犬にもうつ病があるの?

犬にも人間と同じようにうつ病になることがあります。主な原因は環境の変化や飼い主さんとの関係性の変化、病気などがあげられます。
うつ病の犬には「食欲が低下する」「無関心になる」といった様子が見られますが、外見からは分かりにくいため、気づきにくいと言えるでしょう。飼い主さんが日常の様子を日頃からよく観察し、少しでも気になる症状があれば獣医師に相談することが重要です。
早期発見で適切なケアや治療を行えば、回復の可能性も高まります。
うつ病の初期症状を知っておこう

犬のうつ病は初期段階では微妙な変化としてあらわれることが多く、飼い主さんが見過ごしやすいのが特徴です。うつ病の早期発見には、小さな違和感に気づけるかどうかがカギとなります。ここでは飼い主さんが気づきやすいうつ病の代表的な初期症状を解説します。
食欲低下
食欲が急に落ちるのはうつ病の典型的なサインです。いつもは喜んで食べていたご飯を残す、好きなおやつにも手を付けないといった様子が見られるようになります。
また、うつ病の場合は食べる量が少なくなるだけでなく、ご飯のそばに座っているのにまったく口を付けない、途中で食べるのをやめる、食べるのが遅くなるなど食べ方にも変化があらわれます。
飼い主さんは日頃から、体重や食事量の記録を取り、変化の傾向を把握することをおすすめします。うつ病に限らず、愛犬の健康を管理する上でも役に立ちます。
無気力・無関心
愛犬がいつも喜んでいた散歩や遊びに興味を示さなくなったり、呼んでも反応が鈍くなったりした場合も注意が必要です。例えば以前はボール遊びが大好きだった犬が、無表情で座っているだけになるなどの変化は、うつ病の典型的な症状です。
無気力は、体調不良と区別しにくいこともありますが、遊びや散歩など、日常的に楽しんでいた行動への反応が急に変わった場合は、精神的な問題も疑う必要があります。
活動量の低下
犬のうつ病の初期症状としてよく見られるのが、活動量の低下です。散歩や遊びの時間でも動きが鈍くなったり、無気力・無関心になることで、寝ている時間が増えたり、じっとしていることが多くなったりします。体力的には問題がなくても、精神的に疲れているサインと考えられます。
飼い主さんは日常の活動量をチェックし、愛犬の健康なときの状態を把握しておくと変化に気づきやすくなるでしょう。
鳴き方の変化
犬の鳴き声の変化は、うつ病の兆候としてあらわれることがあります。例えば、普段は静かな犬が急に吠え続けるようになったり、夜間や留守中に頻繁に鳴くようになった場合、心の不調が隠れている可能性があります。
突然無駄吠えをするようになった場合は、うつ病だけでなく、不安やストレスなど精神的な不調のサインであることも考えられます。
逆に、これまでよく吠えていた犬が急に吠えなくなるといった変化も、うつ病の可能性を示すサインです。鳴き声の増減や様子の変化に注意し、普段との違いを把握しておくことが大切です。
犬のうつ病で受診をする目安とは?

犬のうつ病で動物病院を受診する目安は、食欲不振、著しい無気力、過剰な吠え、活動量の低下といった行動変化が2週間以上続くなどです。 ただし、食欲不振や元気消失が見られる場合は、2週間も様子を見るのは危険です。 これらの症状はほかの病気の可能性も否定できないため、少しでも気になる変化があれば早めに受診して確認することが大切です。
受診時には身体的な病気の有無を確認し、うつ病と診断された場合は必要に応じて薬物療法や行動療法、生活環境の改善指導が行われます。
早めに対応することで、症状の悪化を防ぎ、回復が早くなります。
まとめ

犬のうつ病の兆候は目に見えにくく、早期発見には日常の些細な変化に気づけるかどうかが重要です。日頃から愛犬の健康状態や行動を記録しておくと、異変に気づくきっかけになります。
うつ病が悪化すると、犬はもちろん飼い主さんも辛い思いをすることになるでしょう。食欲の低下、無気力、無駄吠え、活動量の低下など、いつもと違う様子が見られたら、注意深く観察し、早めに動物病院で相談することが大切です。



