犬は赤ちゃんをどう見ている?

犬は、人間の赤ちゃんを「自分の群れの一員」と捉えることがあります。ただ、見た目や動き、匂い、鳴き声が大人とまったく違うため、最初は「なんだろう?」と未知の存在として観察するケースも少なくありません。
優れた嗅覚で赤ちゃん特有の甘い匂いを感じ取り、その小さく弱々しい存在から“守るべき相手”と本能的に察することもあります。一方で、慣れていない犬にとっては、予測のつかない泣き声や動きが戸惑いや緊張を生む原因になることも。
つまり、犬が赤ちゃんをどう受け止めるかは、性格や社会性、過去の経験によって大きく異なります。穏やかなタイプの犬は自然に受け入れ、慎重な性格の犬は、少し時間をかけながら安心を覚えていく傾向があります。
犬に「赤ちゃんが可愛い」という感情はある?

人のように「可愛い」という言葉の概念を犬が理解しているわけではありませんが、犬にも“守りたい”という本能的な感情があります。
赤ちゃんの高い声・小さな体・甘い匂いなどは、犬の保護欲を刺激する要素。母犬が子犬を世話するときと同じような行動――そっと近づいて匂いを嗅ぐ、静かに見守る、ぺろっと舐めて確かめる――といった反応を見せることもあります。
また、赤ちゃんが笑ったり、やさしい声を出したときに犬の尻尾がゆっくりと揺れる場合、それは“安心”や“好意”のサインです。犬なりに赤ちゃんを「無害で心地よい存在」と感じている証拠といえるでしょう。
一方で、泣き声や動きに驚いて距離を取る犬もいます。その場合は「嫌っている」わけではなく、ただ慣れていないだけ。焦らず、少しずつ信頼を築いていくことが大切です。
犬と赤ちゃんを会わせるときの注意点

犬と赤ちゃんが安心して過ごすためには、最初の関わり方がとても重要です。ここでは、初対面から慣れるまでのポイントを紹介します。
最初の対面は必ず大人の見守りのもとで
犬がどんな反応をするかは、実際に会うまで分かりません。最初はリードをつけた状態で距離を保ち、落ち着いている様子を確認しながら少しずつ近づけるようにしましょう。
匂いや泣き声に慣らす段階を踏む
いきなり対面させるのではなく、赤ちゃんのおむつやタオルの匂いを嗅がせるなど、事前に刺激に慣らしておくとスムーズです。赤ちゃんの泣き声を録音して聞かせておくのも効果的。
赤ちゃんグッズにも慣らす
ベビーベッドやベビーカーなど、新しい物が増えることで犬が不安を感じることがあります。赤ちゃんが来る前から少しずつ部屋に置き、環境変化に慣れさせることが大切です。
スキンシップは短時間で・無理に近づけない
赤ちゃんに興味を示しても、最初から触れ合わせるのは避けましょう。犬が自分から近づいて匂いを嗅ぐ程度で十分です。しっぽを下げたり耳を後ろに倒すようなら、緊張しているサインなので距離を取ってください。
犬のストレスサインを見逃さない
あくび、目をそらす、体を舐める、しっぽを下げる――これらはストレスを感じている証拠。その場から離れたがっているときは、無理に一緒にさせず休ませましょう。
まとめ

犬にとって、赤ちゃんは初めて出会う小さくて不思議な存在です。最初は警戒したり、どう接していいか分からず戸惑うこともありますが、少しずつ慣れていくうちに、守りたい・そばにいたいという気持ちが芽生えていきます。
大切なのは、焦らず時間をかけて安心できる関係を築くこと。無理に触れ合わせるよりも、お互いのペースを尊重しながら距離を縮めていきましょう。
赤ちゃんと犬が穏やかに過ごせるよう、飼い主が橋渡し役となって「安全・安心・愛情」を守ってあげることが一番です。ゆっくりと時間をかけて、家族みんなで新しい日常を育んでいきましょう。



