犬を『人間扱い』するのが危険なワケ3選 起こり得るリスクや正しい接し方まで解説

犬を『人間扱い』するのが危険なワケ3選 起こり得るリスクや正しい接し方まで解説

愛犬を家族のように大切にするのは素敵なことですが、実は「人間と同じ」ように接すると、犬にストレスを与えたり、思わぬ事故を招いたりすることがあります。愛犬がずっと健康で幸せに暮らすために、知っておきたい注意点と正しいコミュニケーション方法をわかりやすくお伝えします。

お気に入り登録

犬を「人間扱い」するのが危険な理由3選

食事をつくる女性と犬

1.健康のリスク

犬を人間と同じように扱い、自分が食べているものを「一口だけ」と分けてしまうのは非常に危険です。人間にとっては美味しい味付けでも、犬の体にとっては塩分や糖分が多すぎることがほとんどです。

また、ネギ類やチョコレートのように、人間には無害でも犬が食べると命に関わる中毒症状を起こす食材も身近にたくさんあります。欲しがるからといって何でも与えるのは優しさではありません。

犬の健康を守るためには、犬専用のフードやおやつを、適切な量だけ与えることが飼い主として最も大切な責任です。

2.精神のリスク

犬を人間の子どものように扱い、「今日は何をしたい?」「これ嫌だった?」と常に問いかけたり、すべての判断を犬に任せたりすると、犬はかえって不安を感じてしまいます。犬は本来、頼れるリーダー(飼い主)の指示に従うことで安心を得る生き物だからです。

人間のように複雑な感情を汲み取ろうとしすぎると、犬は何が正しい行動なのか分からなくなり、パニックや強いストレスを感じることがあります。犬を尊重するとは、人間として扱うことではなく、犬が安心できる「ルール」を作ってあげることなのです。

3.安全のリスク

「うちの子は優しいから大丈夫」と人間のように信頼しすぎて、リードを緩めたり、しつけを怠ったりするのは危険です。犬はどれほど賢くても、急な物音や知らない動物に驚いて、反射的に飛び出したり噛みついたりしてしまう「本能」を持っています。

人間扱いをして社会のルール(マナー)を教えないままだと、外出先で他人に怪我をさせたり、愛犬自身が交通事故に遭ったりするリスクが高まります。

愛犬と周囲の安全を守るためにも、犬としての正しいしつけをしっかり行うことが不可欠です。

良かれと思っていることが負担になるケース

女性と嫌がる犬

多くの飼い主が「愛情」だと思って行っている行動が、実は犬を困らせていることがあります。例えば、犬がいたずらをした時に「どうしてそんなことするの?」と人間のように理由を問い詰めて長時間説教をすることです。

犬は数秒前の行動と今の言葉を結びつけられないため、ただ飼い主が怒鳴っている恐怖だけを感じてしまいます。また、犬が嫌がっているのに「可愛いから」と無理に抱っこをし続けたり、着脱が大変な服を長時間着せることも、犬の自由を奪う「人間都合」の振る舞いです。

おやつを欲しがるからと際限なく与えることも、一見優しく見えますが、実際には犬の肥満を招き寿命を縮める行為に他なりません。

こうした「自分がされたら嬉しいこと」をそのまま犬に当てはめるのではなく、犬の視点に立って本当に必要かどうかを考える視点を持つようにしましょう。

犬が喜ぶ「正しい接し方」のポイント

マテをする犬

言葉よりも行動で「はっきりした合図(コマンド)を出す」

犬は人間の言葉を文章として理解することはできません。「座ってほしいな」と長く話しかけるよりも、「オスワリ」という短くはっきりした合図(コマンド)の方が、犬にとっては理解しやすく安心できます。

大切なのは、家族全員で言葉を統一することです。お父さんは「座れ」、お母さんは「座って」とバラバラに言うと、犬は混乱してしまいます。

短い言葉とジェスチャーをセットにして、できた時には思いきり褒めてあげる。この明確なコミュニケーションこそが、犬が一番喜ぶ接し方です。

リーダーとしての振る舞いを意識する

犬にとって幸せなのは、自分がリーダーになって群れを守ることではなく、信頼できる飼い主がリーダーとして導いてくれることです。日常生活のなかで、食事や散歩のタイミングを犬の要求に合わせすぎず、飼い主が主導権を持つようにしましょう。

飼い主が落ち着いて、毅然とした態度で接することで、犬は「この人についていけば大丈夫だ」と心からリラックスできるようになります。わがままを聞いてあげることではなく、安心感を与える存在になることが、真の愛情です。

犬の習性を尊重する

犬を人間のように家の中で静かに過ごさせるだけでは、運動不足だけでなく「心の満足」も得られません。

犬は優れた嗅覚を持っており、外の匂いを嗅ぐことは情報収集やストレス解消に役立ちます。散歩はただ歩くだけでなく、安全な場所で草木の匂いを嗅がせたり、隠したおやつを鼻を使って探させたりする「犬らしい遊び」を取り入れてあげましょう。

人間のおしゃれや趣味に付き合わせるのではなく、犬が本来持っている本能を満たしてあげる時間を優先することが、愛犬の幸せに直結します。

まとめ

夫婦と犬

犬を家族として愛することと、人間扱いすることは違います。犬特有の体の仕組みや習性を正しく理解し、犬が安心できるルールを作ってあげることが、本当の優しさです。

飼い主が頼れるガイド役となり、適切な距離感で接することで、愛犬はストレスなく、安全で健康に暮らすことができます。お互いが違う生き物であることを認め合い、犬らしい喜びを尊重することが、長く幸せに一緒に過ごすための秘訣です。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。