、遺伝的に皮膚疾患に罹りやすい個体が多いことで知られています。幼少期から皮膚の乾燥やかゆみを繰り返すケースが多く、全身の皮膚が硬く、黒ずんでしまうこともあります。

特定の食べ物や環境の変化に敏感に反応するため、生涯を通じて食事管理やスキンケアを徹底しなければなりません。見た目の可愛らしさの一方で、皮膚の健康維持には他の犬種以上に飼い主の手厚いサポートと、獣医師との連携が必要不可欠となる犬種です。

なぜ皮膚が敏感になってしまうの?

散歩する犬

犬の皮膚は、人間の赤ちゃんの皮膚よりも薄いと言われるほど繊細です。皮膚トラブルが起きる原因はひとつではなく、複数の要因が重なっていることが多いのが特徴です。まず大きな要因として「環境」が挙げられます。室内で過ごす犬にとって、エアコンによる空気の乾燥は皮膚の水分を奪い、バリア機能を低下させます。

また、お散歩で付着する花粉や、家の中のハウスダスト、食べ物に含まれる特定の成分に対する「アレルギー反応」も代表的な原因です。

さらに、良かれと思って毎日シャンプーをしたり、洗浄力の強すぎる石鹸を使ったりすることも、皮膚を守る必要な脂分まで落としてしまい、結果として肌を弱くさせてしまいます。

今日からできる「ケア」のポイント

ブラッシングされる犬

愛犬の皮膚を健康に保つためには、病院での治療だけでなく、家での正しいお手入れが何よりも大切です。難しいことではありませんが、継続して行うことが予防への近道となります。

こまめなブラッシング

ブラッシングは、単に毛並みを整えるだけのものではありません。最大の目的は、皮膚の通気性を確保し、古い毛や汚れを取り除くことです。毛が絡まったまま放置すると、皮膚に空気が届かなくなり、雑菌が繁殖しやすい高温多湿な環境を作ってしまいます。

毎日優しくブラシを通すことで、皮膚への適度な刺激が血行を促進し、皮膚本来の抵抗力を高める効果も期待できます。また、ブラッシングを習慣にすることで、小さな赤みや湿疹にいち早く気づけるというメリットもあります。

正しいシャンプー

シャンプーで最も大切なのは「刺激を与えないこと」です。必ず犬専用の低刺激なものを選び、自分の肌よりもぬるいと感じる温度(35度前後)のお湯を使いましょう。ゴシゴシと力強く洗うのではなく、泡で包み込むように優しく洗うのがコツです。

そして、何より重要なのが「すすぎ」と「乾燥」です。シャンプーの成分が皮膚に残ると炎症の原因になるため、丁寧に流してください。最後はドライヤーの温風が熱すぎないよう注意しながら、被毛の根元まで完全に乾かすことが、菌の繁殖を防ぐポイントです。

清潔な環境づくり

犬が長時間過ごす場所を清潔に保つことは、皮膚への刺激を減らすことに直結します。愛犬が使うベッドや毛布には、抜け毛やフケを餌にするダニが繁殖しやすいため、こまめに洗濯し、天日干しを心がけましょう。

また、部屋の空気の状態も重要です。乾燥しすぎると皮膚がカサカサになり、湿気が多すぎると細菌が増えやすくなります。加湿器や除湿機を活用して、年間を通して快適な湿度(50%〜60%程度)を維持することで、皮膚のバリア機能を正常に保つサポートができます。

毎日の観察

最高のケアは、飼い主による日々のチェックです。犬は言葉で「かゆい」と伝えられません。体をどこかに擦り付けていないか、特定の場所をずっと舐めていないかなど、行動の変化に注目しましょう。

また、撫でる時に毛をかき分けて皮膚の色をチェックしたり、耳や指の間から嫌なニオイがしないか確認したりする癖をつけてください。異常を早く見つけることができれば、治療期間も短く済み、愛犬が辛い思いをする時間も減らすことができます。

愛犬との触れ合いを、健康診断の時間にしましょう。

まとめ

掃除機と犬

犬の皮膚トラブルは、犬種ごとの体質を理解し、正しい知識を持って接することで防げるものがたくさんあります。

毎日のブラッシングや掃除、そして何より愛犬の様子をじっくり観察することが、健やかな肌を守る第一歩です。飼い主が少し意識を変えるだけで、愛犬はより快適で幸せな毎日を過ごせるようになりますよ。

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