飼うのが大変な小型犬

ミニチュア・ピンシャー
「ミニピン」の愛称で親しまれるミニチュア・ピンシャーは、引き締まった体躯と小さいながらも凛とした佇まいで小さなドーベルマンとも言われます。また原産国のドイツで「小鹿」を意味する言葉で呼ばれるなど、どこか繊細な印象も受けるかもしれません。
ですがミニチュア・ピンシャーはもともとは害獣駆除の狩猟犬であり、その後は護衛犬として使役されていた歴史を持っています。それだけに他者に対する警戒心が強く、自立心も非常に強いため、社会化や無駄吠え矯正のしつけには苦労することがあります。
ジャック・ラッセル・テリア
ジャック・ラッセル・テリアは『マスク』や『マイ・ドッグ・スキップ』など著名な映画に多く登場し、特に2011年にアカデミー賞を受賞した『アーティスト』では、出演犬アギーの高い演技力が話題になりました。そのため「賢くて飼いやすい犬」のイメージを抱く人も少なくないのですが、実はなかなか癖のある犬種です。
ジャック・ラッセル・テリアの飼育上の悩みの第一は、その運動量の多さです。ジャック・ラッセル・テリアはもともと狩猟犬として活躍していましたが、とにかく活発で走り回ることが大好きな性質のため、大型犬並みの運動量が必要になります。また持ち前の賢さゆえに、飼い主の曖昧な態度や隙を敏感に察知して自分の要求を通そうとするため、しつけが難航することもあります。
ポメラニアン
ポメラニアンは高度経済成長期にはヨークシャー・テリア、マルチーズと並んで「座敷犬御三家」に数えられ、絶大な人気を博しました。ヴィクトリア女王に寵愛されていた歴史を持つ愛玩犬だけに友好的な性格で家族が大好き、家庭犬に向いている犬種と言えるでしょう。
一方、ポメラニアンブームが終焉を迎えた理由の1つにその「吠え癖」が挙げられます。ポメラニアンは環境の変化に敏感で警戒心も強いため、無駄吠えをしてしまう傾向があります。
ブーム当時にはポメラニアンの気質があまり知られておらず、飼い主のしつけに対する意識も高くなかったため、ポメラニアンは「吠え犬」の悪名を着せられて避けられてしまうようになりました。
もちろんしつけをしっかりすれば無駄吠えは矯正可能ですが、ある程度の覚悟と忍耐は必要です。
イタリアン・グレイハウンド
イタリアン・グレイハウンドは通称「イタグレ」と呼ばれ、とにかく細くて華奢な容姿に目を奪われます。古代エジプトや古代ローマ、ルネサンス時代にも寵愛されていましたが、実は日本に渡来したのは江戸時代。当時は「唐犬」として親しまれ、意外と日本人と付き合いの長い犬種なのです。
街で見かけるイタグレは多くが洋服を着ています。被毛も短く脂肪も少なそうで見るからに「寒そう」な体つきをしていますが、日本の冬の寒さはイタグレにとっては命取り。洋服を着せたり暖房を適切に利用するなど、体温管理に厳重に気を配る必要があります。また華奢な体型だけに骨折や皮膚病といった健康上のトラブルに見舞われることも他の犬種に比べて多く、手のかかる犬種と言えるかもしれません。
小型犬の落とし穴?犬種の特性をよく知って

本能的に警戒心が強い
小型犬はその名の通り体が小さいため、自分より物理的に大きな存在が多く、警戒すべき対象が周りにたくさんいます。そのため本能的に警戒心が強く、吠えなければいけない場面が多いのです。それが吠え癖となってしまうことがあります。
必要運動量は体の大きさに比例しない
ペットショップなどで「小型犬だから運動は必要ない」とセールスされた経験がある人もいるかもしれませんが、体の大きさと必要運動量の多さは必ずしも比例しません。その犬種の歴史や特性をよく調べることが大切です。
賢い犬種こそ要注意
賢い犬種であればしつけが簡単なはず、と思ってしまうのは初心者あるあるかもしれません。ですがそれは大きな勘違い。犬が賢ければ賢いほど、人間側にしっかりした知識と一貫性がなければ、犬は『指示に従わなくても大丈夫』と学習してしまい、しつけが上手くいかなくなってしまうのです。
まとめ

飼育放棄を防ぐためにも、「小型犬なら飼いやすいだろう」と一括りに考えるのではなく、その犬種の持つ特性をしっかり調べた上で飼育計画を立てることが大切です。



